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天然物の生物活性で「antibiofueling(抗バイオ燃料化)」とは何だろう

人は誰でも間違いをするものだが、翻訳対象の原文にスペルミスなどがあると困ってしまう。
間違っていることを確認して、修正した和訳にするために、余計な時間を消費してしまうからだ。

過去には特許文書で、存在しない単語に遭遇したことがある。
特に病名などの一般的には使わない単語では、スペルミスが多発する傾向があるようだ。
病気の解説をするサイトでは、よくあるスペルミスの一覧を掲載しているくらいだし。

存在しない単語ならば、間違いということだけはすぐに判明するが、ありそうな単語の場合、間違いなのかどうかは、その分野の専門知識がないと判断できないだろう。

今回は、ある天然物の研究を紹介する記事で、「
antibiofueling activity」 という表現が出てきた。
「antibiofueling」 は、ありそうな単語だが、「抗バイオ燃料化活性」 とは一体何だろうか。

この天然物は藻類から単離されたため、バイオ燃料を生産する別の藻類と混ぜると、代謝を妨害するのか。

こんな活性の話は聞いたことがないので、その天然物の論文を調べることにした。
すると、正しくは 「
antibiofouling activity(抗生物付着活性)」 だと判明した。

最近はバイオ燃料がはやっているので、執筆者は biof の後は、無意識にタイプしたのかもしれない。

クライアントは29日も営業中とのことなので、この原文の間違いについてメールで連絡した。
翻訳対象はアメリカ本社の製品パンフレットなので、年明けにでも修正するのかもしれない。

今回の間違いは、見積書作成時にざっと読んだときには気付かなかった。
そこで翻訳作業を中断して、文書の最後までじっくり読んで、他には間違いがないことを確認した。

明日からは残りの部分を和訳して、新年は推敲だけできるようにしたいものだ。

ところで漢字の世界では、本来存在していない幽霊文字がJIS に登録された、という失態が有名だが、今回の antibiofueling のように、ありそうな単語の場合は、検証されずに新語辞典に載るだろうか。


追記(1月23日):
納品した和訳の検収が終わり、請求書を送付した。
クライアントからの連絡では、私が指摘した通りに修正した日本語版を作成するそうだ。
単なる英文和訳ではなく、専門分野なので、原文の間違いを指摘できたことはよかった。
元の英語版が修正されるかどうか、しばらくしたら確認してみよう。

(最終チェック・修正日 2009年01月23日)


テーマ : 英語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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