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指定範囲以外を翻訳してしまったが

昨夜23時35分、ヨーロッパの翻訳会社から、短いドイツ語和訳の依頼メールが来た。
こんなときでも翻訳会社は、ネットがあれば稼動できるということだ。

数週間前に納品した製品カタログの和訳の続きで、変更した部分の和訳をしてほしいそうだ。

このメーカーは、カタログや取扱説明書を常に更新しているのか、数ワードから100ワード程度を変更したり追加するごとに、細切れで和訳を発注している。

とりあえず、翌朝に和訳するとだけ返信して寝た。

今朝、朝食後にメールに記載されたドイツ語文について、ワードファイルの作成も含めて、10分くらいで和訳した。

納品して終わったかと思ったら、翻訳対象ではない部分を和訳していたと、連絡が来た。

翻訳対象は、3ワードの語句のみであった。

翻訳のための参考として、その語句の説明文が並べて書いてあり、私はその説明文の方を翻訳対象と勘違いして和訳してしまったのだ。

ということで、翻訳対象の3ワードの語句を和訳して、ワードファイルを作り直して再納品した。

夜になって、翻訳料金の計算書がメールで届いた。
すると、3ワードではなく、不要のはずの説明文を含んだ、27ワードで計算されていた。

詳細は書いていなかったが、翻訳対象を誤解してしまう依頼メールだったということで、多めに支払うことになったのかもしれない。

また、これまで、1ワードの案件でも対応したことがあるし、納品後にクライアントが原稿を修正して再翻訳となっても、文句を言わずに作業したこともあるので、多めに払って良い関係を継続したいのかもしれない。

翻訳会社社員としていつまで働くかわからないので、再びフリーランスになっても大丈夫なように、多方面で信頼関係を築いていきたいものだ。

テーマ : SOHO・在宅ワーク
ジャンル : ビジネス

Rosa Parks moment に「革命的な瞬間」という意味があるのか?

私は英日・独日翻訳者として仕事をしているが、専門は自然科学系(化学)なので、知らないことも多い。
今回の記事の話題も、正確な情報について、英語が専門の方からのコメントを求めたい。

自称1000万円翻訳者・浅野正憲のブログでは、本日3月30日も新規記事が投稿されている。
タイトルは、「突然、出てくる人名的表現について」で、比喩表現の話のようだ。

そのブログ記事で取り上げた表現と、本人による和訳の部分を下に示す(赤下線を加えた)。
RoseParks.jpg 

例文には、Rosa Parks moment という、有名な人名を含む表現が使われている。

この例文の前後が示されていないため、どのような文脈で使われているのか私にはわからないが、自称1000万円翻訳者の解釈では、革命的な瞬間を意味するそうだ。

以下に示す私の解釈とは異なる説明なので、私が間違っているのか、あるいは新たな意味が追加されたということなのか。
引用がないので判断できないが、浅野正憲が読んだ文章では、「革命的な瞬間」にすると文脈に合致するということか。

Rosa Parks さんは、アメリカ公民権運動を学ぶと必ず出てくる、バスの席を白人に譲らなかった話の主人公だ。
詳細については様々な文献を参考にしてほしい。

差別に対して抵抗したということから、例えば、乗り物や学校などの公共の場で、「差別されたと感じて、その差別に対してノーと主張した場面」を意味する表現として、Rosa Parks moment が新聞記事などでも使われている。

和訳するときには、人名の部分は消えてしまうが、「差別への抵抗を決意した瞬間である」になるだろうか。

超有名企業からのオファーが絶えず、年収1000万円超を継続し、1000人以上の受講生にノウハウを教えている、「センスがある」一流翻訳者なのだから、単なる思い込みで誤訳をしているはずはないだろう。

「差別に反対すること」を、「これまでの常識とは異なる革命的なこと」という意味にまで広げたということか。

本人が誤訳していないとすれば、元の文章で誤用しているのだろうか。

言葉は変化するものなので、誤用が定着することもあれば、似た状況などにも適用されて意味範囲が広がっていくこともある。
このような複数の、幅広い意味が共存している過渡的状況には、語学的興味がある。
辞書を作る人たちにも有益な情報なので、続報として具体的な引用をして説明してほしいものだ。

