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ドイツ語特許和訳の有償トライアルを提出した

今月になって、勤務先でも個人事業主としての翻訳でも、ドイツ語和訳の案件が急に増えた。
専門外の哲学なので断った案件もあったが、時間がないのでチェックに回った案件も含めて、今月のスケジュールはほぼ埋まっている。
まあ、余裕のあるスケジュールにしているので、ワード数の少ないものならば、さらに合間に押し込むことはできそうだが。

約3年前からドイツ語和訳とチェックを受注している海外の翻訳会社では、そのときに募集していたのは機械分野だったので、私は化学者なのに、ずっと自動車や工作機械ばかり受注している。

たまに違う分野の仕事も来たが、それは化学ではなく観光案内だった。

今年5月に翻訳者の登録情報を更新することになったので、この機会を逃さずに、化学・医薬・バイオでも登録してもらった。
その登録情報のおかげなのか、今日の昼頃に、ドイツ語特許の和訳トライアル課題が送られてきた。

よく見ると、その海外翻訳会社のトライアルではなく、国内大手翻訳会社のトライアル課題であった。
この国内翻訳会社は、実は私もドイツ語翻訳者として登録しているのだが、これまでは見積もり段階までで、1件も受注したことがない。

海外の翻訳会社の方がドイツ語翻訳者の登録人数が多いと思ったのか、元々提携関係にあるのか、それとも新規に取引をしたいのか、翻訳者の私は知らなくてもよいだろう。

特許では機械と医薬品化学のどちらも経験しているが、今回は専門分野の医薬品化学を選択して、納期を明日に延ばしてもらって受注した。

受注したというのは、翻訳料金がもらえる有償トライアルということで、これまでも何度か経験している。
会社間取引だから有償になるのだろう。

200ワードを少し超える分量で、私が受け取るのは約US$25。
日本円にすると3千円にも届かないが、今月購入予定のドイツ語関係の書籍代になったと考えよう。

合格するかどうかはわからないが、希望している化学ドイツ語の案件を受注できるように期待したい。
ただ、平日日中は会社の仕事をしているので、スケジュールがきつい案件は困難かもしれない。
結果は気にせず、受注済みの他の仕事に専念しよう。

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翻訳料金の入金タイミング

個人事業主として翻訳をしていて毎月気を付けたいのは、請求書の締め日と料金が入金するタイミングだ。

会社員ならば毎月ほぼ決まった日付、例えば25日に給料をもらえるが、フリーランス翻訳者では、月末振込が多いのではないだろうか。
これまで取引した翻訳会社のうち、月末締め・翌月末振込が一番多く、95%程度だと思う。

一番早かった翻訳会社は、月末締め・翌月10日までの振込で、最短7日ということもあった。

一番ひどかったのは、何度か記事にした翻訳会社Kで、納品後に全く連絡がなく、2回問い合わせメールを送ったら、1か月半後にようやく翻訳料金が確定した。
連絡が取れたその月の末日までに入金したからまだよいが、振込手数料が翻訳者負担だったので、取引したくない会社だ。

毎月の保険料や家賃などの口座引き落としは、会社員の給与支給日が25日であることが多いためか、26日から月末に設定されていることが多い。
すると、入金のタイミングによっては、残高不足になってしまい、引き落とし不能として扱われることもあるだろう。
家賃の場合、支払いが遅れると印象が悪くなる。
そのため、10万円程度の定期預金を作成して、総合口座の貸越を使うこともある。

定期預金を作っておくのは、PCの更新費用などを確保する目的もあるのだが、やはり売上が毎月変動することへの保険のようなものだろう。

月末締めはわかりやすいかもしれないが、納品日が1日であっても、基本的にはその月末まで待つことになる。
単発の仕事で、納品してすぐにお金がもらえることもあるかもしれないが、私は経験したことがない。

