「遺伝単」を購入するついでに小学館独和大辞典も買う

個人事業主としての事業用資金は、今月初めの時点で約4万8千円残っていたので、翻訳用の辞書を追加購入することにした。

まず、9月に発行された日本遺伝学会の遺伝学用語集、「遺伝単」 を購入した。
新聞でも報道されたように、様々な訳語が変更されているため、バイオ系の翻訳をするためには必要な辞書である。

変更された訳語は、例えば、
dominant  優性 ⇒ 顕性
recessuve 劣性 ⇒ 潜性

haploid 半数体 ⇒ 単数体

allele 対立遺伝子 ⇒ アレル(対立遺伝子) 注:「アレル」と「(対立遺伝子)」併記する。

mutation 突然変異 ⇒ [突然]変異 注:mutation に「突然」の意味はないため 「変異」 とするが、場合により 「突然変異」 としてもよい。

この新しい訳語を採用するかどうか、クライアントの意向を確認してからかもしれないが、すぐに対応できるようにしたいものだ。

ついでと言ってはなんだが、小学館独和大辞典第2版(コンパクト版)を購入した。
既に持っている辞書だが、ボロボロになってきたことに加えて、2刷で見られた誤記が修正された新しいものにしたかったからだ。


明日が納期の、ドイツ語特許請求項の翻訳が終わった。これで2万円弱の料金となるが、単価を下げて受注したので、5千円くらい安くなっている。もう一つのドイツ語論文翻訳の推敲が済んでいないが、名詞の性が気になったので記事にしておこう。「リン酸塩」 を意味する "Phosphat" の性が、特許請求項では 「中性」 で使われていた。しかし、小学館の独和大辞典第二版2刷では、「女性」 と異なっていた。...
独和大辞典で名詞の性が間違い?:中性名詞「Phosphat」が女性名詞になっている


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テーマ : 購入本
ジャンル : 本・雑誌

新しいニューラル機械翻訳のDeepL Translator

人工知能(AI)が支援するニューラル機械翻訳が注目されている。
人間が翻訳する必要がなくなると、翻訳者が失業すると考える人もいるようだが、ポストエディット作業をするためには、経験を積んだ翻訳者が必要である。

特許もそうだが、毎日大量の情報が蓄積されている現代では、人間が集まっていくら頑張っても、すべてを翻訳することはできないだろう。
寝ている間に機械に翻訳してもらって、日中に人間がチェックするという、仕事の中身と働き方が変わるだけで、失業することはないと思われる。

いろいろな機械翻訳が開発されており、最近、DeepL Translator というサービスが始まったことを知った。DeepLのサイトと、サービス開始のプレスリリースは以下の通り。
www.deepl.com/
www.deepl.com/press.html

日本語はまだ使えないので、ドイツ語を英語に翻訳させてみた。
www.deepl.com/translator

例文は、最近のブログ記事で取り上げたものにしてみた。

Hochdurchsatz-Test m. -〔e〕s / -s (-e)ハイスループット試験...
Hochdurchsatz-Test


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テーマ : AI / AR / VR
ジャンル : コンピュータ

社内翻訳者として再スタート

昨年7月に英語・ドイツ語の翻訳専業として独立し、8月に個人事業主として開業届を出した。
そして1年ほど経過した今月から、社内翻訳者として特許翻訳に集中することにした。

私は元々、呼ばれたところで働く主義で、必要とされる場所へ派遣されているという意識である。
そのため、肩書がフリーランスでも社内翻訳者でも、仕事は翻訳なので、どちらでもよい。

個人事業主の場合、青色申告の節税メリットがあるものの、年金や健康保険などをすべて自己負担で準備する必要がある。
確定拠出年金(iDeCo)と中小企業共済があるが、これは一生もらえる年金ではないし、掛け金の総額が多くても、運用結果で金額が変動するリスクがある。

民間保険会社の年金保険では、一生もらえる年金にできる商品もあるが、弟に仕送りをする最長2年半は、追加の投資はできない。

社会保険に加入する社員として働くのが、老後を考えると一番現実的な選択である。
公的年金がもらえる65歳まで働くならば、厚生年金の期間が10年以上増えるため、年金額は1.5倍くらいになるだろう。

また、弟に仕送りをしている間、私が加入する健康保険組合で扶養家族にできるため、年間の保険税約5万円の節約にもなる。

実質的に無職と言ってもよい弟の存在が、社内翻訳者になるきっかけだったように思われてしまいそうだが、翻訳を長く続けるためにも社員になる方がよいかもしれない。

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テーマ : 翻訳いろいろ
ジャンル : 就職・お仕事

ドイツ語和訳のチェックでコンテキストマッチに誤訳を見つける?

今年8月末までの翻訳料金収入は、US$建てもあるが、平均為替レートを適用すると、合計で約346万円(税込み)の見込みである。
現在は4社と取引しているが、9月からは、約90%の仕事を受注しているA社との取引に集約する。

これまでは、特にドイツ語和訳では、幅広い分野に対応して収入を確保することを考えていたが、実際には、類似の案件が続く特許翻訳に集中した方が楽だ。

また、ここでも話題にしているように、理系知識を持つドイツ語翻訳者が足りないと言っているので、化学者の私が特許翻訳専業になることが一番よいことなのかもしれないから。

受注件数の少ない他の3社は、チェックだけなら続けるかもしれないが、A社の仕事が優先するため、断ることが多くなるだろう。
実際に他社には、9月から土曜日しか空いていない、と連絡した。

今年3月から取引を開始した外国のB社は、ワード数が少ない案件が主体だったため、A社の仕事と同時進行でも可能だった。
しかし、今回のチェック案件で予想の倍以上の時間がかかった。
リスクは避けたいので、年末年始や大型連休など、余裕のあるときにだけ受注するかもしれない。

今回は900ワード程度のドイツ語和訳のチェック案件で、Trados のコンテキストマッチ(CM)と、100%マッチのセグメントは無視してよいという条件だった。
締め切りは5時間後だったが、2時間もあれば終わると思って受注してしまった。

MultiTerm のファイルはないため、CMと100%マッチになっている和訳を参照してチェックを始めた。
すると、誤訳と思われる個所がいくつか見つかった。

例えば、精密測定装置の説明なので、「分解能テスト」 となるはずなのに、「溶解テスト」 になっていた。
この誤訳をそのまま利用しているので、今回のチェック対象のセグメントも 「溶解テスト」 だ。
これを 「分解能テスト」 に直してしまうと、CMと異なってしまうので、クライアントが困ってしまうだろう。

クライアント企業のHPには日本語版もあり、ドイツ語・英語・日本語で並べてみても、「溶解テスト」 をする測定装置は見つからなかった。
他にも、その企業の日本語サイトを見れば、訳語を決定できる場合もあった。

ということで、作業開始1時間後に担当者に、CMと100%マッチなのに誤訳が登録されていることを伝えた。

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テーマ : SOHO・在宅ワーク
ジャンル : ビジネス

翻訳資料として「有機化学命名法」を買う

今月は弟に仕送りをした後でも、いくらか余裕があるので、以前から揃えたかった資料を経費で購入した。

それは今年発売の、「有機化学命名法 IUPAC2013勧告および優先IUPAC名」(東京化学同人)である。

出版社の紹介サイトと内容説明は次の通り。
www.tkd-pbl.com/book/b284817.html

【IUPACによる有機化学命名法2013勧告を翻訳し,日本語に対応させた決定版.
本勧告の一番の特徴は優先IUPAC名が導入されたことである.
複数の命名が可能な場合に何を優先するか,という基準を明確にし,多くの例示により解説した.
研究室に必備の一冊.】

IUPACの有機化合物の命名法は、学術論文だけではなく特許でも、化合物を特定するために必要である。
ただし、規則に従って命名しても、複数の命名が可能である場合があった。
そのため、「優先IUPAC名」という概念が導入され、優先順位が厳格となり、どの命名を優先するのかが明確になった。

また、これまで利用されてきた慣用名の方が便利な場合もあり、それは「一般IUPAC名」として残った。
ただ、廃止された名称もあるので、この資料で確認しておかないと、規則違反の命名をするリスクがある。

これを翻訳業の経費で購入するのは、特許翻訳で使うことを想定しているからだ。

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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

今月も翻訳のチェックを受注して思ったこと

副業翻訳を始めて5年ほど経過してから、英語・ドイツ語のチェッカーとしても登録した。
主に自然科学系の論文や特許、報告書などの日英・英日・独日であるが、日独も2件だけ受注したことがある。

トライアルを受けても不合格になったこともあるのに、TOEICスコアも830で、ドイツ語技能検定も2級までしか取得していないのに、それで他人の翻訳をチェックして採点するのか、と批判されそうな気もする。

ただ、自然科学系の専門知識も必要な場合があるし、第三者が見て理解できる翻訳かどうかを客観的に判断することも必要だ。
これまでの実績を平均すると、月当たり最低1件は、チェッカーとしての仕事を受注している。

