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WLANを和訳ではWifiにしてほしいと言われたが

今月受注したドイツ語和訳チェックでは、CAT ツールの欠点を経験することになった。

ある医療機器がバージョンアップするので、その取扱説明書も一部改訂されることになった。
ドイツ語原本が変わるので、日本で販売するために和訳することになる。
バージョンアップだから、過去のバージョンでの和訳のうち、変更しない部分は流用できる。

それでチェック作業を進めていくと、WLAN の和訳が複数登録されていて困った。

医療機器のデータについて、WLAN を介して外部との間で送受信できる機能の説明で、MemoQ の用語ベースでは、WLAN に対して「WLAN」と「Wifi」の2種類が登録されていた。

さらに、ロックされたセグメントにある過去訳を見ると、WLAN は、「Wifi」だけではなく、「無線LAN」とも和訳されていた。
しかし、過去訳に存在するこの「無線LAN」は、用語ベースには登録されていなかった。

ということで、クエリシートに質問を記入して翻訳会社に送ると、1時間ほどでクライアントから返信が来た。
「Wifi にしてほしい」とのことだ。

「WLAN のままか、無線LAN の方がいいのにな」と思いながらも、そういう指示だし、時間もないので Wifi にした。
ただし、ロックされたセグメントでの用語不統一は残ったままだ。

「無線LAN の方がいいのに」と思ったのは、エンドクライアントであるメーカーの医療機器の添付文書(日本語)では「無線LAN」を使っているから。
さらに、Wifi または Wi-Fi は、WLAN の規格の一部だから、他の規格を排除してしまうおそれがある。

過去の案件での翻訳メモリや用語ベースを使えるのは便利だが、用語不統一が残ったままでは困ったものだ。

テーマ : SOHO・在宅ワーク
ジャンル : ビジネス

NHKまいにちドイツ語応用編2020年10~12月 「翻訳に挑戦しましょう」

再放送が多かったNHKまいにちドイツ語応用編(ラジオ第2)だが、10月から12月までの3か月は新作となった。
今回のシリーズのタイトルは、翻訳に挑戦しましょう

10月号の内容紹介は次のリンクから。
www.nhk-book.co.jp/detail/000009109102020.html

講師は上田浩二先生(筑波大学名誉教授)。
以前何度か、テレビのドイツ語講座でお世話になった。
現在はドイツ語学院ハイデルベルク学院長で、翻訳を教えている。

10月と11月は、ドイツ語のニュースを題材にして、適切な日本語への翻訳のポイントを学ぶ。
最初の2回は、ベートーベン生誕250周年に関する記事だ。
記念のイベントがあっても、なかなか行けないのだが、代わりに記事を読んで雰囲気を感じたいものだ。

辞書にない単語をどうするか、直訳ではわかりにくい部分を大胆に訳すなど、日本語らしく訳すためのヒントが満載だ。

英語に比べてドイツ語翻訳の書籍は少ないので、3か月と短いものの、このラジオ講座で翻訳の基礎を学べるのは貴重だ。

私が担当するドイツ語和訳は、特許や論文、取扱説明書ばかりではなく、観光案内や雑誌記事まで多岐にわたる。
そのため、直訳風ではない、自然な日本語に翻訳するスキルを身につけるように、常に勉強している必要がある。

毎回わずか15分の番組の分量で、これだけの翻訳テクニックを盛り込んだ講座は他にないと思う。

木金の2回の番組30分に加えて、その予習復習、そして関連記事を探して読むなど、毎週2~3時間かけて集中して勉強すれば、独学でもかなりの実力が付くだろう。

また、「ちょっとひとこと」という短いコラムでは、翻訳作業における基本姿勢を学ぶこともできるだろう。
これは英語などの翻訳にも共通することだと思うので、図書館などで読んでみるとよいだろう。