数万ワードの案件を1か月かけて翻訳しても、納品が翌月1日になると、請求書は翌月末にまとめるので、入金は翌々月末となり、ほぼ1か月入金がないのだ。

まあ、このような場合は、事前に相談して前月の請求書に入れてもらうか、または前金として半分もらう契約にしておけばよい。

現在取引している4社のうち、2社が月末締め・翌月末振込だ。
残りのうち1社が10日締め・翌月10日振込、そして4社目が月末締め・翌々月末振込だ。
入金のタイミングは様々であるが、会計ソフトとエクセル家計簿で管理すれば、各種支払い日との関係も把握できる。

ただし、翌月末振込のうち海外の1社はUS$建てで PayPal に入金するため、日本円で5万円を超えるまで待ってから引き出している。
手数料を負担したくないからで、3か月以上待ってから日本円にすることが多く、あまりあてにはできない。

以前は毎月の売上金額を示したことがあったので、今回は実際の受取金額を、予定も含めて示しておこう。
日本円の翻訳料金と、US$から換金した場合を分けておく。

入金月 2020年1月  2月   3月    4月   5月    6月   7月予定  8月予定
日本円    15,120円  17,864円 29,139円 9,681円   15,090円  15,019円 48,698円 145,108円
US$換金 146,368円  54,955円   -    -    115,430円   -    -     52,194円
合計   161,488円  72,819円 29,139円 9,681円 130,520円  15,019円 48,698円  197,302円

8月末のUS$残高は、現時点で$501.87 になり、レートを104円として計算した。
7月に受注が続けば、もう少し増えるので、最低でも6万円にはなるだろう。

また、今週中に日英チェックを1件行うので、日本円分も少し増える。
8月の入金予定額は約21万円だ。
これだけあれば、PC更新費用として10万円を定期預金で残し、5万円を書籍やオンライン辞書使用料にできる。
そして5万円を、教会の夏季献金や寄付金に回すこともできるだろう。

ただ、ボーナスが予想より減ることも想定して、何も買わないかもしれないが。


会社以外の個人事業主としての翻訳の仕事は、時間のあるときに受注しているし、ほとんどがチェッカーとしての案件だ。チェックをしているということは、同じ件数の翻訳案件があるということだ。COVID-19 の影響が気になる人もいるので、今年前半6か月の売上を公開しておこう。売上が確定するタイミングは、翻訳会社によってまちまちなので、あまり細かいことは気にせず、売上が月ごとに変動することに注目してほしい。消費税や源...
2020年前半の翻訳料金

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誤訳・訳抜け・誤記のフィードバックを翻訳者に送ってもらうことにした

個人事業主としての今月最初の納品は、ドイツ語和訳のチェック案件だった。
1万5千ワードを超える文書で、電子機器やモーター、油圧装置などの原理を説明しているものだ。

翻訳者は慣れていないのか、トラックバックした記事にも示したように、誤訳や訳抜け、そして誤記が目立った。
PDF 資料のページごとに最低1箇所、多い時は5箇所以上のミスがあった。

3つのファイルのうち、1つのチェックが終わったところで、残り2ファイルを翻訳者に戻して、再度推敲を依頼した。
しかし、戻ってきたファイルを見ると、100箇所を超える誤訳、訳抜け、誤記が残っていた。

もしかすると、納品後に追加作業を依頼したのが嫌だったので、何も直さずに再納品したのだろうか。
または、どこが間違っているのか理解できなかったのだろうか。

この翻訳者のチェックを今後も頼まれると困るので、今回の誤訳などのうち、約30箇所についてリストを作った。
このリストを翻訳会社のコーディネーターに提出し、フィードバックとして翻訳者に転送するように依頼した。

具体的にどのような間違いがあったのか、現実を知ってもらうために、5例を公開しよう。
その翻訳者を非難しているのではなく、技術系の翻訳ができるドイツ語翻訳者が足りない現状をわかってほしいからだ。

  原文            誤訳      ⇒ 修正例 の順に記載した。
1) maximal sieben       最大で6つの  ⇒ 最大で7つの

2) Schwefelsäure        硫化水素   ⇒ 硫酸

3) Kaliumhydroxid       端酸カリウム ⇒ 水酸化カリウム

4) elektromotorische Kraft   電気モータの力 ⇒ 起電力

5) anders als bei Siliziumdioden 他には、シリコンダイオードとして ⇒ シリコンダイオードの場合とは異なり

1) の誤訳は、sieben (7) を sechs (6) に見間違えたわけだが、そのセグメントよりも前に何度か数字の6が出てきたので、最初の s- を見ただけで6だと反応したのかもしれない。

2), 3), 4) の誤訳は、覚えていない科学用語ならば、念のため辞書を見るか検索すれば防げたものだ。
もし独和辞典に載っていなければ、独英辞典でも調べるという手間を惜しまないことが必要だ。

ただ、ネット検索も含めて調査したとしても、多義語の場合に訳語の選択を間違うことがある。
今回も、電子回路の素子の話をしているのに、数学用語になっていたし。

理系知識を持つドイツ語翻訳者が足りないことは実感している。
最低限、高校理科の知識を持ち、大学の基礎課程で学ぶ内容が理解できる必要があるのではないか。
そうすれば和訳を読んだときに、「何か変だな」と気付いて調査を始める、注意深い翻訳者になれるのではないだろうか。

5) では、anders als という基本的な表現を誤訳しているので、科学用語の知識量とは関係ない。

トライアルを通過したはずなのに、と言われそうだが、これが人手不足のドイツ語翻訳市場の現実である。
私が雑誌のアンケートに書いたように、機械翻訳と同程度のエラーを含む翻訳を納品するドイツ語翻訳者は実在する。
ドイツ語翻訳で食べている他のプロフェッショナルの方に怒られそうだが、事実なのだから仕方ない。

このままだと、機械翻訳に任せようという人たちが増えても仕方ないかもしない。
しかし、機械翻訳の出力を修正するポストエディットができるドイツ語翻訳者を確保しなければならない。

現時点で翻訳をしている人に科学ドイツ語を指導するだけではなく、理系知識を持つドイツ語翻訳者の養成も進めないと、機械翻訳の出力が正しいのかどうか、判定できない日が来るのではないかと危惧している。

だから、英語ばかりに注目する日本人には期待せず、ヨーロッパの大学で翻訳学修士を取得した人材をスカウトした方が現実的かもしれない。


(最終チェック・修正日 2020年07月02日)個人事業主としての7月最初の翻訳案件は、海外翻訳会社からのドイツ語和訳チェックである。油圧装置の説明書で、動作原理などの基本的なことも書いてある文書だ。納期は約1週間あるので、のんびりできるかなと思ったら、誤訳やタイプミスが多くて、大変な作業になりそうな気がしている。ということでコーディネーターに相談メールを送り、翻訳者に一度戻して、丸1日かけて推敲をやり直...
誤訳と誤記が多いので翻訳者に一度戻すことになった ⇒ 修正されていなかった

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誤訳と誤記が多いので翻訳者に一度戻すことになった ⇒ 修正されていなかった

(最終チェック・修正日 2020年07月02日)

個人事業主としての7月最初の翻訳案件は、海外翻訳会社からのドイツ語和訳チェックである。
油圧装置の説明書で、動作原理などの基本的なことも書いてある文書だ。

納期は約1週間あるので、のんびりできるかなと思ったら、誤訳やタイプミスが多くて、大変な作業になりそうな気がしている。
ということでコーディネーターに相談メールを送り、翻訳者に一度戻して、丸1日かけて推敲をやり直してもらうことになった。

3つあるファイルのうち、一番ワード数が少ないものはチェック済みなので、残り2ファイルをやり直してもらう。
チェック済みのファイルのボリュームは、ワード数で全体の約20%である。
この20%だけでも苦労して嫌になったので、残り2ファイルの誤訳やタイプミスを直すと、相当疲弊すると思う。

ただ、翻訳者への連絡はこれから行うので、本当に修正してくれるかどうかはわからないが。

例えば、漢字変換ミスは、「電動」が、「伝導」だった。
ローマ字入力のタイプミスに起因するのは、「ニュートラル位置」が、「ニュー虎宇一」だった。
また、原文のボールドなどの文字修飾を反映していないことも多かった。

推敲で誤訳が残ったとしても、このような表記のミスだけでもなくなれば楽になるだろうか。

部品などの名称では、正確に和訳されているものと、技術的に意味不明になったものとの差が激しい。
添付の図面をよく見て、そして「科学技術独和英大辞典」も参考にしてほしいものだ。
それでも、翻訳者本人が間違っていることに気づかなければ、そのまま戻ってくるかもしれない。

誤訳で気になったのは、前置詞句を伴う動詞だ。
1つだけ例示しておこう。

jn. / et.4 mit et.3 versorgen (…に…を)供給する

供給する物、例えば、オイルなどが mit et.3 で示されている。
「~にオイル供給する」と和訳すべきなのに、「~にオイル供給する」となっていて、意味が不明の文になっていた。

前置詞 mit には、手段・方法を表す用法があるが、文意に合わないならば、基本単語の versorgen でも辞書を見てほしかった。

ワード数が多くて時間が足りなかったのかもしれないが、チェッカーに丸投げはやめてほしいものだ。
評価が下がると、次の仕事がもらえなくなる可能性が高くなるのだから。

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2020年前半の翻訳料金

会社以外の個人事業主としての翻訳の仕事は、時間のあるときに受注しているし、ほとんどがチェッカーとしての案件だ。
チェックをしているということは、同じ件数の翻訳案件があるということだ。
COVID-19 の影響が気になる人もいるので、今年前半6か月の売上を公開しておこう。

売上が確定するタイミングは、翻訳会社によってまちまちなので、あまり細かいことは気にせず、売上が月ごとに変動することに注目してほしい。
消費税や源泉所得税は無視して、原稿料だけ示した。
また、US$建ての場合は、カッコ内に日本円換算値を示した。

売上確定月 2020年1月   2月   3月    4月    5月     6月
国内A社   1,400円     1,400円   7,200円    4,200円  1,400円   11,200円 英日・日英・独日チェック
国内B社   16,500円   22,000円   5,500円    13,750円  3,850円     11,000円 英日ポストエディット

海外C社   $89.06   $566.19  $138.36      $315.03   $63.98   $259.74  独日翻訳・チェック
       (9,445円)  (60,259円)  (14,642円) (32,722円) (6,887円)  (27,205円)

海外D社    -     -    -    -      84,229円 46,339円 独日チェック
 
日本円換算計 27,345円 83,659円 27,342円  50,672円  96,366円  95,744

毎月の変動は、いつもこの程度はあるので、COVID-19 の影響が加わっているかどうかはよくわからない。
参考にならずに申し訳ないが、はっきりしているのは、取引先は複数あった方がよいということだ。

例えば、海外C社の5月売上は7千円未満だったが、5月に海外D社と取引を開始して8万円を超える増加となった。
このおかげで、設定予算の月3万円をクリアできた。
今後の受注状況を見てからだが、国内B社の英日ポストエディットをやめてもよいかもしれない。

また、ドイツ語翻訳をする人は、海外翻訳会社との取引を考えた方がよいだろう。
ドイツ語翻訳者の中には、日本に住んでいながらも、ヨーロッパの時間帯で作業している人もいる。
日本時間の午前1時に問い合わせメールが来ることもあるからだ。

