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アクセス独和辞典第4版を予約した

新刊案内を見ていたら、三修社からアクセス独和辞典第4版が3月1日に発売されることを知った。
www.sanshusha.co.jp/np/isbn/9784384060003/

アクセス独和辞典

さっそく紀伊国屋書店のウェブストアで注文した。
急ぐこともないので店舗受取にして、他の書籍や定期購読雑誌と一緒に3月中旬までに受け取る予定だ。

メインで使う辞書ではないが、学習用でもあるので動詞の変化表も見やすいし、基本的な文法項目の説明も充実しているので、持っていて損はない。

新語が2000語採録されているので、雑誌や新聞、企業のプレスリリースのドイツ語和訳で利用価値があるだろう。
また、新正書法の2020年版手直しに対応とのことで、参考資料としても有用ではないだろうか。

新語としては、中性名詞となった COVID-19 が気になるが、化学者としては化合物名を確認したい。

特に、Benzol(ベンゼン)を確認しようと思う。
第3版では他の独和辞典と同様に、ベンゾール,ベンゼンとなっていたからだ。

私は、ベンゾールを使わないようにしようと主張しているので、独和辞典からも「ベンゾール」が消えてほしいと思っている。
まだ直接要望してはいないのだが、第4版でも変わっていなければ、他の専門用語も含めてリストアップして連絡してみよう。

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アンゲラ・メルケル 「わたしの信仰:キリスト者として行動する」(新教出版)

先月下旬、2017年に出版されたアンゲラ・メルケル独首相の教会などでの講演を収めた本、"Daran glaube ich: Christliche Standpunkt" の和訳が刊行された。

大量の難民を受け入れるという人道的判断をしたメルケル首相の行動の基盤に、キリスト教の信仰があることが理解できる資料である。
出生前診断や安楽死などの生命倫理の問題について、聖書を引用しながら考えているということも、キリスト者にとって参考となる姿勢だ。

新教出版の紹介サイトは次のリンク。
www.shinkyo-pb.com/2018/08/24/post-1309.php

キリスト教メディアのクリスチャンプレスでの紹介記事は次のリンク。
www.christianpress.jp/daran-glaube-ich-christliche-standpunkte-angela-merkel/

また、ドイツ語原著の発行元の紹介サイトは次のリンク。
www.st-benno.de/shop/angela-merkel-daran-glaube-ich.html

ドイツ語原著はまだ購入していなかったので、アマゾンで注文しておいた。
今回発行された和訳は、紀伊國屋書店で注文して、本日午前中に自宅に届いた。

今日は教会で聖書研究会・祈祷会があったので、その移動中に電車内で4分の1ほど読んだ。
まず初めに、「V 難民危機とその結果」 から、「人々の連帯と開かれた社会とは矛盾しない」 を読んだ。

連帯ということでシリア難民の話があり、「ドイツは法治国家です。法治国家は助けを必要とする人に援助を提供します。… 現在のドイツは、多くの人たちが逃げてきたいと思う国になっています。ここには秩序があり、法と人間の尊厳が保証されています。」とあり、誰かに聞かせたい言葉だ。

また、国内の「異なる世代間の連帯」にも話が及び、そして最後に強調しているのは「宗教の授業の重要性」である。

「なぜなら宗教の授業では、良心の問題、心の教育が大切になるからです。宗教はわたしたち自身の人生に関わるだけでなく、それ以上に、…神の被造物としてのわたしたちの人生の大きな関連性を扱うからです。」

キリスト教徒の割合が減少しているドイツでは、宗教の授業を倫理に変えようとする動きもあるが、難民支援やボランティア活動など、外に開かれた社会における人々の連帯を強めるために、キリスト教の教育は役立つであろう。

そして最初に戻って読んでいたところ、「I 信仰と告白」 の 「わたしの人生の規範」 で引用された、ミカ書第6章第8節の聖句が印象に残った。
 その部分を新共同訳から引用しよう。

人よ、何が善であり 主が何をお前に求めておられるかは お前に告げられている。
正義を行い、慈しみを愛し へりくだって神と共に歩むこと、これである。


この部分は、「神を愛し、隣人を愛すること」 を別の表現で伝えているものだ。
このように明確に提示されているものの、不完全な罪深い私たちには、実践することは困難である。
それでも、その課題にチャレンジし、神から与えられた試練を忍耐して、その先に恵みや喜びがあると信じて行動したいものだ。


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「ナザレのイエス(Jesus von Nazareth)」の著者は神学者ラッツィンガーであり法王ではない