初回の「ちょっとひとこと」では、学校で「訳す」ことと、「翻訳」とはどこが違うのかを端的に説明している。
以下に一部を抜粋して示しておこう。

【学校で「訳す」のは、原文の文法的な構造が分かりましたという「証明」です。
「翻訳」は、ほかの誰かのために、原文で言っている「内容」を、できるだけ「忠実」に、「自然で」、「分かりやすく」日本語で再現することです。】


3か月で終わるのはもったいないので、3月まで半年続けてほしいものだ。

テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

ニトリルの命名法は面倒: アセトニトリルとシアン化メチル

私は化学研究者だったので、化合物の命名法について気にしている。
特許の場合は、慣用名や古い名称なども認められるようだが、どうしても正式な優先IUPAC名(PIN)を使うことにこだわってしまう。

原文の英語がPINではない場合も多く、仕方なく原文ママで和訳することが多い。
ただ、どうしても違和感が残るので、PINの日本語名称を使うように宣伝している。
まあこんなことを言うのも、日本語名称の規則を作っている日本化学会だけなのかもしれない。

今回気になったのは、国立天文台の研究紹介である。
www.nao.ac.jp/news/science/2020/20200925-alma.html

生まれたばかりの恒星の周辺にある分子 CH3CN acetonitrileアセトニトリルではなく、シアン化メチルと書いてあったからだ。

引用している論文で確認すると、methyl cyanide と書いてあったので、そのまま和訳したのだろう。
iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/abadfc

シアン化メチルの方が分子の構造がわかりやすいかもしれない。
また、英語論文を参照しながら読む人にとっては、英語表記に近いシアン化メチルと和訳してあった方が混乱しないのかもしれない。

ただ、化学者としては、使ったことがない「シアン化メチル」よりも、HPLC溶媒などで馴染みのある「アセトニトリル」の方が違和感がない。

しつこいようだが、IUPAC 命名法を確認しておこう。
ニトリルR-C≡Nの命名法は3種類あり、化合物によって使い分けるので面倒かもしれない。


(1) -(C)N に対しては接尾語 ニトリル nitrile、-CN に対しては カルボニトリル carbonitrile を用いて置換命名法で命名する。
CH3CH3 ethane + ≡N nitrile = ethanenitrile

(2) カルボン酸の保存名の語尾 ic acid または oic acid を オニトリル onitrile にかえて命名する。
CH3COOH acetic acid ⇒ CH3CN acetonitrile

(3) 官能種類命名法により、化合物種類名の シアニド(シアン化物)cyanide を用いて命名する。
CH3 methyl + CN cyanide = methyl cyanide


CH3CN は鎖状モノニトリルなので、原則としてPINは (1) の ethanenitrile エタンニトリル となり、またPINではないが、(3) の methyl cyanide シアン化メチル または メチルシアニド も可能なはずだ。

しかし、PINは、 (2) のカルボン酸の保存名
(CH3COOH acetic acid 酢酸)由来の acetonitrile のみである。
このPINを字訳するので、日本語名称は アセトニトリル のみだ。

これまで一番使われていた名称(常用名)が保存名としてPINになることもある。
例えば、HC≡CH のPINは、ethyne エチン になりそうだが、実際のPINは acetylene アセチレン である。

これとは対照的に、HCN のPINは、これまでの hydrogen cyanide シアン化水素 ではなく、formic acid ギ酸 由来の formonitrile ホルモニトリル である。

面倒な規則ではあるが、今はこれが正式な命名法なので、従うしかない。
でも特許は学術論文ではないので、古い命名法で付けた名称がこれからも使われることだろう。

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ジャンル : 学問・文化・芸術

安倍政権の失敗の1つは働く女性が増えなかったこと

もうすぐノーベル賞受賞者の発表である。
科学技術創造立国と言い出してから、偶然なのだが、同年に化学と物理で複数の受賞があったり、連続して受賞者が出ることもあった。
受賞対象の研究は、その政策が始まるだいぶ前の業績なのだが、日本はすごいぞという誤解が生じた。
はやぶさの小惑星探査など、世界をリードする成果も見られたが、いつまでたっても「科学技術立国」の目標は達成されていない。

