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機械翻訳に関する記事を頼まれた

翻訳会社の社員になってから、翻訳のイベントで2回、そして機械翻訳関連の学会で2回発表した。
会社の方針として、年に最低1回は、何らかの発表をしようとなっている。

この秋にも1件発表して終わりかと思っていたら、その内容で学会ジャーナルに研究報告の記事を書いてほしいと頼まれた。
発行は半年後で、記事の締め切りも来年3月と余裕があるので、すぐに受諾の返事をした。

原稿料はもらえないため、勤務時間内に執筆することになる。
年内は記事の構成を考えて、必要な追加資料を探すことにして、来年から実際に書くことにしよう。

学会での発表は15分間と短かったが、記事では資料を追加して、背景説明と今後の課題の記述を強化する予定だ。

ということで今日は翻訳の合間に、以前見つけた資料に加えて、いくつか必要なデータを探した。

まず、ドイツ語圏から日本の特許庁にどれくらいの出願があるのかを調べた。
特許庁のホームページで、特許行政年次報告書2019年版の資料・統計編をダウンロードして確認した。
www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2019/document/index/0400.pdf

ここでは2018年のドイツとスイスからの出願件数のみを引用して考えよう。

135ページ(上記リンクのPDFの21ページ目)を見ると、ドイツは、6431件(そのうちPCT出願4553件、そのうち外国語書面出願1103件)、スイスは、2751件(そのうちPCT出願1931件、そのうち外国語書面出願446件)である。

この合計9182件のうち、ドイツ語から和訳した件数や、ドイツ語の外国語書面出願の件数は不明である。

というのも、化学やバイオ系では、英語で出願するドイツ企業も増えてきたし、英訳が出てから和訳することもあるからだ。

ドイツ語特許翻訳者が足りないため、人数が多い英日翻訳者を利用するために、英訳特許を和訳することが実際に行われている。
また、英日の単価は、独日の単価よりも30%以上安価に設定されることが多いので、費用節約にもなる。
それに加えて、発注する日本の特許事務所にドイツ語人材がいない場合、ドイツ語特許の和訳では、納品後の検品ができないという問題もある。

実際にどれだけの英訳特許から和訳したのか、それは統計がないため不明だ。
それでも、英訳特許から和訳してほしいという依頼を実際に受注したことがあるし、既に公開された和訳を読んでみると、英訳由来と思われるものが散見される。

ということで、ドイツ語特許和訳の需要について、推定することも困難である。
とりあえず、外国語書面出願を期限までに和訳することも含めて、年間最大9000件ということにしよう。

この中に英訳が混ざっていても、英訳に疑問点がある場合、ドイツ語特許翻訳者がドイツ語オリジナルを確認しているはずだから、ドイツ語特許翻訳者が受注した件数としておこう。

では、特許翻訳者の人数はどれくらいだろうか。
これもまた不明である。

2004年の「知的財産戦略について -大学等の優れた知的財産の創造及び活用をめざして-」(総合科学技術会議)では、20ページにはっきりと、【・特許翻訳者: 人数は不明】 とある。
www8.cao.go.jp/cstp/output/iken040526_2_1.pdf

翻訳業界としては、日本知的財産翻訳協会では、10000人超という概算を示している。
www.nipta.org/Exam_J.html

また、英日・日英のみだが、市場規模から6000人前後と推定している論文もある(倉増一,情報管理 50 (11): 727-737 (2008))。
www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/50/11/50_11_727/_pdf/-char/ja

英語の10%として600人だろうか。
PCT和訳案件の9000件から、月平均4件処理するとして、とりあえず、ドイツ語特許翻訳者は200人以下としておこうか。
実際には中間処理文書などもあるので、500~1000人程度がドイツ語特許に関わっていると思われる。

専門知識が豊富な特許翻訳者を募集しても見つからないという現状から、特許翻訳者として常時活動しているのは100人くらいではないか。
既に他社の専属翻訳者になっている場合もあるので、募集しても見つからないのだろう。

ドイツ語特許は、自動車や機械を中心にこれからも出願が続くのに、100人程度では足りず、翻訳者の養成が追い付かないのは明らかだ。

ということで、機械翻訳の導入は、英語以外の言語で特に必要になると思われる。
日本では英語ばかり重視しているので、特許では重要なドイツ語であっても、専門知識を持つ人材が確保できなくなるだう。
翻訳者の養成を続けながらも、現状では人手不足対策として機械翻訳の利用は避けられないだろう。