ローマ法王ベネディクト16世の著書が、来週3月10日に発売されることが、各国メディアで取り上げられている。

ドイツ語で書かれた著書のタイトルは、「Jesus von Nazareth(ナザレのイエス)」 で、2007年発売の第一部に続く第二部である。
第一部は、「ヨルダン川での洗礼から変容まで」、そして今回の第二部は、「エルサレム入城から復活まで」 である。

出版社の書籍紹介は次の通りで、第一部については日本語訳が出版されている。
www.herder.de/buecher/details (第一部)
www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-33277-1/ (第一部日本語訳)
www.herder.de/extra/buecher/details (第二部)

発売前だが、バチカン放送のドイツ語ニュース(3月2日)でハーゲンコルト神父が、第二部の内容から3章分を取り上げている。
www.oecumene.radiovaticana.org/ted/articolo.asp

この中で、「イエスを殺したのはユダヤ人ではない」 という部分が、各メディアで特に強調されて取り上げられている。
例えばCNNでは次のように報じている。
religion.blogs.cnn.com/2011/03/02/jews-did-not-kill-jesus-pope-writes-in-new-book/ (英語)
www.cnn.co.jp/fringe/30002004.html (日本語)

【The Jewish people are not collectively responsible for the death of Jesus, Pope Benedict XVI writes a book to be published next week.
「ローマ法王ベネディクト16世が、集団としてのユダヤ人にキリストを死に追いやった責任はないと間もなく出版予定の著書のなかで断言した。」】


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テーマ : 聖書・キリスト教
ジャンル : 学問・文化・芸術

「『英語公用語』は何が問題か」(鳥飼玖美子著、角川oneテーマ21)

今年6月、英語が苦手な日本人を当惑させるニュースがあった。
ファーストリテイリングと楽天が、社内の公用語を英語にすると発表した。

Sankei Biz 6月24日の、ファーストリテイリングに関する記事は次の通り。
www.sankeibiz.jp/business/news/100624/bsd1006241007014-n1.htm

【…ファーストリテイリングは24日、2012年3月から社内の公用語を英語にする方針を明らかにした。海外のオフィスはもちろん、日本のオフィスでも外国人社員が参加する会議などで使用する言語は原則英語にする。 …】

東洋経済オンラインに掲載された楽天・三木谷社長へのインタビュー記事は、「英語ができない役員は2年後にクビにします」。

www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/810ee47297d49033c2a4b43a0a5216e0/


この企業での 「英語公用語」 には賛否両論あるが、この流れに追随する企業も現れ、就職活動中の学生も困っているようだ。
そして電機メーカーのシャープでは、研究部門で英語を公用語にするという。
www.itmedia.co.jp/news/articles/1010/28/news027.html

シャープは27日、研究開発部門で英語を社内公用語化する方針を固めた。事業の海外比率が高まり、現地開発・生産が増加していることから、研究分野のグローバル化に対応する。…】

毎日新聞の 「新教育の森」 という連載では、国際教養大学・中嶋嶺雄学長へのインタビュー記事を載せている
mainichi.jp/life/edu/news/20101106ddm013100007000c.html

【… 日本の大学は「日本人が日本語で日本人を教える」という「知の鎖国」状態を続けてきた。英語教育も、文法的に正しいか、つづりや発音が間違っていないかが中心。英文学の本を読んで少しずつ訳してテストをして終わり。これではコミュニケーションのツールにならない。生き生きとした英語力を着けさせる努力が大学にも足りなかった。4月だけの入学制度や日本語だけの授業を改め、一定レベルの英語力を卒業要件とすることも考えるべきだ。 …】

ちなみに中嶋学長は以前、文部科学省・
英語教育改革に関する懇談会の委員をしており、次のような発言もある。
www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/020/gijiroku/020601.htm


大学の教官や企業の採用条件に英語力を入れていくべきである。


このような 「英語公用語」 をとにかく推し進めようとする勢力に対して、やはりというのか、鳥飼玖美子・立教大学教授が反論する本を出版した。
角川oneテーマ21の、「『英語公用語』は何が問題か」 である(11月10日発売)。
www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php

楽天やユニクロの「英語公用語化」宣言後、さまざまな企業で英語に対する議論が高まっている。企業における英語の必要性は? ビジネス英語教育はどうあるべきか?など、本物の英語を知る著者が緊急提言!

