fc2ブログ

ドイツ語:冠飾句という独特の修飾形式

翻訳作業とは別に、化学または広く科学関連のドイツ語記事を読んで、様々な文法項目について、例文を記録して将来に役立てたい。

今回は 冠飾句 をとり上げる。

ドイツ語文法について解説したサイトはいくつかあるが、今回は次に示すサイト 「ドイツ語文法のドイツっ子」 を引用しておきたい。
http://www.geocities.jp/schoenentagnoch081104/index.html

今回取り上げる
冠飾句について は、次のリンクで説明されている。
http://www.geocities.jp/schoenentagnoch081104/shinki1/kanshokuku.html

冠飾句とは簡単に言えば、名詞を修飾する付加語の一種で、冠詞と名詞の間に置いて修飾する、ドイツ語独特の形式である。
英語であれば関係代名詞を用いて、名詞の後ろから修飾するのが一般的だから、異なる考え方だ。


論文を読んでいて、冠詞の直後に形容詞や名詞ではなく、前置詞句や分詞句が続いて面食らったことはあるだろう。


実際の例文とし て、Nachrichten aus der Chemie, 2005, 53, 1106; "Längenrekord für stabile Polyine" 「安定ポリインの最長記録」 を紹介する。

なお、文頭のカッコ付き数字は便宜上付けたもので、原文にはない。


(1)
Die für den Aufbau komplexer molekularer Gerüste sehr interessanten Polyine sind bis etwa zwölf Ethin-Einheiten stabil; tBu(C≡C)12tBu zersetzt sich bei 25℃ in nur acht Minuten.

(2) Gladysz und Zheng demonstrierten nun, daß Komplexierung der Polyin-Termini mit (p-tol)(p-tol3P)2Pt-Einheiten (L) die Stabilität von Polyinen drastisch erhöht [J. Am. Chem. Soc., 2005, 127, 10508].

(3) So ist L(C≡C)14L
ein roter, für Tage bis zu 150 ℃ stabiler Feststoff.

最初の文 (1) で、青で示した "
Die Polyine" がこの文の主語で、その間の赤で示した前置詞句が冠飾句である。

名詞の性・格・数に応じた語尾の変化は、形容詞の格変化と同様に、冠飾句の最後に interessanten で示されている。

冠飾句の部分を関係代名詞を使って、次のように書くこともできる。
"Die Polyine, die für den Aufbau komplexer molekularer Gerüste sehr interessant sind."

訳例は次の通り。

複雑な分子骨格の構築にとって非常に興味深いポリインは、エチン単位がほぼ12個まで安定である。ただ、tBu(C≡C)12tBu は 25℃では 8 分で分解する。」

次の文 (2) では冠飾句とは逆に、名詞の右側に「
2格名詞」や「von + 3格名詞」を置いてい る。
"Komplexierung
der Polyin-Termini2" は 「ポリイン末端の錯形成」、
"die Stabilität
von Polyinen3" は 「ポリインの安定性」。

訳例は省略。

最後の文 (3) の述語 "
ein Feststoff" を修飾する付加語は "roter" と、前置詞で始まる冠飾句の二つで、カンマで区切られており、対等に修飾している(カンマの用法は別の機会に)。

これも関係代名詞を使って、書き換えることができる。
"ein roter Feststoff, der für Tage bis zu 150℃ stabil ist"

訳例は次の通り。

「そして L(C≡C)14L は、
赤く、数日間 150℃まで安定な固体である。」

ドイツ語は、英語と異なることが認識されることを期待して、今後も例を増やしていきたい。
勘違いなどで間違いも多あると思うが、訂正・改訂を繰り返して、使える勉強メモにし たい。

(最終チェック・修正日 2005年11月26日)

テーマ : 外国語学習
ジャンル : 学校・教育

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

ドイツ語翻訳では冠飾句を正しく把握しよう

ドイツ語翻訳をしていると、特に学術論文や新聞記事などで、冠飾句を目にすることが多い。 冠飾句は、冠詞と名詞との間に置かれた長い形容詞句である。 関係節で書き換えることもできるが、冠飾句から順に訳すと日本語の語順に近くなることが多いので、理解しやすいのではないだろうか。 原稿を紙に印刷してから翻訳していたときは、冠飾句の部分を( )でくくっていた。 長い冠飾句のときに間違えることがなくなる...

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

FC2カウンター
カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR