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「眠りにつく太陽-地球は寒冷化する」(桜井邦朋著、祥伝社新書)

まだ年末の勤務が残っている時期に翻訳を受注して忙しかったが、通勤時間を利用して新書を読んでいた。
今月読んだのは、地球温暖化などの気候変動の原因を太陽だとする新書である。

太陽物理学者の桜井邦朋博士が書いた、「眠りにつく太陽-地球は寒冷化す」 だ。
www.s-book.net/plsql/slib_detail


太陽物理学の第一人者による温暖化・非温暖化論争に決着をつける書
地球気候変動の真の要因を探る

「地球温暖化=CO2排出が原因」
本当にそれは正しいのだろうか?
現在、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」を中心として、地球温暖化が急激に進行していること、そして、その原因が人類が排出する炭酸ガス(CO2)であるということが、結論のようにいわれている。
しかし、本書で出す結論は、それとはまったく別の予測である。
最近の過去100年余りを通じて、太陽活動がどのように変動してきたか、またそれにともなって、地球の気候がいかに推移してきたかについて、一般の方々に正しく理解していただくことが大切なのだと考えた。その結果、できあがったのが本書なのである。


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テーマ : 環境
ジャンル : 福祉・ボランティア

幻のスマトラウサギが生息する森を守ろう

年明け納品の翻訳は、3分の1以上進んだので、今日の午後は長めの休憩をとっている。
本日届いた郵便物を確認してみると、WWFジャパンから、寄付金の礼状が来ていた。
インドネシア・スマトラ島の 「WWFサポーターの森」 に1万円を寄付したためで、協力証書も入っていた。
この協力証書は、WWFとしては当然のことながら、FSC認証を受けた森林由来の紙で作られている。
(協力証書の画像は、トラックバックした過去記事を参照。)

この 「WWFサポーターの森」 には、幻のスマトラウサギが生息するブキ・バリサン・セラタン国立公園も含まれる。
以下に引用した朝日新聞の記事では、保護活動の一部だけ紹介されているので、WWFジャパンのサイトを参照してほしい。
www.asahi.com/science/update/1228/TKY201012280226.html
www.wwf.or.jp/activities/2010/12/958127.html
www.wwf.or.jp/campaign/2010_win/

私が15年ほど前にWWFジャパン(財団法人世界自然保護基金ジャパン)に入会したきっかけは、石垣島の白保サンゴ礁保護運動であった。石垣空港拡張計画でサンゴ礁が破壊されると聞き、WWFに入会して、さらに 「しらほサンゴ村」の村民登録もした。実は、沖縄にはまだ行ったことがないので、学会などが開催されるついでに、休暇を取って石垣島まで行きたいものだ。その後も少額ではあるが、南西諸島以外にも、アムールトラの...
スマトラ島の「WWFサポーターの森」を支援するために1万円を寄付


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テーマ : 環境
ジャンル : 福祉・ボランティア

ersparen

ersparen
他 (h)
2 ((jm. <sich3> et.4)) (無駄・労力などを)省く,(不快事などを)免れさせる

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テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

「科学」と「化学」をきちんと分けて訳してほしい

年明け納品の翻訳作業中で忙しいが、休憩時間に見たAFP記事が気になったので、簡単にメモしておこう。

数年前、新規開店した有名書店に行ったところ、「化学」 の書籍の棚に、「科学」 という札がかかっていた。
理学部で博士を取得した私は 「自然科学者」 ではあるが、専門は 「有機化学」 なので、がっかりしたことがある。

どちらも発音は 「カガク」 なので、話すときは 「のぎへんのカガク」 や 「バケ学」 と言ってみたり、「サイエンス」 や 「ケミストリー」 と言うこともある(「ケミストリー」 を 「毛虫取り」 と聞き間違える人もいるが)。

手書きのときは気付くのかもしれないが、最近はPCソフトでの漢字変換に頼るためか、「科学」 と 「化学」 の区別ができていない文章もあり、以下に引用するAFP記事もその一つだろう(加えて気になる2個所も赤字で示した)。
www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2780767/6615231

シャンパンを化学する、美味しさの秘密は気泡 仏研究
2010年も残りわずか。内外で多くの人びとが、大みそかや新年を、シャンパンで祝うことだろう。こうした絶妙のタイミングで、フランスの研究チームが、美味しくシャンパンを味わう秘訣を化学的に解明し、米国化学会誌(American Chemical Society)の学術誌に掲載した。

この方法によって、シャンパンの栓を抜いたあとも、気泡の蒸発を最小限にとどめられるという。(c)AFP】


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テーマ : 英語
ジャンル : 学問・文化・芸術

MSC認証取得済みの土佐鰹水産がマリン・エコラベル・ジャパンも取得

日本の一本釣りカツオ漁業は、巻き網漁などと異なり、資源管理に配慮した漁法として認められている。
そして、私が会員のWWFが推奨する海のエコラベルであるMSC認証を、高知県の土佐鰹水産株式会社が取得した。
www.tosakatu.jp/index.php (土佐鰹水産株式会社のHP)
www.wwf.or.jp/activities/2009/11/772404.html (WWFジャパンのプレスリリース)
www.tosakatu.jp/images/news-091104-2.pdf (認証した海洋管理協議会のプレスリリース)

私が好きな魚は、サケ・サンマ・アジ・サバ・タイ・ハマチ、そしてカツオである。 高知に旅行に行ったときには、昼食も夕食もカツオのたたきを食べた。 高知から戻る直前にも、空港のレストランで、カツオのたたき定食を食べた。 そのカツオであるが、日本の一本釣りカツオ漁業が、海のエコラベルであるMSC認証を取得した。 カツオ漁業としては世界初であり、これは誇りに感じてもよいだろう。 MSCを推奨
日本のカツオ漁業がMSC認証取得:伝統の一本釣りは持続可能な漁業


このMSC認証であるが、予備審査からの期間も長く、審査が厳しいほかに、認証を得るための資金も高額である。
その代わり、このMSC認証がないと、エコライフを求める消費者には受け入れてもらえない。
値段が高くても、環境に配慮した食品を求める消費者は、ある一定数存在する。

海洋管理協議会(MSC)のサイトで、認証済み・審査中の漁業を見ると、日本が遅れていることが明白である。
www.msc.org/jp

なぜ日本ではMSC認証が増えないのかというと、日本の水産関係者の中には、環境保護団体WWFが嫌いな人がいるからだ。
反捕鯨団体でもあるWWFは政治的背景があると批判され、さらにトロール漁法などに反対したり、日本漁業の敵と思われている。
そんなWWFが設立に関わったMSCが、日本の漁業を審査するなど、受け入れたくない人がいるのは確かである。

少々古い情報だが、水産庁の水産政策審議会企画部会・第3回加工流通消費小委員会の議事録には、次のような発言がある。
www.jfa.maff.go.jp/sinseisaku/keikaku_19/minute/180413.htm
-----------------------------
【最後にエコラベリングのお話が出ましたが、MSCは世界自然保護基金がバックボーンにあって、やや自然保護的な、政治的な部分も絡んでいて、もし日本に導入するのであれば独自のものをきちっと作っていかなければならない。それに当たっては、政府・水産庁の御指示のもとにきちんとした日本版のエコラベリングを作った方がいいと思います。】
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また、「海の幸に感謝する会」 という団体が、MSC認証を推進するWWFを攻撃している。
www.umisachi.jp/

過去のプレスリリースに、「水産資源の管理責任を環境保護団体に委ねていいのか?」 がある。
www.umisachi.jp/press/061227.html
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世界最大の環境保護団体・WWFが、精力的に、日本国内でMSCによる水産エコラベルの導入を促進している
各紙報道によれば、WWFは認証費用の支援を行うことを決定しており、NHK等一部報道機関も、MSC主導の水産エコラベルの普及を、水産資源の持続性確保するという観点から、「是」として報道している。

海の幸に感謝する会は、このような動きに疑問と懸念を抱く。資源の効果的な管理と持続的利用は、科学的知見の尊重と、水産物を食糧として持続的に利用することに対する根本的な理解が大前提である。漁業を締め出すために海洋保護水域の拡大運動を進め、潤沢な鯨類の利用に反対し、国連での公海トロール禁止運動等種々の反漁業キャンペーンを展開してきた団体が、水産資源の持続的利用とそれを実践する水産業の持続的発展を目指しているとは思えない
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そこで、水産庁の天下り団体でもある大日本水産会が中心となって、日本版の 「マリン・エコラベル・ジャパン(MELジャパン)」 を作り出した。
www.melj.jp/