まあそれでも、この政策が始まる少し前から大学院重点化ということで、私も博士1年のときから月16~18万円の奨学金がもらえて、年90万円の科研費も3年間もらえた。

そして科学技術立国の政策の1つとしてポスドク等1万人計画があったから予算が増えて、ドイツに2年も留学できたようなものだ。
留学時は年間約450万円(日当+宿泊費扱い)に加えて、研究費が年60万円もらえた。

帰国後も2年間ポスドクを続けたが、ある私立大学で内部告発をしたことが響いたのか、大学にポストを得ることはできなかった。
民間企業に移っても、結局は研究所の閉鎖で退職することになり、今は翻訳会社で働いている。
化学研究者としてのキャリアが活かせる特許翻訳だし、しかも英語とドイツ語の両方が使えるので、異分野での理系人材の活用ということにはなっているかと思う。

悔し紛れに言うわけではないが、現在の研究環境を考えると、大学に残れなくてもよかったかもしれない。
帰国後に続けるはずだった研究テーマがあるが、それは宝くじでも当たったら、誰かに寄付して論文にしてもらおうと思う。

前置きが長くなったが、安倍政権でも新しい菅政権でも、日本の科学技術政策は目標未達で終わるかもしれない。

Nature 2020年9月10日号では、"Japan after Abe: time for a fresh start" と題する評論が掲載された。
記事のリンクは次の通り。
www.nature.com/articles/d41586-020-02540-w
media.nature.com/original/magazine-assets/d41586-020-02540-w/d41586-020-02540-w.pdf (PDF版)

これを紹介している日本語記事は少ないが、以下を参照してほしい。

例えば、エナゴ学術英語アカデミーというサイトは次の通り。
www.enago.jp/academy/japanese-science-after-abe/

また、日本経済新聞電子版2020年09月25日の記事中でも一部引用している。
www.nikkei.com/article/DGXMZO64202910U0A920C2TJM000/

ここで注目したいのは、Nature が自然科学分野でのジェンダー不均衡(gender imbalance)について、小見出しを付けてまで指摘しているにもかかわらず、日本経済新聞の記事ではまったく触れていないことだ。

PDF版で見たときに、本文のカラムの間、中央部分に書かれていることに注目してほしい。

"One of Abe's most notable failures has been in his government's inability to fulfil a promise to improve gender diversity in Japan's workplaces."

エナゴ学術英語アカデミーの記事で概要を紹介しているように、自然科学分野の女性研究者の割合は、2019年時点でわずか 16.6% であり、2020年までに 30% にする目標は未達に終わると予想されている。

ドイツも特に大学教授で女性が少ない国に挙げられるが、それでも女性研究者の割合は 28% だ。
日本の女性研究者の割合は、G20 諸国で最低であり、「女性が輝く社会」などと言っていたのに、何も変わっていない。
女性研究者の人数は、確かに年々増加しているものの、目標未達であることには変わりない。

まあこれは、安倍政権が頑張っても無理だったかもしれない。
民間企業の社長や管理職の女性割合でも、大学教授の女性割合でも、菅内閣での女性大臣の割合を見ればわかるように、日本では男性中心に物事を進めること
alpha-male leadershipが当然視されているのだ。

学会が女性研究者を増やすために、「理系女子」などのキーワードを含むイベントを開催しているが、自分の娘が博士号を取ることを望む親はどれくらいいるだろうか。

これまでと同様に、薬剤師だったり、食品・栄養関係だったり、臨床検査技師など、何か資格が取れる分野ならば人気はあるかもしれないが、純粋な基礎科学分野で女性研究者を期待している人は少数派ではないか。