翻訳作業中だが、納期はのんびりしているので、今日は作業を中断して、この本をざっと眺めてみた。
先に断っておくが、私はどちらかと言えば、鳥飼玖美子教授の主張を支持する側に立っている。

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テーマ : 英語・英会話学習
ジャンル : 学校・教育

「マルチリンガルの外国語学習法」(石井啓一郎著、扶桑社新書)

石井啓一郎著、扶桑社新書の 「マルチリンガルの外国語学習法」  を読んだ。
副題は、「ある翻訳家の『語学』心覚え」。

www.fusosha.co.jp/book/2010/06165.php

【「十数カ国語を操る日本人」は、いかに「語学」してきたのか? 英語、フランス語、イタリア語、ペルシア語、トルコ語…。多くの外国語に携わってきた経験から見えた「日本人が外国語を学ぶ」こととは? 「言語横断」な語学論!】

はじめに ~ つねに未熟な外国語
序章  私の「多言語」武者修行
第一章 日本人は「文法」から逃げてはいけない 私の外国語習得論I
第二章 言語習得における「読書」の重要性 私の外国語学習論II
第三章 日本人が苦手とする「発音」 私の外国語学習論III
第四章 「易しい言語」と「難しい言語」はあるのか? 私の「多言語」習得論I
第五章 同族言語から手を広げるのは効率的か? 私の「多言語」習得論II
第六章 言語を飛び越える言葉たち 私の「多言語」習得論III
第七章 実は特殊な英語の立ち位置 私の「多言語」習得論IV
おわりに

もし、楽をして語学の達人になる方法を探している人がいたなら、この本を読まない方がいい。

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テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

「語学で身を立てる」(猪浦道夫著、集英社新書)

2003年発売の新書だが、今週になってから初めて読んだ。
それは、「語学で身を立てる」(猪浦道夫著、集英社新書)である。
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=4-08-720181-3&mode=1&jya_flg=3

【語学ブームといわれて久しい。だが、何のために語学を学びたいのかをまず考えるべきだ。通訳や翻訳業のような専門職に限らず、何らかの意味で語学力を生か した仕事をしたい人に指針を与える書。】

一  語学力を生かす三つの道
二  語学スペシャリストの三つのタイプ
三  語学エキスパートになるための資質
四  分野別キャリアアップ戦略
五  現状分析~いまなにをすべきか
六  語学専門家になるための勉強法
七  語学学習メソッドの種類と特徴
八  各国語翻訳市場概観
九  プロモーション戦略~いかに仕事を獲得するか
十  ケーススタディ~語学で身を立てている人々の実際
十一 FAQ~頻繁に受ける質問

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テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

「世界紛争地図」(角川SSC新書)

3月発売の角川SSC新書、「世界紛争地図」を読んだ。
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201002000181

世界の紛争地について、民族・宗教など歴史的背景から大国の利害が絡む現代情勢まで、地図つきで説明する。中国のウイグル・チベット問題がなぜ解決しないのか、スーダンの南部独立の動きなど31地帯を取り上げる。

章立ては次の通りで、終章では、日本と周辺諸国との領土問題の背景を、短く取り上げている。

第一章 アジアの紛争
第二章 ロシア・中央アジアの紛争
第三章 中東の紛争
第四章 ヨーロッパの紛争
第五章 アフリカ及び南米の紛争
終章  日本の問題

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テーマ : 戦争と平和
ジャンル : ニュース

「ぼくたちの英語」(黒田龍之介著、三修社)

私は外国語が得意というわけではないが、興味があるので、いろいろと手を出している。
副業で英語とドイツ語の翻訳をしているが、仕事がないときはノルウェー語を勉強している。
ということで、語学関連の書籍を選んで読むことも多い。

今読んでいるのは、黒田龍之介著 「
ぼくたちの英語」(三修社)だ。
http://www.sanshusha.co.jp/np/details.do?goods_id=3440

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テーマ : 英語
ジャンル : 学問・文化・芸術

「日本語は本当に『非論理的』か」(桜井邦朋著・祥伝社新書)

ドイツ語翻訳を受注して忙しいが、通勤時間に日本語に関する新書を読んだ。
日本語は本当に『非論理的』か -物理学者による日本語論」 である。

出版社の紹介記事は次の通り。
http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396111793

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テーマ : ことば
ジャンル : 学問・文化・芸術

「英語が使える日本人」は育つのか?(岩波ブックレット)

私は小学校英語について、文部科学省や政府、経団連などが進めたい方法では、大反対である。

英語が得意となる日本人が、今よりも数%くらいは増えるかもしれないが、
ほとんどの日本人にとっては、目標設定に伴う苦痛が増え、さらに時間とお金の無駄遣いをすることになる。

既に新学習指導要領は制定され、2011年度から小学5・6年生で、外国語活動が行われる。
もう決まったことではあるが、小学校英語反対派・慎重派は、活発な意見発表を続けている。

今月発売の以下のタイトルの岩波ブックレットでは、問題点の指摘と、提言をまとめている。

『英語が使える日本人』は育つのか? 小学校英語から大学英語までを検証する」


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テーマ : 英語
ジャンル : 学校・教育

プロフィール

MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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