国内でもドイツ語翻訳の仕事はあるが、ドイツ語圏に近いヨーロッパの翻訳会社の方が取扱い件数は多くなる。
国内A社は、ドイツにヨーロッパ支店を持っていたので登録した。
主に日本企業の現地法人からドイツ語和訳の案件が年に5~10件あったが、2年ほど前から激減した。
今年5月に久しぶりにドイツ語和訳1件の打診があったものの、時間がないのでチェックに回った。

それで、海外2社とフルタイムで取引して、ドイツ語和訳でどれだけの収入になるのか概算すると、月15万円~30万円ではないかと思われる。

7月分は既に約6万円が確定している。
これで Trados の更新が必要になっても対応できるし、PC更新の積立も順調に継続できることだろう。

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ドイツ語多義語に注意: Funktion(機能、役職) 再び

2004年11月、派遣社員のときに収入を増やすため、そして定年後の準備のための副業として、ドイツ語フリーランス翻訳者を選んだ。
ドイツ留学をしたとは言っても、実験室での会話がほとんどだし、化学論文ばかり読んでいたから知識は偏っていた。
それでも翻訳の仕事を通じて様々な分野のドイツ語に触れながら、コツコツと実績を重ねて能力も向上させてきたと思う。

専業翻訳者になる前から、チェッカーとしての案件も受注するようになった。
他人の翻訳をチェックできるほどお前はそんなに偉いのか、と言われそうだが、化学研究者の性格なのか、細かい部分にも留意して調査を欠かさない点は評価されていると思う。

このブログでは、チェック時に遭遇した誤訳などを紹介しているが、それは自分でも誤訳をしないようにと戒めるためでもある。
また、雑誌記事のアンケートでも回答したように、機械翻訳と同程度のエラーを含む翻訳が納品されるケースの実例を紹介して、翻訳者が足りない現状を知ってもらうためでもある。

今月受注したドイツ語和訳チェック案件では、多義語 Funktion の誤訳に再び遭遇した。
2月の記事では、人事関係の書類で、Funktion役職ではなく、数学用語の関数と誤訳している例を紹介した。
今回は別の翻訳会社からの案件で、同じ文書中で、Funktion機能役職の両方の意味を区別できていない誤訳例である。

今回の案件は、ある医療機器の動作確認検査に関する報告書のドイツ語和訳である。
ワード数が多いので翻訳者2名が担当し、私が用語統一も含めてチェックすることになった。

そして、その2人の翻訳者が同様に誤訳したのが、Funktion である。

機器の動作確認検査をしているので、検査項目に Funktion機能があるのは当然だ。
ただし、もう1つ、文書作成者や検査担当者の名前などを記した一覧にも Funktion が出てきた。
記載事項を確認すると「品質保証マネジャー」などとあるので、当然ながら役職だ。
しかし、2人とも機能と誤訳していた。

今回の誤訳は、CAT ツールの弊害の1つではないかと思う。
CAT ツールを使っていても、原文の PDF を並べて確認しながら和訳していれば避けられたはずなのだが。

過去案件の翻訳メモリをそのまま使用する場合、Funktion の和訳として「機能」のみが登録されていると、和訳候補として当然ながら「機能」のみが表示され、未登録の「役職」が表示されることはない。

それに加えて、翻訳メモリにある和訳が自動入力されてしまうと、原文 PDF を確認することなく、安易に確定ボタンを押してしまう可能性も高い。

更に面倒だったのは、納品前の QA チェックを行うと、「Funktion の訳に一貫性がありません」というエラーメッセージが出たことだ。
それで、エラーメッセージの無視を選択するだけではなく、「機能」と「役職」を区別していることを説明するコメントを、日本語を知らない関係者にもわかるように英語で作成しなければならない。

チェックでこのような事例に出会うことで、自分の翻訳作業を見直すきっかけにもなる。
CAT ツールを使うと便利なこともあるが、常に原文を並べて文脈を確認することも必要なのだ。

今後、機械翻訳が力をつけてくると、同様に鵜呑みにする翻訳者が増えるのかもしれない。
ツールが発達しても、翻訳するのは人間であることを忘れないようにしたい。


(最終チェック・修正日 2020年02月04日)春節も終わり、海外の翻訳会社の中国支社も営業を再開している。ということで、今日もドイツ語和訳のチェック依頼のメールが届いた。2000ワード程度のチェックならば、平日の夜でもできるので、受注することにした。ファイルサイズが大きいため、メール添付できないとのことで、ウェブ上のファイル転送サービスを使っていた。アクセスすると、Trados のパッケージではなく、Trados で...
劣悪な翻訳メモリの話: 人事評価文書のドイツ語和訳で Funktion(役職)を「関数」にしないでほしい

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ドイツ語和訳で 5'000 を 5,000 にしたら 5'000 に直された

翻訳をしていて困ることの1つに、クライアントからの情報が足りないことがある。

時間があれば、疑問点について問い合わせて判明することもあるが、納品後に、実はこうしてほしかったという修正依頼が来ることもある。

今月経験したのは、数字の桁区切りの方法である。

スイスの工作機械メーカーのカタログについて、ドイツ語和訳に加えて、他の翻訳者が担当した和訳のチェックを受注した。

カタログなので、製品の性能や技術的なデータについて数値が書いてある。
スイスのメーカーだから、例えば、5'000 というように、3桁ごとにアポストロフィー(’)で区切っている。
これを和訳するので、日本の表記 5,000 にした。

納品後、この数字の書き方ついて、QAチェッカーでエラーが出たというので修正依頼が来た。
「桁区切りはアポストロフィーを使うルールになっている」そうだ。

去年からこの工作機械メーカーの案件を継続的に受注して、数値書式のローカライズで、こんなことを言われたのは初めてだ。

それはスイスのルールであって、日本は違う。
日本でもスイスの書き方に慣れている人がいるかもしれないが、日本語版を作成するなら、日本の書き方にしてほしい。
それで、「日本では 5,000 と書く」とコメントして、修正せずに再納品した。

ところが、「社内ルールで 5'000 と書くことになっている」というフィードバックが来た。
コーディネーターからも、「日本の事情はわかるが、クライアントの指示に従ってほしい」と言われた。
日本語版なのに、日本の書き方などどうでもよく、次回からはスイスルールに従わないといけないようだ。

私がカタログを発行するわけではないので、これ以上反論しても無意味だろう。
ルールに従ってお金をもらうだけにしよう。

ついでに、このメーカーの日本語サイトにアクセスして、過去の日本語版カタログを確認してみた。
すると、カンマ区切りの 5,000 形式とアポストロフィー区切りの 5'000 形式が混在していた。
改訂した部分だけ新たに和訳するので、古い和訳が残ってしまい、混在しているのだろう。

また、重量の表記を見たら、0,310 kg と、小数点がカンマだった。
日本では小数点はピリオドで 0.310 kg と書くのに、これもスイス式ということだろうか。

私は過去の案件では、小数点をピリオドにして納品していたが、カンマに直されていたのだろうか。

ページ数が多すぎるスタイルガイドは嫌だが、こういったルールは最初に示してほしいものだ。

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特許抄録ポストエディット案件を縮小しようか

10年以上勤務した医薬メーカー子会社が2016年3月に解散した後、3か月の派遣社員を経て、翻訳専業として個人事業主になった。
副業翻訳時代から取引のあった翻訳会社のうちの1社から、主に特許翻訳(英日・独日)を受注する計画とした。

その頃から、機械翻訳(MT)の出力を修正するポストエディット(PE)について耳にするようになった。
2017年に入ってから、特許抄録のPE案件の募集があった。
特許特有の表現に慣れるためにも、そしてPEの経験を積むためにもよいと思って、トライアルを受けて合格した。