以前も書いたように、チェッカーをしていて、他者の翻訳から学ぶことも多かったものの、大変な目に遭ったこともある。

あるドイツ語特許和訳のチェックでは、「芳香族」が「芳香属」に、「ケイ素」が「シリチウム」になっているなど、化学が不得意な翻訳者と思われた。
翻訳会社の担当者の判断で、その翻訳者に修正を指示するよりも、私が書き直した方が早いのではないかということになった。
それで、納期の延期と、3回に分けて順次納品する形式への変更を、クライアントと交渉してもらった。
誤訳も含めて約3分の1を書き直して、再設定した納期ぎりぎりに提出できた。

また、あるネイティブ英訳のチェックでは、その翻訳者はチェッカーの修正に同意せずに揉めた過去があると、担当者から知らされた。
そのため、ワードのコメント機能を使って、翻訳者への質問や、他の英訳候補の提案という形式にして提出した。
そのお陰かどうかは不明だが、何事もなくクライアントに納品できたようだ。

こうなると、機械翻訳のポストエディットの方が、喧嘩にならなくて精神的に楽かもしれない。

こういった苦労もあるので、金額の割に負担が重いということで、チェッカーをやりたくないと言う翻訳者は多いそうだ。
そのためなのか、依頼を断ることが少ない私に、仕事が回ってくるのかもしれない。

今月も既に1件、ドイツ語和訳のトライアル課題のチェックを受注した。
A4で1ページの会社案内のような記事を、2人の翻訳者が和訳したものをチェックして、評価シートに従って結果を記入するものだ。
文法解釈や専門用語の選択の他にも、句読点の使い方など、数項目の採点をすると、自動的に集計されて、判定結果が表示される。

結果として、翻訳者Aは合格、翻訳者Bは不合格と判定された。
ただし、合格の翻訳者Aでも、ケアレスミスがあったため、「翻訳後にチェッカーによるレビューが必要」とのコメントを付けた。
そのケアレスミスとは、例えば、「~された」となるところが、「~sれた」となっていたミスである。
私自身の反省も込めて、トライアル課題の提出前には、よく見直した方がよい。

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テーマ : SOHO・在宅ワーク
ジャンル : ビジネス

ドイツ語和訳のチェックで「継続的」かと思ってよく見たら「断続的」だった

先週から8月納期の英語特許和訳を作業していて、今日の午前中に一通り和訳の入力が終わり、明日から推敲の予定だ。

この案件では、100%マッチも含めて半分くらい和訳が入っていたのだが、これまでと同様に、漢字の変換ミスの他に、訳語や表現の不統一があったので、修正する必要があった。
翻訳メモリに複数の和訳が登録されていることもあるので、どれが一番良いかというよりも、最初から最後まで統一された表現になるように、自分の和訳も含めてチェックしなければならない。

作業が一段落したところで、外国の翻訳会社から短いドイツ語和訳のチェック案件の打診があった。
1時間くらいで終わりそうだったので、ファイルをざっと眺めただけで受注した。

大雨が気になったが、近くの川の情報を確認すると、水位上昇はゆっくりで、避難勧告水位まで上がりそうになかったので、チェックを進めた。

同じドイツ語を読んでも、それぞれ解釈は異なるものだ。
ある和訳が、「USBにデータを保存する」 となっていたが、これはどうやら、別のセグメントの 「USBメモリにデータを保存する」 に引きずられてしまったようだ。
データの転送のことだし、前置詞をよく見れば、「USB経由でデータを保存する」 の方が合っている。

また、画像を指でタップして選択後、そのままスワイプして移動する操作を説明するところに出てきた kontinuierlich という形容詞
(副詞的用法)では、私は 「連続的に」 という訳語を選択するのだが、和訳は異なっていた。

異なってはいるものの、同義語の 「継続的に」 だと思い込んで、それでもかまわないかなと、素通りするところだった。
そのファイルを閉じる前にもう一度よく見たら、「断続的に」 だった。

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テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

翻訳CATツールのmemoQを使う案件を初めて受注した

(最終チェック・修正日 2017年07月18日)

