新型コロナウイルスCOVID-19の流行で、翻訳業界も仕事が続くのかどうか、心配している人もいる。
言語ペアや分野によって異なるのかもしれないが、私の場合は、会社でもフリーでも、4月中の仕事は十分にある。
フリーランスの翻訳では、国内1社から日英翻訳チェックを1件受注済みだ。
海外1社からのドイツ語和訳チェック1件と、短いドイツ語和訳2件で、すでに約$293の売上になっている。
そのうち、短いドイツ語和訳1件で、Trados の翻訳メモリに誤訳が登録されていたので、フィードバックしておいた。
これで追加料金がもらえるわけではないが、次回の依頼を確実にするために、信頼してもらうのが目的だ。
内容を具体的には示せないが、医療機器の添付文書についてだ。
その機器の仕様の説明のところに、Messer 3 m とあった。
これは、機器の図面を見れば明らかなように、「ブレード 3 m」である。
参考として添付されていたヨーロッパ各言語での説明書には英語もあり、「blade 3 m」になっていた。
「刃 3 m」も考えたが、「ブレード 3 m」にした。
しかし、類似表現が登録されていた翻訳メモリでは、「測定器 3 m」になっていて、これが自動入力された。
私が和訳担当のファイルは、正しい「ブレード 3 m」にしたが、翻訳メモリはそのままなので、修正を検討するようにフィードバックした。
もしかすると、改訂前の添付文書は、誤訳のままだったのかもしれない。
同綴異義語の Messer について、小学館独和大辞典第2版から引用しておこう。
意味によって名詞の性も違う例だ。
Messer 1 男 -s / - 2 (messen する装置: 例えば) 計器,測定器,メーター
Messer 2 中 -s / - 1 (刃を用いて切る道具) ナイフ 2 [医] 外科用メス 3 [工] (機械の) 刃「科学ドイツ語」のコーナーでも紹介したが、ドイツ語にも同綴異義語がある。辞書を見ると、綴りが同じなのに、それぞれ別の見出し語として掲載してあり、語源が違うことも多い。多義語の場合は、1つの見出し語の語義説明で、1 .. | 2 .. | 3 .. などと列挙されている。多義語と同綴異義語との区別がはっきりしない場合もあるが、1つの単語に意味が1つだけというのは、ほとんどないと思った方がよい。そのため、翻訳に限らず、...
ドイツ語: 同綴異義語に気をつけよう Gericht(料理/裁判)
テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術