本人に研究者としての能力があるかどうか、性格が研究に向いているかどうかではなく、女性はこうあってほしいという非論理的な固定観念が邪魔している。

現状でも女性研究者が劇的に増える状況ではないので、20年以上前の私の大学での体験も、過去のものではないだろう。

世界的にも有名で、文部科学省の未来開拓事業にも採択された旧帝大の男性教授が、女性蔑視とも言える発言をした。
「卒論の研究室配属希望を受け付けるが、女子学生はいらない。就職の世話が面倒だ。」

グローバル企業と称する有名化学企業の研究所でも、結婚した女性社員が退職することを望む管理職は多かった。
ある飲み会で、「社員一人に〇×万円も経費がかかっているんだ」と、結婚後も勤務を続けている女性社員の前でわざと言う管理職もいた。
産休を複数回取得した女性社員を、「働かずに金をもらっている」などと非難する男性社員もいた。

さらに、「うちはメーカーだが、建設業と同じくらい女性管理職が少ないのだ」と、変な自慢をする管理職もいた。
会社のために長時間残業をしたり、休日も自主的に研究所に来るような、滅私奉公する男性社員が理想なのだろう。
胃潰瘍などで入院した回数を自慢する管理職もいたから、命令に服従する羊のような男性社員のみで研究室を構成したいのかもしれない。

だから理系女子学生の就職は元々困難だったし、修士卒だと年齢のこともあって紹介先が見つからないので、研究の邪魔だと考える男性大学教授がいても不思議ではない。

自然科学分野の研究成果が経済発展に寄与するかどうかが話題となりやすいが、若手研究者の待遇や女性研究者のための環境整備にも注目して、これからの10年を考えてほしい。

もしかすると10年後には、日本からの論文も特許申請も激減して、日本は世界から相手にされない後進国になっているかもしれない。

テーマ : 研究者の生活
ジャンル : 学問・文化・芸術

auじぶん銀行のキャンペーンで3か月定期を作成

わたしはauユーザーなので、じぶん銀行の口座を2010年1月に開設した。
当時は、三菱東京UFJ銀行をメインバンクにしていて、身体認証付きキャッシュカードを利用していた。
ただ、学会の開催地では対応するATMがないため、他の銀行に資金移動してから出張していた。
ということで、手数料無料で振込できるじぶん銀行に口座を開設して、コンビニATMなどでも出金できるようにした。

その後、提供サービスがいろいろと増えていて、例えば、auカブコム証券との連携で、普通預金の金利が年0.10%になっている。
イオン銀行も取引状況に応じたステージがプラチナなので、普通預金の金利は年0.10%だ。
普通預金残高があまりないので、月1円から3円程度の利息であるが、なにもないよりはましだろう。

個人年金保険の掛金を12月に約16万円、来年5月に約18万円払う予定なので、auじぶん銀行かイオン銀行の普通預金に入金しておこうかと思った。

ただ、普通預金のままだと日常の買い物で使ってしまうおそれがあるので、定期預金にして確保しようと思った。
ちょうどauじぶん銀行で3か月定期のキャンペーンをしている。



自分名義の他行口座からauじぶん銀行の口座に振込入金して、その金額の範囲内で作成した3か月定期の金利が実質年0.30%になる。
3か月定期としては年利0.04%だが、キャンペーンのキャッシュバックとして0.26%分が来年2月にもらえる。

ということで、16万円と18万円の3か月定期を作成して、キャンペーンにエントリーした。
16万円の定期預金は満期日解約にして、12月の保険料支払いに使う。
満期日に受け取る利息は13円だが、2月には残り83円がもらえることになる。
ペットボトルのお茶1本分がもらえると考えよう。

もう1つの18万円は、12月の満期日以降も継続する予定だが、通常の金利0.04%のみになってしまう。
普通預金にして、5月まで使わないように気を付けることにしようか。
横浜銀行では協会けんぽ加入者向けに、3か月定期の金利上乗せキャンペーンを行うことがあるので、年末年始に利用できれば検討してみよう。

