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2020年前半の翻訳料金

会社以外の個人事業主としての翻訳の仕事は、時間のあるときに受注しているし、ほとんどがチェッカーとしての案件だ。
チェックをしているということは、同じ件数の翻訳案件があるということだ。
COVID-19 の影響が気になる人もいるので、今年前半6か月の売上を公開しておこう。

売上が確定するタイミングは、翻訳会社によってまちまちなので、あまり細かいことは気にせず、売上が月ごとに変動することに注目してほしい。
消費税や源泉所得税は無視して、原稿料だけ示した。
また、US$建ての場合は、カッコ内に日本円換算値を示した。

売上確定月 2020年1月   2月   3月    4月    5月     6月
国内A社   1,400円     1,400円   7,200円    4,200円  1,400円   11,200円 英日・日英・独日チェック
国内B社   16,500円   22,000円   5,500円    13,750円  3,850円     11,000円 英日ポストエディット

海外C社   $89.06   $566.19  $138.36      $315.03   $63.98   $259.74  独日翻訳・チェック
       (9,445円)  (60,259円)  (14,642円) (32,722円) (6,887円)  (27,205円)

海外D社    -     -    -    -      84,229円 46,339円 独日チェック
 
日本円換算計 27,345円 83,659円 27,342円  50,672円  96,366円  95,744

毎月の変動は、いつもこの程度はあるので、COVID-19 の影響が加わっているかどうかはよくわからない。
参考にならずに申し訳ないが、はっきりしているのは、取引先は複数あった方がよいということだ。

例えば、海外C社の5月売上は7千円未満だったが、5月に海外D社と取引を開始して8万円を超える増加となった。
このおかげで、設定予算の月3万円をクリアできた。
今後の受注状況を見てからだが、国内B社の英日ポストエディットをやめてもよいかもしれない。

また、ドイツ語翻訳をする人は、海外翻訳会社との取引を考えた方がよいだろう。
ドイツ語翻訳者の中には、日本に住んでいながらも、ヨーロッパの時間帯で作業している人もいる。
日本時間の午前1時に問い合わせメールが来ることもあるからだ。

国内でもドイツ語翻訳の仕事はあるが、ドイツ語圏に近いヨーロッパの翻訳会社の方が取扱い件数は多くなる。
国内A社は、ドイツにヨーロッパ支店を持っていたので登録した。
主に日本企業の現地法人からドイツ語和訳の案件が年に5~10件あったが、2年ほど前から激減した。
今年5月に久しぶりにドイツ語和訳1件の打診があったものの、時間がないのでチェックに回った。

それで、海外2社とフルタイムで取引して、ドイツ語和訳でどれだけの収入になるのか概算すると、月15万円~30万円ではないかと思われる。

7月分は既に約6万円が確定している。
これで Trados の更新が必要になっても対応できるし、PC更新の積立も順調に継続できることだろう。

テーマ : SOHO・在宅ワーク
ジャンル : ビジネス

ドイツ語:可能の表現 in der Lage sein, zu 不定句

今日から始めたドイツ語和訳チェック案件は、納期が来週なので7月の売上となる。
マッチ率による割引があるので計算が面倒だが、概算で$170はもらえそうだ。
これで8月末の PayPal 残高が約$500になるので、日本円にして引き出す予定にしておこう。

今回の案件は油圧装置の説明書であるが、一般のドイツ語学習者も知っていて損はない表現が出てくる。

in der Lage sein, zu不定句 …が可能な状況にある,…をすることができる

これは可能を表す表現で、助動詞 können の書き換え問題として、ドイツ語検定2級の過去問に出てくるそうだ。

また、前述の内容を受けて、dazu in der Lage sein という表現もある。

頻出とまでは言えないかもしれないが、新聞記事や特許でも見たことはあるので、覚えた方が得をする基本表現だと思う。

可能の表現では他に、事物が主語の場合は、sich4 不定詞 lassen もある。
この表現は論文でよく見る。

今回の翻訳者は、残念ながら「…の位置にある」と誤訳してしまった。
説明書に出てきた表現は dazu in der Lage sein の方で、zu 不定句ではなかったので、勘違いしたのかもしれない。