このようなイントロで必要性をアピールしようと思う。

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ドイツ語和訳のワード単価も下がっている

英語和訳のワード単価の話はよく聞く。
これまでの経験で、翻訳会社経由で受注した英語和訳案件では、7円が最低で、10円が多かった。

外資系試薬メーカーとの直接取引では、23円を経験している。
翻訳会社経由の2倍を超えるので、専門知識がある翻訳者は、経歴書を公開して直接取引を狙う方がよいと思う。

最低ワード単価の7円というのは、特許翻訳の入札案件で経験した。
実は、入札金額が設定価格を下回ったため、発注者が品質について心配となり、開始が何か月か遅れた。

消費税が10%になった今年は、ある国内翻訳会社でワード単価の再設定をした。
英語和訳では税抜きワード単価10円で合意し、10月の案件でさっそくその単価で受注した。

最低ラインと考えている10円を下回る要求があった場合は、もう断ることにして、ドイツ語和訳に専念しようかと思う。

そのドイツ語和訳でも、英語ほどではないが、単価下落が続いている。
今日見た学術論文のドイツ語和訳では、ワード単価9円と出ていた。
その翻訳会社のHPを見ると、税抜きの単価と思われるので、税込みで9.9円で、10円未満の時代となったようだ。

私がドイツ語論文の和訳を始めた2005年頃は、ワード単価15円が普通だった。
医学系論文を年末年始に受注したときは、正月休みがなくなるので、交渉して17円にしてもらったことがある。

リーマンショック後になぜか単価が下がってしまい、12~13円が増えた。
特許翻訳の入札案件では10円になったことがある。
10円以下は嫌なので、最近は海外の翻訳会社からドイツ語和訳を受注している。

ドイツ語翻訳者が足りないのに、ワード単価10円では、新規参入のモチベーションにはならないと思う。
会社員が副業で月収を5万円増やしたいならばかまわないが、翻訳専業では苦しい生活になることだろう。

お金が全てではないと言っても、専門家の努力が報われない社会にしてよいのだろうか。

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「有線LAN」なのに wireless LAN と英訳されていた

今月は珍しく、2件目のネイティブ日英翻訳のチェックを依頼された。
動画のナレーションの英訳チェックだ。

ただし、その動画は添付されておらず、いくつかの画像がキャプチャしてあった。
原文ファイルでは、その場面に対応する日本語ナレーションが並べて書いてあった。

チェックを始めてみると、その装置は、「有線LAN」を使ってデータのやり取りをするという説明なのに、英訳では wireless LAN (無線LAN)になっていた。

このように英訳した理由をコメントしていなかったので、単なるケアレスミスかもしれない。
しかし、原文のタイプミスということも考えられる。

ということで、その装置について調べてみた。
ところが、取扱説明書がHPで公開されていないため、有線LANのみで使うかどうかは判明しなかった。

これはタイプミスの可能性は低いということにして、wired LAN に修正提案をした。

今回の日本語原文には、確実に誤記と言えるものがあった。
その誤記を書いてしまうと、どの分野の仕事なのか判明してしまうので、ここでは紹介しない。
ぼかして書くと、その物質を所持していただけで犯罪になってしまうものだ。

この原文誤記についてネイティブ翻訳者は気づかず、そのまま英語にしていた。
動画を見れば犯罪集団ではないことは明白だが、原文誤記をそのままにはできないので、指摘して修正提案をした。

私もミスをするし、やはり複数の目で確認しないと、翻訳は納品までたどり着かないのだ。

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Google翻訳よりも低レベルの翻訳者が仕事をしていた

昨日の昼に問い合わせがあった短い独日翻訳は、ゲームアプリの説明であった。
用語統一については、以前の独和案件を適用することになっていた。

問い合わせメールには以前の案件のファイルが添付されていなかったので、参考にせずに和訳した Trados 返却パッケージを担当者に今朝送った。

すると、ゲームの使い方などの説明書の和訳が行われていたそうで、そのドイツ語原文と和訳のファイルが送られてきた。
そして、私の最初の和訳を確認することもなく、既訳に合わせて修正するように指示があった。

対応する表現を探すとすぐに見つかったが、半分以上がそのまま使いたくないレベルの和訳だった。
しかし、クライアントが使うように言っている和訳なので、指示に従うしかない。