定期預金2本で34万円持っているならば、代わりに配当利回りの高い株を買えばよいという意見もあるだろう。
ただ、保険料のように支払い期日と金額が決まっている場合は、定期預金のような元本確保商品にすべきだ。

これで来年5月までの予算は少し楽になったので、これから半年間の給与以外の翻訳料金は、PC更新費用にできるだろう。

テーマ : ファイナンス一般
ジャンル : ファイナンス

Acrossを使う案件が来てしまった

海外翻訳会社から受注しているドイツ語和訳の仕事では、40%くらいで CAT ツールに Across を使っている。
しかしこの2か月ほど、Across との相性は最悪である。

トラックバックした記事に書いたように、今月は特にストレスが溜まるエラーが続いた。
そのため、今後の Across を使う案件では、他の翻訳者を探してほしいとコーディネーターに伝えた。

ところが今日の午前中に、Across を使う150ワード程度の短いドイツ語和訳の依頼が来てしまった。
ということは、他の翻訳者は見つからなかったということだろう。

ワード数が少なくて、しかもマッチ率ディスカウントがあるので翻訳料金も10ドルくらいだから、他の翻訳者から見ると魅力がなかったのかもしれない。
理由はどうあれ、私は信頼されているのか、Across は嫌だと言ったのに依頼が来てしまった。

作業開始が18時以降になるので、納期を15時から20時に変更できれば受注すると返答した。
納期変更ができたし、他の翻訳者が見つからないので、仕方なく受注することにした。

Across の動作が不安だったので、昼休み時間中にログインしてみると、やはりファイルをサーバーからダウンロードできない。

ということで、より動作が不安定だと定評のオンライン版で作業することになった。
今回もセグメントの入力が終わるごとにページを再読み込みする必要があった。
途中でフリーズしてしまい、なぜか強制的にログアウトになってしまうこともあった。

予定の3倍の時間がかかっただろうか。
これで10ドルだと、専業の人は嫌がるだろう。
私は本業の合間に作業するので、ワード数が少ない案件でもかまわない。
ただ、Across のエラーのせいでストレスが溜まるのはもう嫌だ。

明日は給料日だから、週末に買う本のことを考えようか。


(最終チェック・修正日 2020年09月20日)海外翻訳会社から受注しているドイツ語和訳の仕事では、使用する CAT ツールとして Trados が減って、代わりに MemoQ が増えているように感じている。それ以外に、Across も MemoQ と同じくらい使っている。たまたま、Across で管理しているクライアントの仕事の比率が高いだけかもしれない。ただ、これまでも愚痴を書いてきたように、Across との相性が最悪なので、もう受注したくないと...
CATツールAcrossとの相性が最悪だ

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4連休中も翻訳を受注しました

2020年の祝日は意図的に移動されているため、9月19日から22日まで4連休となった。
日曜日は教会に行くので、他の日にサイクリングでもしようかと思っていた。
しかし、予想外にも翻訳を複数案件受注したので、スーパーに自転車で行く程度の軽い運動で終わってしまった。

連休明け納品のドイツ語和訳1件はまだ10%残っているが、4連休中に受注した案件を合計すると、手にする翻訳料金は約2万7千円である。
銀行口座に実際に入金するのは11月になるが、年内に購入する書籍代を稼いだと考えよう。

特許抄録のポストエディットは、連休のときだけ受注することにしているのだが、今回のように海外の翻訳会社から受注できているので、休みが長い年末年始以外は、もうやめてもいいかもしれない。

連休初日19日の作業は、本来は18日金曜日の夜に終わっていたものだが、CAT ツールの Across のエラーに起因して面倒なことになった案件である。

ファイルがサーバーにアップロードされたことを確認したのは、翌20日夜であった。
チェッカー1時間分の料金が追加されたものの、疲れてしまったので、Across を使う案件、そしてこのクライアントの案件は他の翻訳者に依頼してほしいと返信した。