もし誤訳してしまっても、文脈に合わないと感じたら、念のため辞書を確認したいものだ。

テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

機械が完璧に動作すると信じない方がよい

機械は故障するものだと、私は思っている。
確かに信頼性は向上しているが、定期的なメンテナンスを怠ったり、仕様書とは異なる条件で使用すると、不具合が発生するのは常識だと思っていた。

設定条件が間違っていたなど、ヒューマンエラーが原因のこともあるが、プリンターやコピー機の紙詰まりなど、ある確率で生じる、不運としか言いようのない不具合もある。

それでも以前に比べれば、異常を感知するとすぐに停止してエラーメッセージが出るので、紙がぐちゃぐちゃに引き裂かれて絡まるようなことはほとんどなくなった。

確かに私も、PCのハードディスクエラーで原稿が消えたときは、そのメーカーの製品など二度と買うものかと思ったこともある。
CATツールを導入した当初は、原因不明のエラーでクラッシュが続き、毎日何度も再起動するという不愉快な経験もした。

それでも、機械は完璧ではなく壊れるものだ、という前提なので、八つ当たりする暇があるなら、すぐに対処行動に移るべきだと思っている。

鉄道で自動改札機が初めて導入されたとき、切符が途中で詰まって停止する不具合が相次いで、乗客から嘲笑されていた。
その後、改良されて不具合は減少したものの、それでも切符が濡れていたり、折れているとエラーとなる。

また、カードのタッチ式では読み取りエラーなどの他の不具合が発生しているが、「約1秒しっかりとタッチする」ことで回避できる可能性が高い。
実際には1秒未満でも読み取ることが多いが、急いでいる人は、そのコンマ何秒すら待てないのかもしれない。

通勤時間帯に私の前の人が読み取りエラーとなり、改札から出る人の流れが滞ったとき、私の後にいたオジサンは、「急いでいるのに何だコノヤロー」と怒鳴っていた。

このオジサンは、どんな時でも機械は完璧に自分の都合に合わせて動作すると信じているのかもしれない。

銀行のATMでも、以前よりは減ったが、折れた紙幣を入れると不具合が生じる場合がある。
そして昨日、ある銀行のATMコーナーで、折れた紙幣を入れたところATMが停止してしまった高齢者が、到着したメンテンナンス担当者に怒鳴っていた。
「札が折れたくらいで止まるのか。ふざけんな! 金返せ!」と。

不具合発生から担当者の到着まで時間がかかったことも、怒りを増幅させたのかもしれない。
または、「機械の分際で俺に札をきれいに伸ばして入れろと命令するのか」と反発していたのかもしれない。

ATMで入金するとき、画面に表示される注意事項には、紙幣のしわや折り目を伸ばしてから揃えて入れるように書かれている。
例えば、次の YouTube の説明動画で、40秒前後のSTEP4を参照してほしい。
www.youtube.com/watch

しかし、すべての注意事項を熟読してから使う人はほとんどいないし、機械は完璧に動作すると信じ込んでいれば、余計に腹が立つのだろう。

機械は便利なので、信頼性を向上させる努力は続けても、不具合がゼロになることはないと理解してほしい。
機械が期待通りに動作するためには、最適条件で使うように、人間側も配慮するという共同作業の意識が必要ではないか。

まあそれでも、機械の不具合で怒鳴り散らす人がいるので、開発者は高度な製品を作り出せるのかもしれないが。

テーマ : 今日の出来事
ジャンル : 日記

スルガ銀行ANA支店での積立定期を再開することにした

ANAマイルをコツコツ貯めるために、スルガ銀行ANA支店の口座を利用していた。
毎月70マイル程度で少なかったが、出張で飛行機を使うのは2年に1回くらいだったので、少しでも増えればよいかなと思っていた。