約3年間続けているが、今後は積極的に受注しなくてもよいのではないかと思っている。

受注数は毎週5件を基本にして、連休のときは10~20件に増やして、主に土曜日に作業している。
これで月に約1万円から2万円台の売上になる。
金額は少ないが、PEに慣れることを目的にしていたし、翻訳で使う辞書などの経費分を稼げればよいと思っていた。

特許専用MTによる参考訳を参照して作業するという話だったが、始まった2017年当時は、参考にもならない場合が多かった。
注意事項にも書かれていたように、「最初から全部翻訳し直した方が早い場合もあります」は、「ほとんどの場合」の書き間違いかと思ったほどだ。

2019年になるとMTの精度が上がったように感じたが、それでもそのまま使うことはなく、最初から自分で和訳することが多かった。

正確な金額を公表できないが、和訳の標準的な翻訳料金と比較すると、PEは半分未満だ。

毎月約1万円の売上が最低限確保できるのは魅力かもしれないが、5月からは新たに海外翻訳会社1社との取引を開始したので、このPE案件を優先する理由はない。

また、毎週の案件総数は不足気味とのことで、希望案件数を受注できない人もいると聞く。
社内翻訳者として一応安定した収入源がある私は、このPE案件を受注せずに、他者に譲るべきかもしれない。

ということで、7月からは連休の週のみ受注することにした。
23日から4連休なので多めにしてもよいが、PEは意外と疲れるので、10件を上限にしようと思う。

今後は、参考訳として表示されるMTの精度の変化を把握することを、受注の目的にしようかと思う。

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機械翻訳と同程度のエラーを含む人手翻訳

私もミスをするので、他人の批判はできないのだが、チェッカーとしての苦労をメモしておきたい。
いつも書いていることだと言われそうだが、現状の改善が進んでいないと理解してほしい。

ある雑誌のアンケートで、ドイツ語和訳での機械翻訳の利用について回答した。
ドイツ語和訳の精度は、英日より低いが、だいたい80%程度と感じている。

英日よりも低くなる理由は、独英-英日の二段階機械翻訳をしていると思われるからだ。
そのため、独英での誤訳に英日での誤訳が加わるので、精度が落ちてしまう。

実例を挙げると、ドイツ語 Anlage(設備、プラント)が「植物」と和訳されたことがある。
独英で plant になり、これを和訳するときに、「プラント」ではなく、「植物」に誤訳したわけだ。

それで、ドイツ語和訳に機械翻訳は使えないのかと言えば、ポストエディットで修正可能なレベルだと思う。
前述の Anlage の誤訳のような、文脈に無関係な誤訳が出現すると、こちらの思考が一度断絶するので、確かにストレスがたまる作業ではある。

ただ、人材不足のドイツ語翻訳では、機械翻訳と同程度のエラーを含む翻訳を納品する人もいる。
そのチェック作業で慣れているというのは変だが、これまで苦労している分、機械翻訳のエラーを見ても平気だ。
フィードバックを素直に受け入れるだけ、機械の方が扱いやすいかもしれない。

今月担当したドイツ語和訳チェックでも、多義語の判断ができていないものがあった。

例えば、装置の取扱説明書で、Oberfläche「表面」と和訳していたが、写真を見ればわかるように、これは「ユーザーインターフェース」である。

また、綴りが似ている単語を勘違いした誤訳も、人手翻訳では多い。
最近の記事でも紹介した Datei(ファイル)Daten(データ)の混同にはよく遭遇する。

また、「患者のGewicht(体重)」「患者の性別(Geschlecht)」と誤訳している人もいた。

綴りは似ていないが、その少し前に、「記載内容は、男性・女性・第三の性といった性別には無関係な表現としている」という注意事項があったので、それに影響されたようだ。

一番恐ろしかったのは、unsteril(非滅菌の)が、逆の意味の「滅菌の」に誤訳されていたことだ。
手術室で使う装置の説明書なので困ったものだ。

機械翻訳を批判する人は多いが、同じレベルで誤訳を納品してしまう翻訳者も実際にいるのだ。

誤訳を含む翻訳のチェックで苦労しているのに、チェッカーは低料金で割に合わないというこれまでの不満が、機械翻訳のポストエディットなどしたくないということ、そして機械翻訳への批判につながっているのではないか。