新聞や論文など、わずか10件程度の調査では結論を出せないので、英語が専門の方々の解釈を教えてほしい。

雑誌「英語教育」の Question Box に送ったら回答してもらえるだろうか。
例えば、「思い込み誤訳」が生じるメカニズムについてなど。

今回も自称1000万円翻訳者のブログ記事は、その真偽について各自が調査して判断すべきであるという、すばらしい教材となった。

テーマ : 英語
ジャンル : 学問・文化・芸術

教会会員から会員専用ページのパスワードの問い合わせ

首都圏での外出自粛要請のため、教会の礼拝も、最低限の人数でのみ行うことになった。
本来ならば、私は今日、受付の当番であったが、その他の奉仕も含めて取りやめとなったため、自宅で待機した。
そのため本日の礼拝堂には、牧師と数名の役員がいたのみ。

私が所属する教会は、関東大震災直後の日曜日にも、戦争のときにも、礼拝を行った。
もし、牧師1人になったとしても、毎日曜日の礼拝を続けることが使命でもある。

少人数に絞った礼拝ではあるが、牧師の説教は、いつものようにICレコーダーで録音し、礼拝直後に教会ホームページに音声ファイルをアップロードすることにしている。

私は11時20分頃にアクセスして、時間と場所は異なるが、メッセージを共有できた。

音声ファイルは、非公開の会員専用ページからダウンロードする。
アクセスには共通のアカウントとパスワードが必要である。
昨年夏に、教会ホームページをリニューアルしたときに設定され、会員全員に文書が配布された。

その後、ある会合の出席者に対しては、PC画面をプロジェクタで投影して、ホームページの紹介と、音声ファイルへのアクセス方法を説明した。

参加者は一部だったので、その後もアクセス方法の問い合わせは何度かあった。
加えて、パスワードの文書が見当たらないという人も続出したので、コピーして渡すこともしばしばであった。

ということで、礼拝に出席できない人が増えた今日は、パスワードがわからず困っている人がいると想像していた。
そして夕方になって、ある会員の方から電話があった。
相手が説明する前に、「説教の音声ファイルのパスワードのことですね」と、こちらから確認してしまった。

口頭で説明すると、間違えると困るので、私宛にメールを送ってもらうことにした。
FAXでもよかったが、メールだとホームページに直接リンクできるので便利だと思った。
ただ、本人はメールアドレスがないため、家族のメールアドレスから送るので、それに返信してほしいとのことだ。

ということで、メールを待つ間に、アカウントとパスワードなどを記載した文書を見つけて、スキャンしてPDFファイルにしておいた。

そして届いたメールへの返信に、そのPDFを添付して、ダウンロードの簡単な説明を加えて送信した。
追加の問い合わせがないので、不具合は発生していないと思われる。

今後も同様の問い合わせがあるかもしれないので、いつでも対応できるようにしておきたい。


新型コロナウイルス COVID-19 の感染が拡大する恐れがあり、様々な集会が中止・延期になっている。先日も、ある大学での翻訳関連のセミナーに参加する予定だったが、大学関係者だけに限定されてしまった。そのセミナーについては、後日、動画配信されるそうなので、待つことにしよう。私が通っているプロテスタント教会では、毎日曜日の礼拝は、朝と夕の2回を休むことなく続けている。しかし、聖餐式は中止しているし、重要な役員...
教会も礼拝のライブ配信を検討すべきかもしれない

テーマ : インターネット
ジャンル : コンピュータ

Libetyについて調べてみた

自称1000万円翻訳者・浅野正憲のブログでは、様々な話題を提供してくれている。
ただ、理解しにくい日本語であることに加えて、誤訳や誤記が含まれている記事が多いことが、SNSなどで指摘されている。

誰でもうっかり、誤訳や誤記をしてしまうが、気づいたときには恥ずかしくなって、すぐに修正するものだ。

しかし、1000万円翻訳者とは思えない誤訳の掲載を堂々と続けているので、本人は正しい和訳だと思い込んでいるのかもしれない。
自己流の「なんとなく翻訳」の例を見ているかのようだ。

本日3月28日に投稿された記事にも、誤記があることが、SNSで指摘されている。
その Twitter の一例と、ブログ記事の該当部分のスクリーンショットを以下に示しておこう(ブログのリンクは示さない)。
libety.jpg

ここで引用している2月18日の過去記事にも、「Libety」が2か所に書かれていた。
このときは、あるSNSでの「Libetyなんて単語はない」という指摘を見たためか、「Liberty」にいつの間にか修正していた。
しかし慌てたのか、2か所のうち1つだけを修正しており、修正を忘れた「Libety」が残ったままになっている。