しかし、シェアハウス関連融資の不祥事後、定期預金と積立定期を解約して他の銀行に資金移動した。
保険や公共料金、確定拠出年金の口座振替も他の銀行に移した。
VISAデビットも最初に作ったのに、不祥事発覚後は1回も使っていない。

ただ、今年になって、シェアハウス関連融資債権の第三者への譲渡も完了し、コンプライアンス推進を含む中期経営計画も進んできた。
また、自転車関連の融資など、面白い提案もしているので、積立定期から再開しようと考えている。

弟への仕送りが続く間は、それほど余裕はないが、それでも5月と6月の個人事業主としての翻訳料金は、いずれも10万円を超えているので、一部を積立定期にしてもよいだろう。

US$建ても含めて2か月で約21万円の翻訳料金収入となっているが、今後のPC更新費用と Trados のアップデートのために残しておかねばならないので、全部使うわけにはいかない。

一番希望しているのは、スペシャルギフト付き定期預金とマイル付き定期預金だが、どちらも10万円以上だ。
今年は積立定期の再開から始めて、来年の確定申告後に10万円を確保して定期預金にしよう。

中断した自動積立定期の契約は、インターネットバンキングで再開することはできない。
支店窓口で本人確認してから、所定の手続き後に再開できる。

中断しているのは毎月指定日の口座振替であって、都度入金の預入は可能だ。
だから、翻訳料金が予算よりも多く入金したときに、一時的に預けるという選択肢もある。
それでも、コツコツ積立投資の基本として、毎月一定額の設定を復活させたい。

ということで今日の午前中、有給休暇を取得して歯の定期健診をした後、駅前の支店に寄って手続きをした。
金額は、とりあえず最低の毎月5千円に設定した。
手続きに要する期間は一定しないとのことなので、再開希望を8月とした。

毎月5千円を積み立てる余裕があるなら、NISAで投資信託を買うか、小規模企業共済の掛金を増額した方が節税になるかもしれない。

ただし、冷蔵庫などの家電更新費用や、転居する場合の資金も必要なので、元本確保の定期預金で残しておくことを優先したい。
キャンペーン金利の定期預金もあるが、増やすというよりは、臨時の出費のために残しておくという意味合いが強い。
ボーナスがゼロになる可能性も考えて、まずは100万円を目標に地道に積立しよう。

安倍晋三首相に「種の起源」の絵本を贈ろう ⇒ 二階幹事長にも

(最終チェック・修正日 2020年06月24日)

自民党公報がツイッターで、ダーウィンの進化論を誤用した言い回しを使って、憲法改正の必要性を訴えているそうだ。
そして多くの人々が、その無知を批判する投稿をしている。

朝日新聞の取材によると、「憲法改正について、国民の皆様にわかりやすくご理解していただくために、表現させていただきました」とのことだ。
www.asahi.com/articles/ASN6Q6674N6QULBJ00V.html

しかし、生物の進化や多様性を考えるための学説が、どうして憲法改正に関係するのか、その説明はないようだ。

自民党としては小泉郵政改革の頃から、知的レベルが低いと分類された層、いわゆるB層をターゲットにして世論誘導をしているようなので、詳しい説明などせずに有名な科学者の名前で権威付けして、なんとなくそんな感じだという雰囲気づくりをしているだけだろう。

私が好きな岩波書店は、そのような勘違いをしてしまう人向けに、進化論についてわかりやすく解説した絵本を紹介している。
以下に示したツイッターを参照してほしい。



勝手な推測で申し訳ないが、安倍晋三首相は嘘ばかり言うし、憲法の勉強もしていないし歴史も知らないし、読めない漢字も多いようなので、自分で専門書を読んで進化論を勉強したことはないだろう。

いきなり難しい進化論の専門書を読んでも理解できそうにないので、岩波書店が親切に推薦してくれた、小学3年生からおとなまで楽しめる絵本、
ダーウィンの「種の起源」を誰かプレゼントしてはどうだろうか。
www.iwanami.co.jp/book/b442802.html