返却パッケージのファイル名は、一番最後に _revised としたので、レベルが下がった和訳なのに、改善されたかのように誤解されることだろう。

本当は、私の翻訳の方を採用してほしいと言いたいところだが、既訳も直してくれと言われると面倒なので、やめておいた。
この翻訳者を手配したコーディネーターが責任を取ればよいと思う。
そして低レベルの和訳が販売サイトで公開されて、文句を言われたクライアントが気付くまで待とう。

既訳のレベルが低いので、試しに Google翻訳でドイツ語-日本語を選んで比較してみた。
すると、Google の方がまともな和訳を出力する場合が多かった。
よく言われるように、機械翻訳が発達すると淘汰されてしまう翻訳者ということだ。

ドイツ語翻訳者が足りないといつも言っているが、日本で探すのは諦めて、海外で募集しようと思うくらいだ。

参考のために、どのゲームアプリなのかわからないように、その既訳と Google翻訳を並べておこう。
6) と 7) だけ見ても、ひどい翻訳者だったことはわかるだろう。

機械翻訳の使用を禁止するクライアントは多いが、人間に頼むよりもGoogle翻訳+ポストエディットの方がましということもあるのだ。


 ドイツ語           指定された和訳           Google翻訳の和訳
1) Musik an          音楽のアン          上の音楽 ⇒ PEして「音楽オン」
2) Musik aus         音楽の取得元          音楽オフ
3) Benuzername       名               ユーザー名
4) Spielername        コールサイン          プレイヤー名
5) X hat verloren.       Xは失われました。       Xは負けました。
6) Ja, jetzt bewerten!     ジャ、ジェットベヴェルテン!  はい、今すぐ評価してください!
7) Nein            ネイン             いいえ
8) Geeignet ab acht Jahren  8年から適しています      8歳以上に適しています
9) Alle Rechte vorbehalten   予約済みすべての権利     無断複写・転載を禁じます
10) Gnu            Gnu             ヌー


キリスト教徒でなくても、大多数の人々にとって日曜日は休日である。私の場合、日曜日は教会の活動があるので、もし翻訳作業するとしても、可能なのは帰宅した夕方以降の2時間くらいだ。作業することはあっても、日曜日に依頼のメールが来ることはほとんどない。とは言っても、今年は9月1日に続いて2回目だ。翻訳業界は年中無休体制ということなのだろう。今朝、教会に行ってみると、来週から始まるアドヴェントの準備として、...
日曜日に翻訳依頼が来ることもある


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日曜日に翻訳依頼が来ることもある

キリスト教徒でなくても、大多数の人々にとって日曜日は休日である。

私の場合、日曜日は教会の活動があるので、もし翻訳作業するとしても、可能なのは帰宅した夕方以降の2時間くらいだ。
作業することはあっても、日曜日に依頼のメールが来ることはほとんどない。
とは言っても、今年は9月1日に続いて2回目だ。
翻訳業界は年中無休体制ということなのだろう。

今朝、教会に行ってみると、来週から始まるアドヴェントの準備として、教会学校の子どもたちがクリスマスツリーの飾り付けをしていた。
朝の礼拝の後は、クリスマス礼拝で歌うために、聖歌隊練習をいつもより長めに行った。
そして昼食をとりながらクリスマスイブ礼拝の打ち合わせをした。

アドヴェントの準備の1つとして、教会の玄関に飾るリースを出していた時、ろうそくと共に受付テーブルに置くクランツの話になり、フランス語翻訳者でもある方から、「クランツはドイツ語なの? どういう意味?」と聞かれた。

「冠だから、円形のものを指すはず」と答えたものの、自信がなかったので、スマートフォンの辞書アプリで再確認した。

リースは英語で wreath、クランツはドイツ語で Kranz でした。
クリスマスの準備をするグループでは、玄関先に吊り下げるものをリースとし、テーブルに置くものをクランツと呼ぶことにした。

そのスマートフォンで辞書アプリを見たときに、新着メールが届いていることに気づいた。
外国の翻訳会社からで、50ワードを少し超える程度の短い独日翻訳の依頼だった。
締切は明日月曜日の午後だが、日曜日のうちに翻訳者を確保しようとしたのかもしれない。
または、土曜日に探したが見つからなかったので、私に回ってきたのかもしれない。