せっかく1か月ほど前に再学習した単語なのに、今回も「Libety」と書いている。

受講生に勧めているオンライン辞書の英辞郎では、libetyを入力すると、該当する項目がないと表示され、代わりの候補としてlibertyが提案されるのに。

もしかすると、rがあいまい母音化していることに加えて、カタカナで書いた「リバティ」に影響されて、つづりからrが脱落しているのかもしれない。

超有名企業からのオファーが継続している1000万円翻訳者なのだから、何か根拠があってLibetyを使っているのかもしれない(嫌味です)。

もしかすると、21世紀の英語の発音では、rが完全に脱落すると予測して、Libetyという新しいつづりの規則を提案するために、わざと独自のつづりを編み出しているのかもしれない。

本人が翻訳者に必要な能力として、いつも強調している「検索力」で、その根拠を探してみよう。

最初は、Libetyという人名があると思って検索してみた。
すると、次のリンク先でわかるように、Libetyという姓が実在する。
渡航者名簿など、証拠書類もいくつか掲載されている。
www.ancestry.com/name-origin

もう少し調べてみると、「The Facts on File Dictionary of American Regionalisms」という書籍に記載があることがわかった。
Google Books のリンクは次の通り。
books.google.co.jp/books

18世紀にロンドン付近では、rがあいまい母音化して、aやahになっていたそうだ。
例えば、cardの発音が、caadのようになっていたわけだ。
アメリカに移住した人たちが、この方言? をそのまま使ったためか、「libety」という誤記も見られたそうだ。

【.. Anyway, New Englanders were constantly dropping their r's midway through the 18th century, which is why liberty is so often misspelled libety in early American documents. ..】

ミススペルと書いてあるので、ある程度使われていたlibetyであるが、次第に消滅したのだろう。

だから単なる誤記だと思うが、超有名企業からのオファーが絶えない翻訳者のネームバリューを利用して、独自の言葉を使うことで、約200年前の事象のリバイバルを狙っているのかもしれない(嫌味です)。

ところで、30年くらい前に、たしかBBC制作の英語史のドキュメンタリー番組で、母音の発音が変化してきたことについて聞いたことがあった。
ただ、つづりにまで影響した例については知らなかった。
このような雑学を提供してくれたのだから、今回のブログ記事には感謝しなければならないのかもしれない。

テーマ : 英語
ジャンル : 学問・文化・芸術

2ワードのドイツ語和訳を受注した

新型コロナウイルスの流行で、翻訳業界も影響を受けるのではないかと心配されている。

これまでも、例えば、リーマンショックのときは、クライアントの都合という理由で、ワード単価が20~30%下がった。
ドイツ語和訳では、ワード単価15円が一般的だったのに、12~13円になってしまった。
また、東日本大震災の後は、私の場合、ワード単価は変わらなかったが、依頼数が減ってしまった。

いずれの場合も、当時の本業は医薬メーカー研究員であり、副業翻訳だったので、生活には困ることはなかった。
ただし今は翻訳会社の社員なので、会社の売上が減ると、私の収入にも影響がでるのではないかと心配している。

勤務時間以外には、以前から取引している3社の仕事を受けていて、年間予算としては少なめに見積もって40万円にしている。
そしてオンライン辞書の使用料や書籍代に充当するのが目的だ。

空き時間にできる案件が主体になるので、ワード数が多い場合には、翻訳ではなくてチェッカーとして受注することが多い。
逆に、ワード数が少ない案件ならば、たとえ1ワードの翻訳であっても、積極的に受注している。
外国の翻訳会社からの受注が主体になるが、少額でもコツコツ積み重ねれば、日本円換算で月2~5万円にはなる。

ということで、今日も2ワードのドイツ語和訳案件を受注した。
エンドクライアントは、スイスのメーカーである。
スイスでは28日現在、COVID-19の感染者数が1万人を超えているが、それでも可能な業務は続けているということだ。

内容は、以前翻訳した取扱説明書について、適用する国を追加したので、その国名を日本語に翻訳するものだ。
わざわざ外注しなくてもよさそうなものだが、業務範囲をきちんと切り分けて、翻訳はプロに依頼するという方針は評価したい。

4月にはドイツのメーカーの取扱説明書について、和訳のチェックをする予定になっている。
案件の増減についてははっきりしないが、減ったときでも依頼されるような翻訳者でありたいものだ。