原著を読まなくても、優良な解説書が入手できるのは幸せなことだ。
それに、海外で出版された外国語の書籍であっても、翻訳によって日本語で読めるのも幸せなことだ。

翻訳者のおかげで日本語で様々な知識を得られることを、日本人はもっと感謝してもよいのではないか。
「日本はすごい」と言いたいなら、誰かが主張する「民度」ではなく、世界中の知的財産に日本語でアクセス可能にしていることを挙げてほしい。

通常国会も終わって日曜日は自宅にいるようだから、安倍首相はゴルフに行かなければ、本を読む時間がたくさんあるだろう。

念のために明記しておくと、この本はおとなも楽しめる絵本であり、決して安倍首相が小学3年生レベルだと言いたいわけではない。

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テーマ : 博物学・自然・生き物
ジャンル : 学問・文化・芸術

ドイツ語多義語に注意: Funktion(機能、役職) 再び

2004年11月、派遣社員のときに収入を増やすため、そして定年後の準備のための副業として、ドイツ語フリーランス翻訳者を選んだ。
ドイツ留学をしたとは言っても、実験室での会話がほとんどだし、化学論文ばかり読んでいたから知識は偏っていた。
それでも翻訳の仕事を通じて様々な分野のドイツ語に触れながら、コツコツと実績を重ねて能力も向上させてきたと思う。

専業翻訳者になる前から、チェッカーとしての案件も受注するようになった。
他人の翻訳をチェックできるほどお前はそんなに偉いのか、と言われそうだが、化学研究者の性格なのか、細かい部分にも留意して調査を欠かさない点は評価されていると思う。

このブログでは、チェック時に遭遇した誤訳などを紹介しているが、それは自分でも誤訳をしないようにと戒めるためでもある。
また、雑誌記事のアンケートでも回答したように、機械翻訳と同程度のエラーを含む翻訳が納品されるケースの実例を紹介して、翻訳者が足りない現状を知ってもらうためでもある。

今月受注したドイツ語和訳チェック案件では、多義語 Funktion の誤訳に再び遭遇した。
2月の記事では、人事関係の書類で、Funktion役職ではなく、数学用語の関数と誤訳している例を紹介した。
今回は別の翻訳会社からの案件で、同じ文書中で、Funktion機能役職の両方の意味を区別できていない誤訳例である。

今回の案件は、ある医療機器の動作確認検査に関する報告書のドイツ語和訳である。
ワード数が多いので翻訳者2名が担当し、私が用語統一も含めてチェックすることになった。

そして、その2人の翻訳者が同様に誤訳したのが、Funktion である。

機器の動作確認検査をしているので、検査項目に Funktion機能があるのは当然だ。
ただし、もう1つ、文書作成者や検査担当者の名前などを記した一覧にも Funktion が出てきた。
記載事項を確認すると「品質保証マネジャー」などとあるので、当然ながら役職だ。
しかし、2人とも機能と誤訳していた。

今回の誤訳は、CAT ツールの弊害の1つではないかと思う。
CAT ツールを使っていても、原文の PDF を並べて確認しながら和訳していれば避けられたはずなのだが。

過去案件の翻訳メモリをそのまま使用する場合、Funktion の和訳として「機能」のみが登録されていると、和訳候補として当然ながら「機能」のみが表示され、未登録の「役職」が表示されることはない。

それに加えて、翻訳メモリにある和訳が自動入力されてしまうと、原文 PDF を確認することなく、安易に確定ボタンを押してしまう可能性も高い。

更に面倒だったのは、納品前の QA チェックを行うと、「Funktion の訳に一貫性がありません」というエラーメッセージが出たことだ。
それで、エラーメッセージの無視を選択するだけではなく、「機能」と「役職」を区別していることを説明するコメントを、日本語を知らない関係者にもわかるように英語で作成しなければならない。