別の海外翻訳会社からは、ドイツ語和訳チェック2件をまず受注した。
そのうち1件は、実際の取扱説明書の形式で出力したファイルの最終チェックである。
たまに改行位置が変だったり、参照している部品の番号やページ数が間違っていることがあるので、大切な作業だ。

もう1件も納品して、これで連休後半はサイクリングをしようと思っていたら、2000ワード程度のドイツ語和訳を頼まれた。
他の翻訳者は手が空いていないのだろうか。

マッチ率によるディスカウントがあるので、ワード単価は平均すると10円を下回ってしまい、2万円には届かない。
それでも、チェッカー料金と比べると4倍くらい多くもらえるので、サイクリングはやめて受注することにした。
24日が納期だが、今日の夜までに90%進んだので、推敲時間も十分にあるだろう。

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CATツールAcrossとの相性が最悪だ

(最終チェック・修正日 2020年09月20日)

海外翻訳会社から受注しているドイツ語和訳の仕事では、使用する CAT ツールとして Trados が減って、代わりに MemoQ が増えているように感じている。

それ以外に、Across も MemoQ と同じくらい使っている。
たまたま、Across で管理しているクライアントの仕事の比率が高いだけかもしれない。

ただ、これまでも愚痴を書いてきたように、Across との相性が最悪なので、もう受注したくないと感じている。
さらに、Across を使うクライアントのうち、あるスイスの工作機械メーカーの修正指示が気に入らないので、もう嫌だ。
翻訳会社のコーディネーターからは、重要なクライアントであると言われているが、そんなことはどうでもいい。

QA チェッカーの設定が日本語ローカライズに対応していないことも、悪印象の原因である。

以前も書いたが、数値の書き方がスイス式で、「位取りの記号はカンマではなくてアポストロフィだそうだ。
例えば、原文の 5'000 Nm を日本語版用に 5,000 Nm にすると、QA でエラーが出るのだ。

日本の顧客が読むカタログや取扱説明書なのだから、日本式で千の位の記号をカンマにしたのに、QA の設定はドイツ・オーストリア版用のままなので、エラーとして判定されてしまう。

加えて、24 h を「24時間」と、正しく和訳してあるのに、「単位 h が欠落している」というエラーが出る。

毎回同様の修正依頼が来るということは、日本語知識を持つ社員がいないためなのか。
日本語ローカライズの方針が間違っているように思えるが、重要なクライアントだから修正依頼には応じなければならないそうだ。

ということで、先週納品したドイツ語和訳チェック案件でも、また修正依頼が来た。
渋々従って、修正が終了し、納品のために Across 上でサーバーにファイルをアップロードを試みたら、エラーが出た。
Across_error.jpg 

理由は不明だが、どうやら私に付与されていたライセンスが失われているようだ。

もう深夜だったので、アジア地区のコーディネーターから引き継いだヨーロッパ支社の担当者に連絡すると、cru ファイルをエクスポートして、そのファイルをメール添付で送ってほしいという。

これで終わったと思っていたら、今日の昼前、買い物から帰宅すると、本来の担当者であるアジア地区のコーディネーターからメールが届いていた。
提出した cru ファイルを、コーディネーターもアップロードできないという。

ということで、Across に再度アサインするので、ファイルを作り直してほしいそうだ。
作業を追加するので、1時間分の料金を支払うという。

それで Across にログインして、プロジェクトを読み込んだが、ファイルを開くことができなかった。
このチェック案件を受注したときに起きたエラーと同じ現象だ。
何度試みても無駄だった。