テーマ : SOHO・在宅ワーク
ジャンル : ビジネス

手ぬぐいマスクを作りました

新型コロナウイルスCOVID-19が流行しているため、教会でも礼拝ではマスクを着用することにしている。
受付でマスクを配っているが、在庫がいつまでもあるわけではない。

私もマスクが入手できないということで、手ぬぐいマスクを作った。

手ぬぐいマスク 

高校のときから手ぬぐいを使っていて、記念品なども含めて、30枚くらい持っている。
そのうち、今回は、屋外で着用していても無難な柄のものを選んだ。

参考にしたのは、手ぬぐい専門店「にじゆら」がアップした動画だ。
全く同じではないが、私の顔に合わせて折り畳み方などを工夫して作った。
さっそく、午前中の買い物で使ってみたところ、密着度は医療用マスクに劣るものの、突然のくしゃみには十分対応できそうに思えた。




ちなみに、ドイツで紹介されている手作りマスクの動画は次の通り。
日本で紹介されている手作りマスクとほぼ同じようだ。
私はここまでやろうとは思わないが、ドイツ的手作りマスクの方が丈夫そうに思えるならば、参考にしてみてはどうだろう。


テーマ : コロナウィルス関連
ジャンル : 心と身体

ネットで書籍を購入するのも今できる消費行動の1つ

私は翻訳会社の社員で、最初から在宅勤務をしているので、外出するのは食品の買い物がほとんどだ。
COVID-19が流行する前は、平日も含めて毎日、その日の夕食と、翌日の朝食・昼食の分を買っていた。

ただし2月からは、週に2~3日に減らしている。
しかも、自宅に一番近い、住宅街にある少しすいているスーパーマーケットを利用して、混雑する駅前では買い物しないようにしている。

日曜日は都内の教会に行っているのだが、外出自粛要請が出たため、教会からも緊急の連絡があり、3月29日は行かないことにした。
礼拝は最小限の人数で行い、いつものように録音して、教会ホームページに音声ファイルをアップロードすることになっている。
その録音の作業は、私も月1~2回担当しているのだが、信徒が義務感を持たないようにと、牧師がすべての作業をする予定になっている。

いつもは、教会に行ったときに、近くの書店に寄って、定期購読の雑誌やネットで注文した書籍を受け取っている。
問い合わせをしたところ、次回来店時まで置いたままでかまわないそうだ。
自宅に配送する場合は、システム上、店舗で支払った後の手続きになるという。

そこで、自宅に一番近い店舗にまとめて転送することも検討している。
JRで1つ先の駅前なので移動時間は短いし、自転車で行くことも可能な距離にあるから、他人との接触機会も少ないだろう。

定期購読の雑誌は店頭受取になるが、ネットで注文できる書籍は、今後は自宅に直接配送してもらう方がよいかもしれない。
在宅勤務でいつも自宅にいるのに、わざわざ店舗受取にしていたのは、書店が入っている商業施設のポイントももらうためだ。
ただ、こんな時期なので、そのポイントをもらうよりは、他人との接触を減らすことを優先しよう。

消費が落ち込むと指摘されているが、書籍のようにネットで購入が可能なものは、できるだけこれまでと同じように購入して、わずかな金額であっても、今できる消費行動を続けることも、社会を回すことに貢献できるだろう。

外食産業でも、持ち帰りや配達のサービスを拡大しているから、自炊もよいが、週に1回くらいは利用することも、今できる消費行動ではないだろうか。

この週末も、語学や自然科学の書籍を選んでみよう。

テーマ : 日記
ジャンル : 日記

キャンペーン当選金の一部を国境なき医師団日本に寄付

新型コロナウイルスCOVID-19の感染症対策への寄付金が、有名人も含めてたくさん集まっている。

私は定期的にいくつかの団体に寄付をしているが、この感染症対策の寄付も、臨時でしようと思った。
今月末に海外の翻訳会社から約$566が入金するので、日本円に換金後に寄付先を決めようと考えた。

当初は、翻訳関係のセミナーに使おうと思っていた。
しかし、今年は様々な会合が中止・延期になっているので、新年度の予算から外した。
そこで、この約6万円を、他の支払いと寄付に回そうと思った。

例えば、毎月3000円を寄付している国境なき医師団日本も候補の1つであり、以下に示した Twitter のように、新型コロナウイルス感染症危機対応募金を受け付けている。