チェックでこのような事例に出会うことで、自分の翻訳作業を見直すきっかけにもなる。
CAT ツールを使うと便利なこともあるが、常に原文を並べて文脈を確認することも必要なのだ。

今後、機械翻訳が力をつけてくると、同様に鵜呑みにする翻訳者が増えるのかもしれない。
ツールが発達しても、翻訳するのは人間であることを忘れないようにしたい。


(最終チェック・修正日 2020年02月04日)春節も終わり、海外の翻訳会社の中国支社も営業を再開している。ということで、今日もドイツ語和訳のチェック依頼のメールが届いた。2000ワード程度のチェックならば、平日の夜でもできるので、受注することにした。ファイルサイズが大きいため、メール添付できないとのことで、ウェブ上のファイル転送サービスを使っていた。アクセスすると、Trados のパッケージではなく、Trados で...
劣悪な翻訳メモリの話: 人事評価文書のドイツ語和訳で Funktion(役職)を「関数」にしないでほしい

テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

「世界難民の日」に寄付について考える

今日6月20日は「世界難民の日」
国連難民高等弁務官事務所のサイトは次のリンクから。
www.unhcr.org/jp/wrd2020

今日は難民への連帯を示すために、東京スカイツリーなど、各地のランドマークが国連カラーの青色でライトアップされる。
東京スカイツリーは20時から22時まで青くライティングされる。
SNS で写真などがアップされるだろうから、これから探してみよう。

このようなイベントもあって、難民支援への理解を深めようとしているが、なぜか報道は少ない。

一部の新聞では、日本に滞在して難民認定を申請している人たちのことが記事になっている。
例えば、朝日新聞の次の記事を参照してほしい。
www.asahi.com/articles/ASN6M3QXKN6KUQIP01H.html

しかし、テレビニュースでは取り上げられることもなく、難民認定をしたくない日本政府の意向を反映しているのか、その厳しい現状を知る機会は少ない。

オリンピック・パラリンピックには難民選手団が参加予定だが、難民を迫害する日本が開催国というのはブラックジョークでしかない。

個人でできることの1つと言えば、寄付金が挙げられる。
また、難民支援に協力している企業の商品を購入すると、売上の一部が寄付される場合もある。
ユニクロ・オンラインストアのキャンペーンは次の Twitter を参照してほしい。



私はベビー用品を買わないので、他のキャンペーンを探すか、直接寄付を申し込もうと思う。
毎月の口座引き落としでの寄付金は3000円だが、いつも年に2回ほど臨時で寄付をしている。

今年は5月から新たに海外翻訳会社1社と取引を始めて、今月末には8万円を超える翻訳料金が入金予定だ。
オンライン辞書の使用料や書籍費、そして教会の夏季献金もあるが、最低でも1万円を寄付する予定だ。

弟への仕送りがなければもっと寄付できるが、ボーナスがゼロの場合も想定して、あまり無理はできない。
今月の売上は4社で10万円を超えそうなので、8月初めにもう一度寄付金額を検討することにしたい。

テーマ : 寄付・ドネーション
ジャンル : 福祉・ボランティア

「アベノマスク」の危険性について(日経スタイル)

5月29日に「アベノマスク」が届いたが、開封せずに保管している。
付着ゴミなどの確認をしていないが、製造現場の衛生環境が不明なので使うつもりはない。

不良品の報道があってから、検品作業を厳しく行っているという話だが、もし使うならば、最低1回は洗浄・消毒をしなければならないだろう。

医療用ではないから気にするなと言われそうだが、不衛生な可能性もあるものを、あえて使う気にはならないし、誰かに寄付するわけにもいかない。

そして6月16日の日経スタイルに、『アベノマスク』の危険性という記事が掲載された。
興味がある人は、次のリンクから読んでほしい。
style.nikkei.com/article/DGXMZO60088530Y0A600C2000000

