副業翻訳を始めてから、雑誌「通訳翻訳ジャーナル」を購読している。
需要が一番多い英語に関する記事が多いものの、翻訳技術の自習に使えるし、注目分野や単価など、翻訳業界の動向を知ることができて便利である。
11月21日発売の2016年冬号では、「英語以外の通訳・翻訳 第2弾」 として、「ヨーロッパ言語」が取り上げられている。
ちなみに第1弾は、前号の2015年秋号で、「中国語&韓国語」であった。
私がドイツ語フリーランス翻訳者として登録したのは2004年秋で、当時も今と同様に、自動車や機械の特許翻訳と、契約書の翻訳が多かったと思う。
主にリーマンショック後と東日本大震災後の2回、案件の減少と共に、ワード単価の下落、そして納期の短縮化が見られたが、最近は自動車を中心に回復しているという印象だ。
翻訳会社へのアンケート結果では、英語以外で需要が高い言語として、ドイツ語はずっと3位をキープしている。
需要の増減は、変わらないが一番多いものの、増加もなければ、極端な落ち込みもない、安定した翻訳対象ということだろう。
具体的なドイツ語翻訳の状況を知る記事として、シュタールジャパンの取材記事があった。
気になったのは、ドイツ語をいったん英語にしてから日本語にするパターンが増えているということ。
これは英語の方が料金が安いからだという。
しかし、英語を介するとオリジナルからの和訳と異なるリスクもあるので、ドイツ語原文を参照しながら英語を和訳できる人材が望ましいそうだ。
私は英語とドイツ語で登録しているので、その点では有利なのかもしれない。
今から7年前、英語のWO特許の和訳案件で、どうしても意味が通じない箇所があったため、ドイツ製薬メーカーのドイツ語特許で確認したことがある。
これから文部科学省も含めて日本全体が英語学習に力を入れれば入れるほど、ドイツ語などのヨーロッパ言語の翻訳者は若手が減るので、私にとっては活躍の場が残されているだろう。
3月末で勤務先の研究所が、事業見直しで閉鎖されるため、転職が決まらなければ3度目の失業となり、翻訳で数か月は食いつなぐことになるかもしれない。
前回の失業時は、残念ながらドイツ語特許翻訳1件のみで、わずか10万円の収入だった。
今回もしものときは、チェッカーとして作業している翻訳会社で、ドイツ語特許翻訳をすることになるだろう。
最近納品した翻訳は、誤訳や訳抜けを修正して、クライアントから excellent quality と評価されたので、脱サラ翻訳者という選択も考えよう。
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