寄付金額に応じてどのような支援ができるのか、ウェブサイトにアクセスすると確認できる。
プレスリリースのリンクは次の通り。
www.msf.or.jp/news/detail/pressrelease/msfj20200326st.html
----------
支援でできること一例:
3000円で 医療用防護服1着を提供できます。
5000円で 医療用防護マスク42枚を提供できます。
1万円で  耐溶剤手袋21双を提供できます。
----------

今朝、三井住友銀行の普通預金口座の残高が増えていることに気づいた。
明細を確認すると、デビットキャンペーン当選金の3万円が入金していた。

調べてみると、下に示したように、SMBCデビットの利用額が基準を超えていたので、現金3万円がもらえる抽選が行われたのだ。
100名と少ないので、当選するはずはないと思っていて、エントリーしたことすら忘れていた。


SMBCデビットキャンペーン

SMBCデビット当選 

こういった臨時収入を独り占めするのはよくないので、とりあえず今回は、国境なき医師団日本に1万円を寄付することにした。

少しでも余裕があるならば、困っている人のために、できる範囲で援助するものだと思っている。
以前も紹介したが、聖書から箴言第22章9節を引用しよう(聖書協会共同訳)。

9 善意に溢れるまなざしの人は祝福される。 自分のパンを弱い人に与えるから。

オンラインでのカード払いでは、SMBCデビットカードが使えたので、明細に示すように、本日中に決済ができた。

有名人と比較するとわずかな金額かもしれないが、より厳しい状況にある人々の支援に役立ててほしい。


テーマ : 寄付・ドネーション
ジャンル : 福祉・ボランティア

論文・特許ならば機械翻訳を使って読んでもよいのではないか

最近の翻訳業務では、ニューラル機械翻訳(NMT)が発展しているため、その出力を用いたポストエディット(PE)を行うことがある。
技術の進歩は驚くほどであるが、NMTの精度がいかに向上しても、翻訳文を読むのは人間なのだから、必ず人間がPEをして完成品とすべきである。

しかし、NMTの出力をそのまま例示して、これでは使えないなどと言う人もいる。
確かに、原文を読解するための語学知識がない人は、NMTの誤訳・訳抜けに気づかないため、100%の精度が求められるだろう。

それでも、業務効率化のために、NMTの癖を知った上で、積極的に導入する翻訳者も存在する。
例えば、化学系の場合、長い化合物名や数値の入力は面倒なので、自動的に和訳に反映される方が楽だ。

PEは意外と疲れる作業ではあるが、人間に翻訳を依頼しても、完成度が60~90%と、機械翻訳と同程度のこともあるので、これまでのチェッカーの仕事と同じものだと割り切っている。

翻訳の仕事で使うだけではなく、例えば、研究者が論文を読むときに活用できるのではないだろうか。

以前、大学の研究室で、ドイツ語論文が読めないという学生が質問に来たことがある。
概要を和訳しながら説明したところ、数分経ってから、ある化合物の融点だけを知りたいと言い出した。
それなら最初から言ってくれ、と文句を言いたくなるが、ドイツ語を知らない学生でも、機械翻訳で和訳して「融点」の個所を探せばよい。
そのようにキーワードを基にして情報をスキャンしてから、詳しい実験内容や論文中の説明を知りたければ、その部分の和訳を依頼すればよい。

では実際に、化合物名を含むドイツ語文について、機械翻訳はどのような和訳を出力するのか例示しておこう。

例文1(Organische Chemie, p. 35)

So ist 3-Methylpentan aus 1-Brom-3-methylpentan über 3-Methylpentylmagnesiumbromid zugänglich.

したがって、3-メチルペンタンは、1-ブロモ-3-メチルペンタンから3-メチルペンチルブロミドを介して得られる。


DeepL (2020.03.25)
したがって、1-ブロモ-3-メチルペンタンからの3-メチルペンタンは、3-メチルペンチルマグネシウムブロマイドを介してアクセス可能である。

Google (2020.03.25)
したがって、1-ブロモ-3-メチルペンタンからの3-メチルペンタンは、3-メチルペンチルマグネシウムブロミドを介してアクセスできます。

いずれもPEで修正が必要になるが、そのままでも理解可能だ。
以前は、化合物名に位置番号やハイフンが複数あると、出力が崩れることがあったが、ここ2年くらいで大幅に改善されている。

もう少し複雑な化合物名を含む実験の部を試してみよう。

例文2(DE10 2017 008 794 A1, p. 18, Beispiel 1)

4,4,5,5-Tetramethyl-2-[5"-n-octyl-(2,2':5',2"-terthiophen)-5-yl]-1,3,2-dioxaborolan (2,27 g, 4,665 mmol), 1,7,8-Trifluornaphthalen-2-yltrifluormethansulfonat (1,69 g, 5,132 mmol), Pd(PPh3)4 (270 mg, 0,233 mmol) und K2CO3 (2,58 g, 18,66 mmol) in 23 ml eines Lösungsmittelsystems von 5:5:2 Toluol/THF/H2O werden unter Rückfluss erhitzt und 18 h lang gerührt.