仕方なく、前回エクスポートした cru ファイルを再度添付してコーディネーターに送り、ファイルが開けなかったことも伝えた。
その後、何も連絡がない。

設定が変なのか、Across 自体のバグなのか、何もわからないが、使いたくない CAT ツールであることは確かだ。

このクライアントの仕事を拒否すると、年間で10万円以上の減収となるだろう。
それでも、ツールのエラーや面倒な修正依頼によるストレスがなくなる方がよい。


最近の翻訳では、ほぼすべての案件で CAT ツールを使っている。便利ではあるが、エラーも多いので、特に Across を使いたくないと感じている。今日もまたエラー発生で作業開始が約2時間遅れた。今日の午前中、翻訳の仕事はないので掃除をして、雨が止んだのでマルエツに買い物に行った。Tポイントをマルエツお買物券に交換するためでもある。11時過ぎに帰宅してPCを起動すると、海外の翻訳会社から約3000ワードのチェック案...
エラー続きのCATツールAcrossはもう使いたくない

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日独特許翻訳のチェックについて打診があったが

(最終チェック・修正日 2020年09月16日)

翻訳会社では、私は日独特許翻訳のチェックもしている。
日本語の明細書には、解釈があいまいになる部分があるため、日本人がチェックした方がよいことも多い。

件数はそれほど多くはなく、年間で10件程度だ。
そのため翻訳会社内でも、ドイツ語を専門にしている翻訳者も、英語の案件を担当することが多い。

これまでにも書いたように、私が個人事業主として海外の翻訳会社と取引をしているのは、国内よりもドイツ語の翻訳案件を受注できるからだ。

副業の範囲内で無理しない程度に、海外2社から、独日の翻訳とチェックを受注している。
機械分野に偏ってるが、ドイツ語に触れる時間を増やすことにつながっている。

今月の依頼は少ないなと思っていたら、日独特許翻訳のチェックについて、スケジュールの問い合わせメールが届いた。
日本語の文字数から概算すると、5000ワード程度だろうか。

受注しようかと思ったが、提示されたスケジュールでは無理だと思った。
連休中ならば可能だったが、連休明けに翻訳が完了するそうだ。

副業だと日中に作業できないので、締切を延長してもらわないと無理だ。
ということで、納期が土曜日26日であれば対応できることをメールで伝えた。

これから交渉するのか、それとも他の人を探すのか、連絡が来るのを待つことにしよう。

追記(9月16日):
寝ている間にメールが届いた。
クライアントは既に他社でチェッカーを手配したそうだ。
まあ、納期が延長できそうもなかったので、受注できないと思っていた。
代わりに、連休中に1件くらいほしいものだ。

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【聖書でドイツ語】 das Buch der Bücher(聖書、書物の中の書物)

das Buch der Bücher は、die Bibel 聖書 の別名である。

直訳して、「書物の中の書物、本の中の本」とすることもある。
ちなみに英語では the Book of Books

聖書を表す他の表現として、die Schrift / die Heilige Schrift 「聖なる書物」 もある。

das Wort Gottes 「神の言葉」は、預言者を通して語られた神の言葉である旧約聖書や律法を主に指す。

Spiegel Online 12.09.2020, "Fund in Israel: Auf der Spur der Heiligen Schrift"
www.spiegel.de/wissenschaft/mensch/israel-auf-der-spur-der-heiligen-schrift-a-8d079070-259e-44b9-aa89-888dcc7e439e
Die Bibel ist das Buch der Bücher, sie wurde in unzählige Sprachen übersetzt, jährlich werden viele Millionen Exemplare gedruckt.
聖書は、数えきれないほど多数の言語に翻訳された書物の中の書物であり、毎年何百万冊も印刷されている。


マタイによる福音書第21章42節
Luther 2017:
42 Jesus sprach zu ihnen: Habt ihr nie gelesen in der Schrift: »Der Stein, den die Bauleute verworfen haben, der ist zum Eckstein geworden. Vom Herrn ist das geschehen, und er ist ein Wunder vor unsern Augen«?

聖書協会共同訳:
42 イエスは言われた。「聖書にこう書いてあるのを、まだ読んだことがないのか。
『家を建てる者の捨てた石
これが隅の親石となった。
これは主がなさったことで
私たちの目には不思議なこと。』

テーマ : ドイツ語
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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