新着プレスリリースを見ると、近海・遠洋カツオ一本釣りが、新たに認証されていた。
そして、既にMSC認証を受けている土佐鰹水産株式会社も、なぜか入っている。
www.melj.jp/upload/news/101214press2.pdf

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テーマ : 環境ビジネス(エコ×ビジネス)
ジャンル : ビジネス

Gefecht

Gefecht n. -〔e〕s/ -e
1 (比較的小規模な)戦闘,交戦
jn. außer Gefecht setzen (砲撃などによって)…の戦闘力を失わせる

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テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

お茶会で突然ドイツ人を紹介されて話をすることになった

先月から約12万円もらえるデータベース翻訳を作業していたが、その間に、別の翻訳会社2社から、年末年始のスケジュールの問い合わせがあった。
今月初めに問い合わせてきた1社には、データベース翻訳の納期は12月24日に設定していたため、年末年始に作業をして、年明け納品になると回答した。
その後、何も連絡がないものの、発注が来年になると期待している。
ただ、連絡がないことから、クライアントの都合を優先して、別の翻訳者を見つけたのかもしれない。

もう1社は、データベース翻訳の納品直後に問い合わせがあり、これは年明け納品なので、受注することになった。
データベース翻訳が意外と早めに終了し、推敲も余裕をもってできて、納期前納品をしたので、今回の新たな受注ができた。

今回受注した翻訳は、ある学会講演会資料のドイツ語和訳である。
毎日ドイツ語の新聞に目を通しているので、辞書の助けは借りるものの、長文読解は慣れていると自負している。

ただし、ドイツ語会話については、NHKラジオドイツ語講座で練習しているだけで、会話相手もいないので熱が入っていない。
それに日本では、英語もそうだが、ドイツ語で生活するという場面がないので、どうしても基礎レベルで止まってしまう。

日本に帰国してからドイツ語を話したのは、一番最近では3年前、国内開催の国際会議に参加した時、企業出展ブースでドイツ出版社のドイツ人営業社員と5分くらい話した程度である。


そして今日は、あるプロテスタント教会のクリスマス礼拝に招待されて参加した後、教会会員宅にホームステイしているドイツ人留学生を紹介され、突然ドイツ語会話をする機会を得た。

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テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

soweit

soweit
II
3 ((口語的表現で「完了」の段階)) 終わっている,すんだ;準備のできた

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テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

Oberstufe

Oberfstufe f. - /-n
(ロケットの)上段,上段ロケット

Cf. Stufenrakete f. - / -n 多段式ロケット

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テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

グリーンランドがザトウクジラ8頭を捕獲したがホッキョククジラ以外は捕獲枠未達成

EU議会では反捕鯨決議をするくらいなので、全加盟国が反捕鯨と思われがちだが、デンマークは捕鯨擁護派である。
デンマーク領のフェロー諸島では小型クジラ類・イルカ類が捕獲され、グリーンランドでは先住民生存捕鯨が認められている。
デンマーク本土の政府が、グリーンランド自治政府の外交を代行するため、捕鯨擁護派となっている。
また、グリーンランドの地下資源への期待もあり、デンマーク政府はグリーンランドが独立するような事態は避けたいという思惑もあるのは確かだ。

先住民生存捕鯨では、捕鯨操業と住民へ分配するコストを政府が負担しており、商業捕鯨ではないと定義されている。
IWC(国際捕鯨委員会)の科学委員会で捕獲枠が決められているが、グリーンランド自治政府はザトウクジラの捕獲を要求してきた。
いろいろあって何年も決まらなかったが、2010年にようやくザトウクジラ9頭を含む捕獲枠が決定した。

グリーンランド自治政府は、ザトウクジラの捕獲枠を得るために、ミンククジラとナガスクジラの捕獲枠の削減に応じた。
そのため、捕獲枠を全て満たしても、得られる鯨肉量は逆に減ってしまったが、それでもザトウクジラがほしかったのかも。

デンマーク議会の文書に、グリーンランドの捕鯨に関する回答文書があったので、これで捕獲状況を確認しよう。
www.ft.dk/dokumenter/tingdok.aspx

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テーマ : 博物学・自然・生き物
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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