そのときは返信せず、すべての作業が終わって帰宅してから原稿を確認した。
ゲームアプリが日本語対応になったので、アプリストアに日本語訳を付けることになったそうだ。
ワード数も少なくてすぐできそうだったが、前回の指定用語集を使ってほしいというクライアントの指示があった。
でも、日本語対応になったのは今回が初めてなので、独日の指定用語集は存在しないはずだ。

明日まで待つのも面倒なので、夕食後に和訳してしまった。
用語集が存在するならば明日月曜日に用意してもらって、昼休みにでも推敲しよう。

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最後の親知らずを抜歯した

9月末に奥歯の詰め物が外れたため、約6年ぶりに歯医者に行った。
詰め物を新しくするついでに、虫歯が見つかれば治療することにした。

レントゲン写真を見ると、左上の親知らずでは、隣の第二大臼歯の側に、空洞があるように見える。
痛みはないが、虫歯になっていると判定された。
最後まで残してあった親知らずであるが、その虫歯が進行する前に抜歯することにした。

他の歯を先に治療してもよかったが、詰め物の金額を考えると、翻訳料金が入金してからということになり、親知らずの抜歯を優先した。

一番奥の親知らずは歯磨きが面倒であり、しかも第二大臼歯との間に野菜の繊維質などが挟まったりして、不衛生となって虫歯になる危険性も高かった。

クリスマスが近づくと聖歌隊練習の時間も増えるし、年末ということで翻訳の納期も気になってしまうから、11月のうちに抜歯することになった。

午前中に有給休暇を3時間取り、朝9時に歯科医院に行った。
15分後には抜歯が終わった。
その親知らずをよく見ると、レントゲン写真で空洞に見えたところは、やはり虫歯で、浸食されて
黒くなっていた。

最後の親知らずということで、記念に持ち帰った。
捨てるかどうか、後で考えよう。

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原文が重複していることを指摘してほしい

国内の翻訳会社から、2か月に1回から2回のペースで、日英ネイティブ翻訳のチェックを頼まれる。

英語のニュアンスについてはネイティブ翻訳者が担当すればよいが、タイプミスだけではなく、科学英語として正しいかどうか、博士号を持つ私がチェックした方がよいということだ。

今回も同じソースクライアントからの依頼で、新製品の特徴を説明する動画のキャプションを英訳するものだ。

軽微なタイプミスと誤訳、訳抜けがあったので、すべて修正した。
訳語の不統一については、どちらを選ぶのか、翻訳者に戻すことになった。

今回困ったのは、連続するセグメントの原文日本語が同じだったことだ。
翻訳者からは何もコメントがなく、同じ英訳を入力していただけだった。

一時停止していた動画を再生して、その部分まで進めて確認すると、重複したセグメントには、別のキャプションが入るべきであると判明した。

チェッカーのコメント欄に、原文が重複していることと、入るべき日本語原文を記入した。
そして、抜けてしまったキャプションの英訳も私が記載した。

この原文重複については、納品時のメール本文でも翻訳会社担当者に連絡した。
翻訳者からコメントがあったかどうかも質問したところ、何もなかったという返事だった。

動画を見ながら、その操作や試験内容に合う英語に翻訳するはずだが、気付かなかったのか。
CATツールでは、原文が100%同じだと、訳文が自動入力されて確定されてしまうので、見逃したのか。
それでも推敲時に原文の重複には気づいてほしいものだ。

チェックの仕事の料金はそれほど多くないが、このような案件も着実に処理しながら実績を増やしたい。

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日本特許情報機構(Japio)のAI翻訳(独日)のデモを試した

(最終チェック・修正日 2019年11月18日)

最近の翻訳業界では、機械翻訳(MT)を導入するかどうか、経営者だけではなく、翻訳者も決断する時期が近いと感じているかもしれない。

ニューラル機械翻訳(NMT)の精度が向上したと言われていて、翻訳・通訳のアプリも販売されるなど、実用段階に既に入ったという印象を持つ人もいる。
しかし、Google 翻訳にいろいろ入力してみて、おかしな訳文が出たと騒いでいる人もまだいる。

NMTの精度が99%だとか、TOEICスコア960相当だなどと強調していることもあるが、では実際に仕事で使ってみてどうだったのかという話が少ない。

私は翻訳会社の社内翻訳者として、主に特許の英日・独日翻訳をしていて、英日に関してはNMT+ポストエディット(PE)という作業フローが標準になっている。

英日でNMT+PEに取り組み始めた2年くらい前は、まだPEでの修正量が多くて苦労した。
特に化学の特許で、化合物名の和訳が崩れてしまい、位置番号などが離れて文末にまとめて出現したり、長い名称だと途中で和訳をやめてしまうなど、PEが面倒だった。

独日翻訳については、現時点でも英語を仲介言語とするリレー翻訳になってしまい、誤訳などのエラーの割合が増幅されてしまうおそれがある。

ドイツ語特許原文から直接日本語に翻訳するために、日本特許情報機構(Japio)では、統計翻訳(SMT)を提供していた。
ただし、私の勤務先がNMTに取り組みたいということで、このSMTは導入することはなかった。

そして、11月6日から開催されている2019特許・情報フェア&コンファレンスで、Japioの展示ブースで新しい翻訳システム、AI翻訳のデモを見て、検討に値するのではないかと感じている。

特許・情報フェア&コンファレンスについては次のリンクから。
pifc.jp/2019/

JapioのAI翻訳に関するリリースは次のリンクから。
gpgfx.japio.or.jp/notice_20191101.pdf

従来のSMTにNMTを加えて、高精度の翻訳を実現しているという。

ということで、実際に展示ブースで試してみた。
まずは公報を検索するために、キーワードとしてある化合物名を入れ、出願人にはドイツ企業の名称を入れた。

検索結果のうち、有機EL材料の特許を選んで表示し、AI翻訳のボタンを押してみた。
すると、セグメント化された対訳フォームが表示され、一番上からセグメントごとに和訳が自動的に始まった。
たいていのセグメントは1秒以内に和訳が出力され、長い文でも5秒以内に和訳が出力された。

和訳結果をざっと見たところ、PE修正量は30%程度と思われた。
修正に時間はかかるかもしれないが、ドイツ語特許翻訳者を手配して、納品まで3日も待つよりは、その日のうちにPEを始められるので、生産性は向上すると思われる。

ドイツ語翻訳者の仕事を奪うことになるかもしれないが、人手不足の現状では、NMT+PEで対応するしかない。
ただ、ポストエディターもできるドイツ語翻訳者を同時に育成することも必要なことは確かだ。

今回は、化合物名について特にチェックしてみた。
以前は崩れることの多かった位置番号などは、原文ママの位置に出力され、1つのまとまりとして化合物名を認識しているようだ。

ただ、錯体の配位子の名称で、笑ってしまうエラーが出現した。

化合物名の一部のみ示すが、..phenylisochinolinato.. は、カタカナ表記で「..フェニルイソキノリナト..」と字訳してほしかったが、なぜか「..フェニルisochinoli北大西洋条約組織..」になってしまった。

これはJapioの営業にフィードバックしたので、原文ママで残して出力するか、それともカタカナ表記を学習することになるだろう。

(追記(11月18日):本日11時半頃に再度試したところ、「-フェニルイソキノリナト-」と正しく字訳された名称が出力された。)

ちなみに Google 翻訳で試したところ、「..フェニルイソ..」と、後半部分が消失してしまった。

もう1つ、化合物名の列挙のところで、複合語の共通する後半部分を省略してハイフンにしている場合を取り上げよう。

Aluminium-, Titan- oder Zirkoniumoxid では、oxid をハイフン部分に補足して和訳するため、「酸化アルミニウム、酸化チタンまたは酸化ジルコニウム」とするが、JapioのAI翻訳では、「アルミニウム-、チタン-又はジルコニウムオキシド」と、原文ママでハイフンを残してあった。

技術内容を把握していない人がPEをしたとき、このハイフンを単に削除してしまうと、権利範囲が変わってしまう。
酸化アルミニウムで特許を取ろうとしているのに、金属のアルミニウムになってしまうからだ。

これも Google 翻訳を試したところ、なんと、「酸化アルミニウム、酸化チタンまたは酸化ジルコニウム」と、期待した和訳になった。

ただし、Google 翻訳で独英をやると、aluminium, titanium or zirconium oxide となってしまい、誤訳だ。

うまく出力されたり、全然だめだったり、期待通りでないかもしれないが、自分が扱う分野の文書で試してみて、PEの負担について検討したり、NMTの精度向上のためにフィードバックをなど、生産的な活動に尽力した方がよいと思う。