23 mL の 5:5:2 トルエン/THF/H2O の溶媒系中の 4,4,5,5-テトラメチル-2-[5''-n-オクチル-(2,2':5',2''-テルチオフェン)-5-イル]-1,3,2-ジオキサボロラン (2.27 g, 4.665 mmol)、1,7,8-トリフルオロナフタレン-2-イル=トリフルオロメタンスルホナート (1.69 g, 5.132 mmol)、Pd(PPh3)4 (270 mg, 0.233 mmol) および K2CO3 (2.58 g, 18.66 mmol) を還流下で加熱し、18時間撹拌する。


DeepL (2020.03.25)

4,4,5,5-テトラメチル-2-[5"-N-オクチル-(2,2'. 5',2"-テルチオフェン)-5-イル]-1,3,2-ジオキサボロラン(2.27g, 4.665mmol)、1,7,8-トリフルオロメタンスルホン酸(1.69g, 5.132mmol)、Pd(PPh3)4(270mg, 0.233mmol)、およびK2CO3(2.58g, 18.66mmol)を、5の溶媒系23mlに溶解した。 5:2トルエン/THF/H2Oを還流下で加熱し、18時間撹拌する。

改善前のNMTと同様に、なぜか「トリフルオロナフタレン」が消失し、溶媒の組成のところも崩れてしまった。
ちなみに、1,7,8-Trifluornaphthalen-2-yltrifluormethansulfonat のみを和訳させると、正しい出力になる。
まあ、化合物名などは英語と綴りが近いので、ドイツ語文法を知らなくても、修正はできるだろう。

Google (2020.03.25)

4,4,5,5-テトラメチル-2- [5 "-n-オクチル-(2,2 ':5'、2"-ターチオフェン)-5-イル] -1,3,2-ジオキサボロラン(2、 27 g、4.665 mmol)、1,7,8-トリフルオロナフタレン-2-イルトリフルオロメタンスルホナート(1.69 g、5.132 mmol)、Pd(PPh3)4(270 mg、0.233 mmol)およびK2CO3(2.58 g、18 66ミリモル)の5:5:2のトルエン/ THF / H 2 Oの23mlの溶媒系中、還流下で加熱し、18時間撹拌する。

厳密には、主に化合物名や数値でのPEが必要だが、ドイツ語原文が理解できなくても、この和訳だけで実験はできそうだ。

ドイツ語の論文・特許を読みたいという研究者がどれくらいいるのか不明だが、PEを原文ワード単価3~5円で受注すれば、需要はあるだろうか。

テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

【科学ドイツ語】 II 動詞 4-1 規則変化動詞1 zeigen (三基本形+現在人称変化)

【科学ドイツ語】 II 動詞 4-1 規則変化動詞1 zeigen(三基本形+現在人称変化)

II-4-1 規則変化動詞(弱変化動詞)の三基本形と現在人称変化 その1 zeigen(示す)


規則変化動詞(弱変化動詞)zeigen の三基本形は、zeigen - zeigte - gezeigt

不定詞(動詞の原形)は、原則として、語幹+語尾 -en の形である。
語幹は、zeigen から語尾の -en を取り除いた zeig-。
規則変化動詞(弱変化動詞)の現在人称変化では、原則として語幹は変化せず、語尾変化する。
過去基本形は、語幹+te、過去分詞は、ge+語幹+t

以下の表に zeigen の現在人称変化を示す。

zeigen 自動詞 示す | 他動詞 …を示す
単数複数
1人称 ich zeige wir zeigen
2人称 du zeigst ihr zeigt
3人称 man zeigt sie zeigen

例文II-4-1a (Organische Chemie, p. 483):
Zeigt eine Verbindung im nahen UV ein Absorptionsmaximum, so enthält sie eine CX-Mehrfachbindung oder eine bzw. mehrere olefinische Doppelbindungen.
化合物が近紫外に吸収極大を示す場合には、その化合物は、1個のCX多重結合または1個以上のオレフィン性二重結合を含む。


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ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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