記事には、ゴミや小昆虫が混入したアベノマスクの写真が掲載されている。

【医療従事者として市民のみなさんに「健康を守るために言えるアドバイス」としては「アベノマスクは絶対に着用すべからず」ということです。医療現場では、清潔を担保できないものは使用しません。一般だからそこまで厳密にしなくてもいいのでは、という考えもありますが、さすがにゴミや虫がいるとわかっているマスクは、もはやマスクの体をなしていません。】

新自由主義経済のアベノミクスでは、国民の健康は優先されない。
社会保障費には無駄があるかもしれないが、命よりも経済を優先する政府を信じてはならない。

補正予算の配分を見ても、仲良しにお金を配っていて、医療や雇用を守ろうという積極的な意志は感じられない。
確かに、ゾンビ企業を延命させる必要はないかもしれないが、優良企業まで共倒れになっては経済回復もない。

「アベノマスク」とは、国民の生活や健康を軽視する政府の象徴なのだ。
だから、ありがたいと思ってはならないし、不衛生なものを寄付して誰かに押し付けてもいけない。

もし時間があれば、もらったアベノマスクを顕微鏡で観察してみようと思う。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

ドイツ語和訳で 5'000 を 5,000 にしたら 5'000 に直された

翻訳をしていて困ることの1つに、クライアントからの情報が足りないことがある。

時間があれば、疑問点について問い合わせて判明することもあるが、納品後に、実はこうしてほしかったという修正依頼が来ることもある。

今月経験したのは、数字の桁区切りの方法である。

スイスの工作機械メーカーのカタログについて、ドイツ語和訳に加えて、他の翻訳者が担当した和訳のチェックを受注した。

カタログなので、製品の性能や技術的なデータについて数値が書いてある。
スイスのメーカーだから、例えば、5'000 というように、3桁ごとにアポストロフィー(’)で区切っている。
これを和訳するので、日本の表記 5,000 にした。

納品後、この数字の書き方ついて、QAチェッカーでエラーが出たというので修正依頼が来た。
「桁区切りはアポストロフィーを使うルールになっている」そうだ。

去年からこの工作機械メーカーの案件を継続的に受注して、数値書式のローカライズで、こんなことを言われたのは初めてだ。

それはスイスのルールであって、日本は違う。
日本でもスイスの書き方に慣れている人がいるかもしれないが、日本語版を作成するなら、日本の書き方にしてほしい。
それで、「日本では 5,000 と書く」とコメントして、修正せずに再納品した。

ところが、「社内ルールで 5'000 と書くことになっている」というフィードバックが来た。
コーディネーターからも、「日本の事情はわかるが、クライアントの指示に従ってほしい」と言われた。
日本語版なのに、日本の書き方などどうでもよく、次回からはスイスルールに従わないといけないようだ。

私がカタログを発行するわけではないので、これ以上反論しても無意味だろう。
ルールに従ってお金をもらうだけにしよう。

ついでに、このメーカーの日本語サイトにアクセスして、過去の日本語版カタログを確認してみた。
すると、カンマ区切りの 5,000 形式とアポストロフィー区切りの 5'000 形式が混在していた。
改訂した部分だけ新たに和訳するので、古い和訳が残ってしまい、混在しているのだろう。

また、重量の表記を見たら、0,310 kg と、小数点がカンマだった。
日本では小数点はピリオドで 0.310 kg と書くのに、これもスイス式ということだろうか。

私は過去の案件では、小数点をピリオドにして納品していたが、カンマに直されていたのだろうか。

ページ数が多すぎるスタイルガイドは嫌だが、こういったルールは最初に示してほしいものだ。

テーマ : SOHO・在宅ワーク
ジャンル : ビジネス

新素材LIMEXの分析値問題は解決したのだろうか

私は翻訳の仕事で、発表前の社内文書を目にすることもある。
決算や事業計画に関する社長メッセージの世界同時発表だったり、特許出願に関連する書類ということもある。

そのため、株式投資をするときは、絶対に担当しないであろう会社を選んでいる。
自動車、機械、医療機器、医薬、化学、バイオは絶対だめだ。

ボッシュやシーメンスが気になっても、プレシジョン・システム・サイエンスが注目されていても買えない。
売買時点でその会社の翻訳をしていなくても、内部情報を持っていなくても、疑われることは嫌だ。

