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チェッカーが見つからないのは料金が安すぎるからなのか

今週、海外翻訳会社から短いドイツ語和訳のチェックを頼まれた。
ただし至急案件だったためか、受注後に二転三転して、私が翻訳も担当して、そして自分の和訳を自分でチェックすることになった。

分量は約200ワードだが、翻訳メモリのマッチ率から、実質的に約100ワードであった。
ワード数で料金が決まり、英語よりも単価が高いドイツ語翻訳でも2000円にさえ届かず、チェックだと500円にもならない。

別の海外翻訳会社では、1ワードという案件も経験しているので驚かないが、最低ユニット料金を設定した方がよいのかもしれない。
つまり、翻訳ならば最低3000円、チェックならば最低1000円など。

チェック担当で受注した後、翻訳が終了するのを待っていたところ、コーディネーターからメールが来た。
理由は不明だが、代理で和訳してほしいという。
もしかすると、私をチェッカーとして確保してから翻訳者を探したが、見つからなかったのかもしれない。

翻訳者が見つからないならば仕方ないので、和訳を担当することにした。
私へのチェッカーとしての発注書はキャンセルされ、新たに翻訳としての発注書が発行された。
チェッカーは、別の翻訳者に頼んでみるとのことだった。

納品して安心していたところ、翌日になって、今度はチェッカーが見つからないというメールが届いた。
料金面で合意できなかったそうだ。
まあ、500円にもならない料金で、和訳のレベルもわからない案件は受注したくはないのだろう。

クライアントからは、チェック作業をした履歴がCATツールのログに残らなければならない、と言われたそうだ。

ということで、私が自分の和訳をチェックすることになった。
料金はワード数ではなく、時給計算で 0.25時間分となり、当初の2倍以上になった。
それでも1000円未満なので、チェッカーが見つからないのも納得できる。

恥ずかしいことに、数字の転記ミスが1箇所見つかった。
これを修正してから全セグメントを確定して、ファイルを納品した。

これで約2000円の収入増だ。
今週末にドイツパンの店に行く予定なので、その交通費を稼いだと思うことにしよう。

無理な案件は嫌だが、困っているときに頼りになる翻訳者でありたいものだ。

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続々 ドイツ語の多義語に注意: Ausdruck (表現、プリントアウト、式)

今月は自分の仕事でもドイツ語和訳を何件か担当している。
納期が近い案件があったので、そのうち1件を登録翻訳者に依頼して、いずれも受注することで売上を確保している。

この登録翻訳者は、CATツールを使わないとのことで、ワードのファイルのみが納品された。
その理由の詳細については、私は知らない。
CATツールの利点は理解しているそうだが、翻訳作業に悪影響が及んだ経験があるのかもしれない。

あるいは、CATツールを使う案件では、マッチ率に応じたディスカウントが適用されてしまうので、嫌な経験が多かったのだろうか。

CATツールを使わなくても、過去の経験があるのでチェックはできる。
ただ、フィルター機能などを使って、同じ表現を含むセグメントを並べて比較できるので、チェック作業はいくらか楽になる。

まあ、CATツールを使うかどうかよりも、翻訳の品質の方が大切だ。
誤訳は今のところ1箇所で、ひどいということはない。
ただ、あまりにも原文に忠実な直訳なので、読みにくい日本語になっている。
一緒に日独協会の講座を受講していればよかったなと思う。

時間外に受注している個人事業主としての翻訳では、主にチェッカーとして協力している。
最近、ノートPCが物理的エラーということで強制再起動するようになったので、PC更新費用を稼がないといけない。

前置きが長くなったが、その海外翻訳会社から受注したドイツ語和訳チェックで、今回もまたドイツ語多義語の問題に出会った。

今回の単語は、
Ausdruck で、辞書では語源が異なる2つを区別している(複数形が異なることに注意)。
小学館独和大辞典第2版から抜粋して引用しよう。


Ausdruck1 男 -〔e〕s / ..drücke 1 (英: expression) 表現. 3 [数学]  [< ausdrücken 表現する]

Ausdruck2 男 -〔e〕s / -e 2 b) プリンターからの出力,プリントアウトされたもの,(コンピューターなどの)プリントアウト [< ausdrucken プリントアウトする]