今日は昼前に外国の翻訳会社から、短いドイツ語和訳案件の打診があった。
夕方までに終わる分量だったので、受注の返事をした。

CATツールは、いつもは Trados を使うのだが、今回は memoQ を使うとのことだ。
memoQ の日本語サイトは次の通り。
www.memoq.com/jp/

memoQ のセミナーに一度参加したことがあったが、使う案件がなかったので、割引キャンペーンだったが購入していなかった。
今回は、クライアントが保有する翻訳者用のライセンスが付与されるので、指定のサイトからソフトをダウンロードすればよいそうだ。

添付されていた指示書に従って memoQ translator pro 2015 をインストールした。
続いて、指定の ID とパスワードでログインして、クライアント指定のサーバーとつないだ。

和訳を入力するだけならば、他のツールと大きな違いはないので、マニュアルを確認することなく作業を進めることができた。

ただ、原文のファイルで、ドイツ語のウムラウトが文字化けしていた。
問い合わせをする時間がないので、内容や他の部分の綴りから推測して和訳した。

そのためコメントを付けるわけだが、和訳を入力するターゲットセグメントの右隣のセグメント状況の表示には、吹き出しマークがある。
これをダブルクリックすると、コメント入力用のウィンドウが開く。
入力後に閉じると、先ほどの吹き出しマークが黄色に変わり、コメントがあることが明示される。

和訳作業は期限までに終わったのだが、初めて使うツールなので、納品で少々戸惑うこととなった。

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ジャンル : ビジネス

翻訳専用PCとしてリース契約を検討中

個人事業主として開業してから1年程度で、翻訳専用PCを購入することを予定していた。
しかし、最長3年間は弟への仕送りがあるので、なかなか実現しない。

投資信託を半分くらい売って、購入費を捻出しようかと思ったが、今日は別の方法として、3年程度のリースを検討してみた。

まずは、オンラインで注文できるデルとマウスを調べてみた。

どちらもオリックスがリース契約の可否を審査する。
私の信用情報は、実は過去のクレジット払いでの問題があって、あと2年くらいは分割払いもリース契約も通らないことになっていると思われる。

先日も、auのキャンペーンでクレジットカードを試しに申し込んでみたら、即時に却下されたし。

ということで、今回のリース契約の検討は無駄かもしれないが、勉強のために調べてみよう。

マウスコンピューターのリースの説明は次の通り。
www.mouse-jp.co.jp/shopping_guide/payment/guide_02_12.html

リース契約条件を見ると、連帯保証人が必要だ。

【連帯保証人:法人企業様の場合は代表者の方、個人事業主の場合は第三者の方に連帯を保証していただきます。】

ワーキングプアの弟は、私の扶養家族であり、連帯保証人にはなれないだろう。
ダウン症の姉は、知能検査で約10歳ということで、判断力は未成年者扱いだし、契約内容を理解できないので無理だ。
高齢の母は、連帯保証人になれるかもしれないが、書類の書き方を伝えるのも面倒なので、あきらめた。

デルのリースの説明は次の通り。
www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/pas/lease/sub1

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テーマ : SOHO・在宅ワーク
ジャンル : ビジネス

翻訳対象に含まれるドイツ語のワード数を数えることになった

先週後半、英語特許の和訳作業が95%ほど進んで、予想よりも少し余裕があるなと思っていたところ、海外の翻訳会社から、短いドイツ語和訳案件の打診があった。
同時に2件抱えても、どちらも間に合うと思って受注したのだが、初めて経験することもあったので記録しておこう。

この翻訳会社では、ほとんどの案件で Trados を使うのだが、添付されていた Sdlxliff ファイルは、3つのうちサイズが大きい1つが開けなかった。
ということで、Trados のパッケージが送られてきて、これをインポートして、ようやく翻訳対象を確認することができた。

原文は、英語・ロシア語・ドイツ語、そしてもう1つ私が知らない言語(ゲルマン系ではない)であった。

90%ほどが英語で、既に和訳が入っているので、機械などの用語の選択時に参考にしてほしいとのことだ。
ドイツ語の部分を探してみると、分量は少なかったので、受注することにした。

依頼のメールには、通常は翻訳対象のワード数と、マッチ率による解析結果が示されているのだが、今回は、翻訳した部分のドイツ語のワード数を、マニュアルでカウントしてほしいとのことだった。

ロシア語も含めて、複数の言語が混ざっているので、ドイツ語だけ取り出して解析するのが面倒だったのだろうか。

ということで、ドイツ語のセグメントを見つけては、ワード数を数えて電卓で順次足してみた。
また「100%」と表示された完全一致のセグメントは、分けて足していった。

「95%」などの表示は出なかったので、New が約500ワード、100%が約200ワードということで返信した。

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プロフィール

MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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