それで、日本株で投資しているのは、ロック・フィールドとコンコルディアFGだけだ。
代わりに投資信託として、ドイツDAX30のインデックスファンドなどを定期積立購入している。

保有株の1つであるロック・フィールドでは、脱プラスチックを進めるために、7月以降に順次、バイオマスプラスチック製レジ袋とFSC認証紙袋を導入する。

6月15日のプレスリリースは次のリンクから。
www.rockfield.co.jp/newsrelese/175.html

WWF会員としては、特にFSC認証に興味があるので、1回だけ30円を払って入れてもらうかもしれない。
数年前のキャンペーンでRF1の布製エコバッグをもらっていたので、それ以降はエコバッグを使うことにしよう。

プレスリリースで気になったのは、簡易包装に使う袋の素材で、次のように書いてある。

【簡易包装に使用する袋も石灰石から生まれた環境に優しい新素材LIMEX(ライメックス)製に順次切り替えます。】

この新素材LIMEXは、何度かテレビ番組で紹介されていた。
紙のように印刷できるということで名刺に使ったり、水に濡れても大丈夫ということで屋外掲示物への応用もあった。

このLIMEXを製造販売している会社は、株式会社TBMで、会社ウェブサイトのリンクは次の通り。
tb-m.com/limex/

石灰石(炭酸カルシウム)と熱可塑性樹脂との混合物で、最近は植物由来のバイオマスプラスチックを混合している。

エコな製品として注目されているわけだが、「オルタナ」という雑誌に批判記事が出ていた。
炭酸カルシウム量が50重量%以上というのは嘘だという記事だ。
www.alterna.co.jp/30206

その指摘に対するTBMが発表した分析データは、次のリンクで公開されていて、炭酸カルシウム量は53重量%だ。
tb-m.com/wp-content/uploads/2020/05/20200504_tbm_release.pdf

TGAのデータで300℃から400℃付近の減量は、有機物であるポリマーの分解によるものだ。
その後、さらに昇温すると、炭酸カルシウムの分解による減量は、600℃付近から始まっていて、740℃付近で完全に酸化カルシウムになっている。

オルタナの記事にはTGAのチャートがないので比較できないが、第三者機関が測定とあるので正しいのだろう。
ということは、ロット間のばらつきが大きいということなのか、それとも納品後しばらく経過すると変化するのか。

できれば、工場出荷直後の同一ロットを使って、同じ試験所の同じ測定装置を使い、さらに最低3サンプルで試験してほしいものだ。

この分析値を巡る問題は、本当に解決しているのだろうか。
5月初めにTBMが回答してから、1か月も経過しているのに、オルタナ側の対応が何も報じられていない。
TBMの発表を信じるとしても、もう少しデータを集めてから、LIMEX製の袋を導入を決めてもよかったのではないか。

また、分析値は正しいとしても、このLIMEX製の袋を、自治体のプラスチックの回収に出せないのではないか。
LIMEXのリサイクルならば可能だが、他のプラスチックと混ぜてはいけないのではないか。
そのため、自宅ではゴミ袋として再利用して、燃やすごみに出すことになるのではないか。

LIMEX製品の回収ボックスについて、神奈川県内の設置状況は次のリンクで確認できる。
upcycle-consortium.com/

それで、そごう横浜店や高島屋横浜店で買い物する前に、横浜中央郵便局に寄って入れることになるだろうか。
RF1などでLIMEX製の袋を導入するならば、デパ地下の入口にも置いてほしいものだ。

ロック・フィールドから次回の株主通信が届いたら、株主アンケートに質問を書いて送ってみよう。

テーマ : つぶやき
ジャンル : 株式・投資・マネー

プロフィール

MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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