今回の翻訳対象は、人事関係のシステムの説明で、主にライセンス付与やパスワード保護などの情報セキュリティに関する文書だ。

原文をそのまま書けないので、わかりにくいかと思うが、次のような意味である。


Ausdruckは安全が確保されている」

翻訳者は、この Ausdruck をと和訳していた。

オリジナルの文書が添付されておらず、CATツールのセグメントの原文だけで判断しなければならないので、「式」と訳してしまっても仕方ないかもしれない。

それでも、数学用語がこの文書に最適であると判断したのは、どうしても理解できない。
人事評価の点数など、何かを計算する数式が一度も出てこないのである。

表示された翻訳メモリの過去訳を見ると、Ausdruck を
印刷
と和訳しているものがあった。

ということは、Ausdruck とは、人事関係のデータをクラウドサーバーから読み出して、それをプリントアウトしたものを指しているのだろう。

「印刷は安全が確保されている」とは、セキュリティ関係の文書だから、プリンターに印刷データを送る前にパスワードが要求されたり、プリンターのところに本人が行って個人認証をしなければ印刷が始まらない、ということを意味するのだろう。

「プリントアウト」でもよかったが、翻訳メモリの過去訳を尊重して、「式」を「印刷」に修正した。

修正後に、参考訳として添付されていた英訳を見て驚いた。
この Ausdruck が expression になっていたのだ。
英訳が誤訳なのか、私の修正後の和訳が誤訳なのか、それはクライアントからのフィードバックで判明するだろう。

機械も人間も、誤訳をするのだ。
どちらが偉いということもないのではないか。

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ジャンル : 学問・文化・芸術

翻訳料金の振込金額が多かった ⇒ 為替差益扱いとなりました

(最終チェック・修正日 2020年08月03日)

今年5月から取引を始めた海外の翻訳会社から、今日初めて翻訳料金を受け取った。
別の翻訳会社は PayPal であったが、この翻訳会社では TransferWise であった。

その送金通知メールの金額を見ると、5月末に作成した請求書の金額よりも707円多かった。
受取銀行口座の残高を確認すると、やはり707円多く振り込まれていた。

ということで、金額が多いことをメールで連絡した。
担当者が夏休みということで詳細は不明だが、次回の送金時に調整するのだろう。
年間の売上が変わらなければかまわないので、特に急ぐこともない。

【追記(8月3日):
この707円は、為替レートの変動によるものだと判明した。
送金依頼時点と、実際に日本の銀行口座に送金する時点とは一致しておらず、為替レートが異なるそうだ。
この707円は、帳簿上は為替差益として、ドル建ての翻訳会社と同様に、雑収入で処理することにした。
逆に為替差損となる場合もあるので、これもドル建ての翻訳会社と同様に、経費として処理することになる。】

このように、受け取った金額が多かった場合、気付いたならば相手に連絡しなければならない。
多いことを知ってそのままにすると、詐欺罪になってしまう。

振込金額が違うというのは、副業も含めて16年間やってみて、これで3回目だ。
多かったというのが今回も含めて2回あり、少なかったのが1回だ。

前回多かったときは、次の案件が発生していなかったので調整できないだろうということになり、ATMから手数料無料で振込をした。

少なかったときは、副業をしていた2006年のことで、これは関連会社間での請求書のやり取りが遅れたために、予定した振込日までに処理ができなかったケースだ。

最初に登録したA社の他に、その関連会社のB社とも取引をしていた。
それで面倒なことに、ドイツ語翻訳のコーディネーターは、A社とB社の両方で兼任していた。
どちらの案件なのかは、コーディネーターのメールアドレスを見るとわかるようになっていた。

その月はB社からの案件を数件受注していて、途中で1回だけA社の案件を受注した。
私は勘違いしていて、すべてB社の案件だと思って、A社の案件も含めた請求書をB社にだけ送ってしまった。

B社では請求書の内容の不備に気づいて、A社にも連絡したそうだが、手続きが遅れてしまった。
それで予定の送金日にはB社の翻訳料金のみが振り込まれた。
翌月にもらえたからよかったが、どちらの会社の案件なのか、依頼メールの文面からは判断しにくいのは困ったものだ。