このようにドイツ語翻訳では人材不足なので、養成が間に合わないのならば、機械翻訳の導入も選択肢の一つになる。
ただし、人手翻訳のチェックと同様に、機械翻訳の出力が正しいかどうかを判断する人材は必要になる。

その雑誌のアンケートにも書いたが、翻訳者が見つからない ⇒ 機械翻訳を使おう ⇒ 出力が正しいか判断できない ⇒ ポストエディットする翻訳者が見つからない という悪循環になりそうだ。

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取引したくない翻訳会社Kからの電話 ⇒ 今日も電話があった

(最終チェック・修正日 2020年06月12日)

翻訳者にもいろいろな人がいるように、翻訳会社もいろいろだ。
私はまだひどい翻訳会社に遭遇していないが、取引したくない翻訳会社はある。
トラックバックした記事にある翻訳会社Kだ。

あるドイツ語翻訳者のブログで、この翻訳会社Kは、ビジネスマナーがなっていないと批判されていた。
ブログ記事にはメールの文面が貼り付けてあって、確かに取引したくないと感じた。

そのため、2018年にドイツ語和訳の打診メールが9年ぶりに届いたときに、忙しいと言って断ってもよかった。
ただ、納期がのんびりしていたこともあり、本当にそのような会社なのか確かめようと思って受注してしまった。

どのような対応が不満だったのか、詳しくは過去記事を参照してほしいが、主な4項目を列挙しておこう。

1)秘密保持契約書がない。
2)個人情報保護に関する記載が会社ウェブサイトにない。個人情報利用に関する書類も提示されない。
3)翻訳料金の振込手数料が翻訳者の負担となり、翻訳料金から引かれていた。
4)源泉徴収の税率が間違っていた(10%で計算されていて 10.21% ではなかった)。

この翻訳会社Kと取引をしなくても困らないので、二度と仕事はしないと決めた。

その後、2年近く連絡はなかったのだが、本日昼過ぎに突然、スマートフォンに電話があった。

「K社です。ドイツ語案件があります。メールで送りましたが見たでしょうか?」

面倒だったが返答した。
「何も来ていませんね。何かのエラーでしょうか。ただ、今月は忙しいので無理です。」

するとK社担当者は、
「同じアドレスにもう一度送ります。26日納期の論文13ページの和訳です。7月納期でもよいかどうかクライアントに確認します。」

そして7時間経過したが、メールは届いていない。
アドレスが間違っているのか、それとも7月納期ではだめだとクライアントに言われたのか。

まあ、参考にしたブログ記事と、私の前回の体験から、このまま連絡がないのだと思う。

別にK社のために待機するつもりは全くないのでどうでもよいが、メールを再送すると言ったのだから、私に依頼しないことになったとしても、一言連絡するものではないだろうか。

ドイツ語翻訳の案件は、海外翻訳会社2社から毎月受注しているので、このK社の案件に期待することもない。
ただ、仕事がなくて困っている人は、仕方なく取引を続けるのかもしれない。


(最終チェック・修正日 2018年12月19日)一度取引してみて、対応がずさんなため、もう二度と仕事を受注しないと決めた翻訳会社Kだが、青色申告のために支払調書を発行してもらわないといけない。翻訳料金が確定した9月のやり取りでは、確定申告に必要な時に支払調書を請求してほしいとあったので、他の翻訳会社のように1月下旬に自動的に郵送してくれるのではなさそうだ。今年の収入についての確定申告書の作成コーナーは、来...
翻訳会社Kに本年分の支払調書発行を依頼してみた

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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