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中小企業庁から翻訳会社との関係について調査票が届いた

11月1日に中小企業庁から封書が届いた。
開ける前は、支払金額の消費税が10%になっているかどうかの調査かと思っていた。

開けてみると、調査のタイトルは、「親事業者との取引に関する調査について」だった。

説明を読むと、情報成果物の作成の委託というのが、翻訳会社から受注した翻訳業務に相当するようだ。
つまり、個人事業主として青色申告もしている私は、翻訳会社(親事業者)の下請事業者ということだ。

調査票には、今回の対象となる翻訳会社が記載されていた。
5年以上前から取引している日本国内の翻訳会社である。

今回の調査とは関係ないが、この翻訳会社との取引では、既に消費税は外税10%となっている。

該当する設問は、最初の設問1のみであった。
ここでは、翻訳料金の計算方法の都合で、下記のイを、仕方なく選んだ。

イ 親事業者は、納品後(又は役務の提供後)に発注書面を交付した。

親事業者は、発注内容、代金、支払期日などの必要事項をすべて記載した書面を発注時に交付する義務があるそうだ。

しかし、チェッカーの料金は時給制で契約しており、納品のときに作業時間数を報告するため、正式な発注書は納品後になってしまう。
作業前には、見込み作業時間が記載されているので、仮発注書という扱いかもしれない。

裏面に補足事項として、この特別な事情について説明を書いた。
どのように扱うのかは中小企業庁に任せよう。


社内翻訳者となる前から取引していた翻訳会社は、国内で2社ある。そのうち1社(A社)では、翻訳料金の消費税計算が外税方式だ。もう1社(B社)は、他のほとんどの翻訳会社と同様に、内税方式という建前だったが、7月分の翻訳料金から外税方式に変更となった。そしてこの機会に、新たな単価設定が行われた。チェッカーとしての単価は、これまで時給を税込み1500円にしていたが、7月からは税抜き1400円にした。8%で...
翻訳料金の消費税計算が外税方式になった


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教会の奉仕のためにドイツ語和訳案件2件を断ったが

(最終チェック・修正日 2019年11月04日)

高齢化社会の日本では、キリスト教会でも同様に、若手の働き手が足りない。
ということで、毎週日曜日に欠かさず礼拝に出席している私は、聖歌隊だけではなく、他の様々な委員会や行事の担当もすることになる。

まだ責任者にはなっていないので、決められた担当の奉仕を淡々とこなすだけだが、それでもいろいろなことがあり、肉体的にも精神的にも疲れてしまう。
平日の本業に影響しないように気を付けているが、もし何か大変なことが起きれば、教会に行かないという選択肢も考えなければならないだろう。

この土日は、教会で毎年行うバザーの奉仕をした。
平日は手伝えないので、バザー前日の土曜日と、当日の日曜日の2日間に奉仕を、例年通りに行った。

土曜日の午前10時少し前、これから作業を始めようしていたら、海外の翻訳会社からドイツ語和訳の問い合わせメールが届いた。
28日朝の納期なので、土日に作業できないし、既に11月納期の仕事を受けているので、すぐに対応不可能のメールを返信した。
約$200の売上を失うわけだが、できないことを受注するわけにはいかない。

すると昼休みに、別の案件の打診メールが届いた。
ワード数は600くらいだが、やはり無理なので、すぐに断りのメールを返信した。

日曜日には無事にバザーが終わって、夕礼拝も出席して心を落ち着けてから、帰宅前に数人でビールを飲みながら歓談した。

すると今日、1件目の案件が、納期を30日に設定し直したということで、再度打診があった。
しかし、11月納期の案件を受注済みということで対応できないことに変わりはなく、チェックならば可能かもしれないと返事をした。

1時間くらいして返信があり、他の翻訳者が見つかったようで、翻訳済みファイルが30日朝10時くらいに届くので、その日のうちにチェックを終わらせてほしいそうだ。
その日の夜には別の用事があるので、納品が夜23時くらいになることを告げた。
明日には返事が来るだろう。

機械の取扱説明書や部品のカタログなど、機械翻訳でまだ置き換えられてない人手に頼る仕事がまだあるようだ。
日本国内の翻訳会社に登録しても仕事が少ないと思っている人は、海外の翻訳会社と取引してはどうだろうか。

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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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