ここまで書いて思い出したのだが、私が合計金額を間違えて、振込金額が少なかったことが1回あった。
エクセルで合計金額を計算するとき、一番上のセルを選択せずに処理していた。
1年後に翻訳会社から連絡があり、税理士の監査で払い忘れが判明したという。
私の計算ミスが原因ではあるが、その不足分はすぐに送金された。

人間は間違うものだということを再認識した。

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連休中は疑問点の問い合わせができない

世間は4連休ということで旅行に行く人も多いようだが、私は主にスーパーやドラッグストアでの日常の買い物だけにしている。
ただ、日曜日は都内の教会に行くので、電車の手すりなど、何1つ手に触れないように注意して移動しようと思う。
都内で食事をするつもりもないので、いつものようにスーパーで惣菜を買うことになるだろう。

どこにも行く予定がないので、日英翻訳のチェックを受注した。
予算では10時間程度を見積もっているようだが、いつも半分程度の時間で終わっているので、料金は1万円にもならない。
それでも、今週購入する書籍の費用になったと思うことにしよう。

連休明け月曜日に納品ということで、疑問点があっても連休中はコーディネーターに連絡できないし、クライアントも休みだから、未解決のまま納品することになる。

ということで、とりあえず納品してから、記載したコメントを確認してもらい、クライアントからの回答があれば、修正することになった。

そして予想通りと言ってよいのか、クライアントに確認する必要がある疑問点がいくつか見つかった。
翻訳者も判断できずにコメントを残している。

そのうち半分以上が、登録商標の英語表記がわからないというものだ。
その企業のウェブサイトを見ると、日本語サイトには商標や登録商標の一覧が出ている。
しかし、英語サイトには商標などを説明するページが存在しない。

海外でも販売していて製品カタログもあるが、製品コード番号のみで、なぜか英語名が載っていない。
検索を続けると、製品ロゴマークが英文字表記になっていたので、一部は判明した。

しかし、残りのうち1つについては、英語サイトに載っている名称が誤訳ではないかと疑っている。

その商標を書けないので、最初の一文字だけ示そう。
カタカナので始まる名称なのだが、英語サイトではBu...で始まる名称になっていた。
その英訳を担当した翻訳者は、と誤認して、その製品の特徴を反映しない英単語を使った、存在しない名称を書いてしまったようだ。

この案件のチェックは、私は担当していない。
誰かのチェックをすり抜け、そしてクライアントの検品もすり抜けて、企業ウェブサイトに載ってしまった。

今回の翻訳者は、この誤訳ページを引用していた。
私にも判断できないのだが、とりあえずその製品の特徴を考えて、Pa...で始まる英単語が相当するのではないかと推測して修正した。
そして、英語サイトに誤訳があるかもしれないと、クライアントに確認してもらうようにコメントを付けた。

この英単語は辞書にも載っている普通の名詞で、その発音をカタカナ表記にすると「ペイ」または「ペー」になると思われる。
しかし、それでは登録商標にできないのか、日本語では、わざと「パ」で始まる名称になっている。

今回の疑問点はすべて、翻訳者にはどうしようもないものだ。
その会社の製品名の英語表記を勝手に作るわけにもいかない。
過去の英訳も含めて、社内で一括して修正してもらいたい。

この会社の技術レポートの英訳チェックでも、一般的ではない社内用語で苦労することも多かった。
今回もまた、まいったなという感想しかない。

明日の夜に納品して、回答を待つことにしよう。

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病名や骨・臓器の名称は覚えられない

2年間のドイツ留学中には病気にもならず、怪我もしなかったので、病院で使うドイツ語も英語も、ほとんど覚えることはなかった。

ただし正直に言えば、カナダ・バンクーバーでの国際会議に行く直前にぎっくり腰となり、バレーボールチームの知り合いが勤務する薬局に行って塗り薬をもらった。

日本だとインドメタシン入りの塗り薬が売られているが、質問してみると、ドイツでは注射剤になるそうだ。
ということで、イブプロフェン入りの塗り薬をもらった。

ぎっくり腰は、ドイツ語では Hexenschuss(魔女の一撃)である。
これは俗称で、腰痛症という名称は、ラテン語由来の Lumbago であるが、魔女の一撃の方が突然の痛みという気がする。

「急性」を付け加えると、akuter Hexenschuss

英語も調べてみると、ラテン語由来の lumbago は同じだが、日常語の表現は low back pain

自分が経験したぎっくり腰ならば覚えられそうだが、他の様々な病名に加えて、骨や臓器の名称は覚えられない。
ドイツ語では日常語を使うこともあるので想像できるが、特に英語はラテン語由来なのでほとんど覚えられない。

私は理系の翻訳者ではあるが、化学が専門なのであって、医学分野の仕事では勉強しながら翻訳している。
医薬の特許で化合物の合成法の話ならばすぐに理解できるが、治療対象の病名が列挙されていると1つずつ調べないと自信がない。
その仕事をしている短期間ならば、いくつかは覚えていることもあるが、納品後は忘れてしまう。
だから類似案件を作業しても、また最初から調べることになる。

間違って覚えてしまうと大変なので、毎回調べてもかまわないと思うが、主な病名だけではなく、骨や臓器の名称は覚えたいものだ。

医学関係の翻訳者はどうしているのだろうか。
とりあえず知り合いの医師に質問してみようと思う。

テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

社内のみ通用する略称を使った実験ノートは証拠書類になるだろうか

翻訳をしていて困ることの1つに、社内用語がある。
一般的に使われている装置や部品の名称、そして操作方法などでも、その会社だけの意味で使っていることもある。
親切なクライアントは、「〇〇とは~という意味」という一覧表を付けてくれることもある。

それはまれなケースで、参考資料が何もないことが多く、納品後に「社内で使っている用語と違う」ということで、追加料金なしで修正を依頼されることもある。

一度就職すると定年まで働くことが当然と思っている人は、社内用語ばかり使っていて、正しいと思い込んでいるのだろうか。
まあ、学会ごとに専門用語が違うこともあるので、縄張りというのか、その組織特有の用語や解釈が生まれるのだろう。

ポスドクや派遣社員として各地を転々とした私にとっては、その組織特有の略称や呼称というのは理解できずに苦労した。
同じ化学の研究をしているのに、実験ノートを見ても、使っている薬品や溶媒が理解できないこともあった。

あるグローバル企業の研究所で派遣社員として働いたとき、実験内容を記したメモで、溶媒名が「AN」という略称で書かれていて困惑した。
その実験を指示した上司に質問すると、「我が社ではANとはアセトニトリルのことだ」と説明された。
他にも主な溶媒には、工場も含めて会社内でのみ通用する略称を付けているという。

化学論文で使われる溶媒や試薬の略称は様々あるが、それまでの研究経験で、アセトニトリルをANと書いた事例は見たことがなかった。

社内用語を変えることは無理なので、私の実験ノートには「CH3CN」または「MeCN」と書いて、誰でもわかるようにした。

このとき思ったのは、社内用語で書いた実験ノートは証拠書類として有効なのかどうか、ということだ。

論文でも特許でも、記載内容に疑義が生じると、オリジナルの実験ノートや測定データなどの提示が求められることがある。
溶媒名が問題になることはほとんどないと思われるが、一般には通用しない社内用語で記録した場合に、「この略号はこういう意味だ」と説明しても、紛争相手に信じてもらえるだろうか。

独自開発の触媒などに略称を付けたとして、実験ノートの最初のページに対応表などを添付しておかないと、証拠書類としての効力は弱くなるのではないか。

そのような理由から知財関係の部署が指導しても、定期的に研修したり、実際に実験ノートの点検をしなければ、現場では楽な方を選ぶだろうから、改善しないかもしれない。

論文の撤回事件では、実験ノートの記載の不備が問題になったこともある。
特許でも同様の事例はあるのかどうか、時間があれば調べてみよう。

テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

4連休中にドイツパンの店に行ってみたいが

これは個人的意見だが、ドイツ留学経験者のほとんどは、ドイツパンが好きになるのではないか。
小麦の丸いブロートヒェンもおいしいが、スライスしたライ麦パンのオープンサンドイッチが特に好みだ。

帰国してからはドイツパンの専門店が近くになかったので、年に何回か通販で取り寄せたこともある。

東京も含めて、横浜市とその近隣にはドイツパン専門店があるのだが、日常の買い物の行動範囲からは外れるので、毎週買うというわけではない。
フランスパンがメインの店でもライ麦パンを置いていることがあるので、特にこだわりがなければ十分だ。
それにCOVID-19 の流行で外出しなくなったので、ドイツパンを買いに行きたいとも思わなくなってきた。

そんな気分の今日、神奈川新聞では、4月に三浦市に開店したドイツパンの店が紹介されていた。

ベッカライ・ゾンネンキントのウェブサイトは次のリンクから。
www.sonnenkind-miura.com/

マグロバーガーも面白そうだが、私はライ麦サンドを食べたい。

去年の今頃は、鎌倉・葉山に風景印集めのサイクリングに行っていた。
そのときの走行距離を考慮すると、このパン屋ならば、無理すれば日帰りも可能だ。
無理せず電車とバスで行って、三浦のマグロを食べるために、一泊してもよいかもしれない。

京急で三崎口駅まで行ってから、電動自転車をレンタルしてもよいだろう。

平日であれば、京急を使って、帰りに横浜市金沢区にあるワインブティック伏見に寄って、ドイツワインも購入できて一石二鳥ではないだろうか。
winecom.jp/

この4連休中に行ってみたいのだが、日英翻訳のチェックを頼まれたので、25日しか空いていない。
まあ無理せず、8月以降に有給休暇を取って、ライ麦サンドを食べながら、海を眺めてのんびりしてみたいものだ。

テーマ : パン
ジャンル : グルメ

最先端の無料翻訳エンジン「DeepL」(AERA2020年7月27日増大号)

(最終チェック・修正日 2020年07月25日)

今日は仕事が終わってから、すぐに駅近くのセブンイレブンに向かい、本日発売のAERAを購入した。
機械翻訳のDeepLに関する記事が載っているからだ。
publications.asahi.com/ecs/detail/

【追記(7月25日):
記事の抜粋が dot.asahi.com に掲載されている。
dot.asahi.com/aera/2020072100026.html
dot.asahi.com/aera/2020072100060.html

最先端の無料翻訳エンジン「DeepL」
グーグル超えた流暢さ


一般向けの記事なので、翻訳者にとっては物足りない気もするが、関西大学の山田優教授が評価をしているので参考になるだろう。

正確さと流暢さを両立するということで、ニューラル機械翻訳に対する期待が高まっているが、「人間が犯しずらいミス」をすることも書いているので、機械翻訳礼賛でもなく、アンチ機械翻訳でもない、ある程度バランスの取れた記事だと思う。

文法や語彙力ならば TOEIC 950点程度の能力と高評価なのに、人間の常識ではあり得ない誤訳をするという、二面性についても説明している。

以前も「英語教育」の記事紹介でも書いたように、人間の常識をすべて機械に教えることは不可能である。
加えて、主語と目的語が入れ替わることもあるため、機械翻訳の出力が正しいかどうかを、最終的には文意を理解している人間が判定しなければならない。

山田教授によれば、「……最終チェックができる人間と組み合わせればものすごい速さで正しい情報を出すことができるはずですとのことだ。

ポストエディットという言葉は出てこないが、これからの翻訳者の働き方の1つとして定着するかもしれない。

そして、次のようにも指摘している。

「……機械翻訳が日常的に使われる社会になりつつあるいま、ユーザーの側にも基本的な言語リテラシーがこれまで以上に必要になってくると思いますと。

全員に求めることはないが、英語だけではなくマイナー言語も含めて、これまでの翻訳者養成に加えて、機械翻訳の出力を判定できる人材の養成を真剣に考える必要があるのではないか。

旧帝大でもグローバル企業でも、受験勉強では頑張ったのだろうが、英語論文を読めない人はいた。
単語の意味を1つずつ辞書で調べることはできても、逆の意味に誤解していたり、内容を要約できない人もいた。
読めないのだから英語論文を書くこともできない。

今後は、機械翻訳を利用して仕事のスピードアップをする人と、機械翻訳の出力を鵜呑みにするしかない人に分かれるのかもしれない。

以前も書いたが、日本人で翻訳人材を確保できない場合、例えば、ヨーロッパの大学で翻訳学修士を取った人材をスカウトすることになるかもしれない。

テーマ : 英語
ジャンル : 学問・文化・芸術

翻訳用ファイルが読み込めない

私が副業翻訳を始めた2004年当時は、CATツールを使わない案件が多かった。
原稿がワードやPDFで提供され、それを見ながら和訳をワードに打ち込んでいた。
用語統一には苦労していて、数ページの案件でも、毎回エクセルで単語帳を作成しながら作業していた。

CATツールを最初に使ったのは、外資系企業と直接取引を始めた2009年になってからで、Idiom WorldServerだった。
クライアントからソフトもライセンスも付与されたので、高価なTradosを購入しなくて済んだので助かった。
翻訳メモリで過去の翻訳を参照でき、用語統一も楽になったので、ワード数が多くても作業がはかどるようになった。

その後、登録した翻訳会社の都合でMemsourceを使うようになり、個人事業主になったときにTradosを購入した。
海外の翻訳会社に登録すると、MemoQとAcrossを使うようになった。
今では90%くらいの案件でCATツールを使っている。

Trados以外はライセンスを付与されて無料で使えるので、経費がかからずよかったと思っていた。
ただ、サーバーから翻訳用ファイルがダウンロードできないなど、月に最低1回はトラブルに遭遇している。

MemoQでは、CALライセンスがないというエラーが多い。
アクティベーションを試みても無効ということもあった。
ログイン情報を一度消去してから、再度ログインを試みてもだめだった。

コーディネーターからの指示で、以前CALライセンスが付与されていた別のサーバーに一度ログインしてから、クライアントのサーバーにログインすると、なぜかプロジェクトをチェックアウトできて、翻訳ファイルがダウンロードできた。

海外の翻訳会社2社でMemoQを使っていて、それぞれCALライセンスが異なることが原因なのかどうかは不明だ。
理由はよくわからないが、うまくいった方法でこれからも対処することになるだろう。

また、Acrossのデスクトップ版では、今週受注した案件で、サーバーからファイルをダウンロードできなくなった。
代わりにパッケージが送られてきたので、それを直接読み込んだが、ファイルを開いても何も表示されなかった。

Acrossを再インストールするという話にもなったが、新しく作成したcapファイルを使うことになった。
新しいcapファイルからログインすると、今度はファイルがダウンロードできた。

翻訳を開始できたからよいが、このやり取りで約1時間を無駄にしてしまった。
CATツールは便利なのだが、不具合で仕事を開始できないときは生産性が低下してしまう。

数十ワードの短いもので数時間以内に納品だと、不具合の解決に時間をかけるよりも、以前のようにPDFの原稿を見ながらワードに和訳を打ち込む方が早い。

PCが使えなくなった場合も想定して、いつでも紙ベースでの仕事に戻れるように心の準備をしておくことも、リスクマネジメントの1つかもしれない。

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【科学ドイツ語】 II 動詞 4-8  規則変化動詞8 studieren (三基本形+現在人称変化)

【科学ドイツ語】 II 動詞 4-8  規則変化動詞8 studieren (三基本形+現在人称変化)

II-4-8 規則変化動詞(弱変化動詞)の三基本形と現在人称変化 その8 studieren (大学で勉強する)


規則変化動詞 studieren の三基本形は、studieren - studierte - studiert
語尾が -ieren で終わり、語末にアクセントがある主に外来語の動詞では、過去分詞で接頭辞 ge- が付かない

addieren 加える
dotieren (元素を)ドープする
reagieren 反応する
realisieren 実現する
studieren 自動詞 大学で勉強する,専攻する,研究する / 他動詞 (大学で…を)勉強する,専攻する,研究する

語尾が -eien で終わり、語末にアクセントがある外来語動詞も、同様に過去分詞で接頭辞 ge- が付かない。

prophezeien 予言する,予告する (過去)prophezeite
、(過去分詞)prophezeit
konterfeien 肖像を描く,模写する
maledeien 呪う
benedeien / benedizieren 祝福する,たたえる benedeien は雅語。過去分詞は gebenedeit を使うこともある。特に名詞化の場合は ge- を付ける。die 〔ge〕benedeite Jungfer / die Gebenedeite 聖母マリア

代表例として studieren の現在人称変化を以下の表に示す。

 ich studiere
 du studierst
 man studiert
 wir studieren
 ihr studiert
 sie studieren

例文II-4-8a (Organische Chemie, p. 94):
Blausäure addiert in Gegenwart von Kupfer(I)-Salz als Katalysator an CC-Dreifachbindungen.
シアン化水素は触媒として銅(I)塩の存在下、CC三重結合に付加する

テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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