日本人旅行者がベンチに縛り付けた荷物で爆発物騒ぎ
私の海外渡航は、国際学会参加のためにドイツに行ったのが最初だった。
ICE乗り換え駅のハノーファーでは、荷物をコインロッカーに入れて、知り合いのドイツ人とビールを飲んだ。
また、学会後に訪ねたチューリッヒでは、駅の手荷物預り所に預けてから市内観光をした。
ヨーロッパの大きな駅では、コインランドリーなどもあり、長距離旅行者に便利な施設が揃っている。
荷物の預け方なども、旅行ガイドブックに書いてあるし、インフォメーションでも教えてくれる。
しかし、ある日本人旅行者がハンブルク中央駅で起こした事件は、無知であることをさらけ出した。
ICE乗り換え駅のハノーファーでは、荷物をコインロッカーに入れて、知り合いのドイツ人とビールを飲んだ。
また、学会後に訪ねたチューリッヒでは、駅の手荷物預り所に預けてから市内観光をした。
ヨーロッパの大きな駅では、コインランドリーなどもあり、長距離旅行者に便利な施設が揃っている。
荷物の預け方なども、旅行ガイドブックに書いてあるし、インフォメーションでも教えてくれる。
しかし、ある日本人旅行者がハンブルク中央駅で起こした事件は、無知であることをさらけ出した。
朝日新聞の記事は次の通り。
ところが、不審物は日本人観光客がベンチにチェーンで固定した荷物で、本人は身軽になって近くに観光に出かけていたことがわかり、地元紙から「文化的な誤解か、はたまた単なる鈍感か」と批判的に報じられる騒ぎになっている。
DPA通信などによると、この騒ぎで電車約40本が遅れ、2本が運休を余儀なくされた。鉄道会社は、 この観光客に損害賠償を請求する構えで、請求額は数万ユーロ(数百万円)に上る可能性がある。
荷物は警察官が発見し、爆発物の疑いもあるとして処理班が出動。荷物のあったホームなどが最大で 1時間半にわたり閉鎖された。】
最近は減ったと言っても、ヨーロッパではアルカイダが関与したと言われる爆破事件が起きている。
アフガニスタンに派遣されたドイツ連邦軍は、タリバン掃討作戦を実行中だ。
そのため、ドイツ国内で爆弾テロが起きる可能性は高まっている。
こういった国際情勢を知らず、リスクも知らずに、のほほんと旅行するのは、非難されても仕方ない。
加えて、何かあれば旅行者であっても損害賠償請求するドイツの厳しさを、事前に認識しているべきだった。
地元紙 Hamburger Abendblatt の8月21日、22日の記事を引用しておこう。
最初のリンク記事には写真が20枚あり、閉鎖された駅の様子の他に、その日本人旅行者も写っている。
http://www.abendblatt.de/hamburg/polizeimeldungen/article1149776/Japanischer-Tourist-verursacht-Zug-Chaos.html
http://www.abendblatt.de/hamburg/article1150453/Japanischer-Tourist-legt-Hauptbahnhof-lahm.html
また、ドイツ連邦警察(ハンブルク)のプレスリリースは次の通り。
http://www.presseportal.de/polizeipresse/pm/70254/1461505/bundespolizeiinspektion_hamburg
8月21日12時頃、その日本人旅行者は、ハンブルク中央駅のホーム上にあるベンチに、 自分の荷物を鍵をかけて縛り付けて、そのまま市内観光に行ってしまった。
12時08分、乗客が警察官に、持ち主不明の荷物があると連絡した。
爆発物の疑いもあると判断され、警察官20名が人々を避難させ、爆発物処理班が到着した。
既に開店していたマクドナルドなどの飲食店では、注文品が冷めて、飲み物は温かくなってしまった。
13時15分、その日本人が戻ってきたが、自分の荷物が大規模出動を引き起こしたとは思っていなかった。
処理を待っている人々の好奇の視線の中、警察官が彼を荷物のところまで誘導した。
13時28分、駅の封鎖は解除された。
近距離および長距離列車併せて38本が遅延し、2本が運休した。
この損害について鉄道会社は、この日本人旅行者が賠償すべきだと主張している。
この日本人旅行者は、ハンブルク市内をもう一度見に行こうと思い、荷物を残したと話している。
1時間くらいならばかまわないと思ったのか、コインロッカーの料金がもったいないと思ったのか。
日本国内の感覚で、外国旅行をしてはいけないという教訓にしてほしい。
そして損害賠償保険に入っておくことも忘れないでほしい。
最後に、在ハンブルク総領事館の 「安全の手引き」 から、テロ対策の部分を引用しておこう。
http://www.anzen.mofa.go.jp/manual/hamburg.html
2006年7月にドルトムント及びコブレンツにおいて、 列車等から爆発物の入ったスーツケースが発見されるという事件が、また、2007年9月にはドイツ国内のラムシュタイン米軍基地、アメリカ、ウズベキスタン領事館施設、フランクフルト空港、アメリカ人の多く集まるディスコやレストランをターゲットにしたとみられるテロ未遂事件が発生しております。このように、これまで比較的安全と思われていたドイツでも、現実にテロが起きる可能性があると危惧されていますので、次のことに十分留意して、事件に巻き込まれることのないようご注意ください。
(1) 駅、列車内、空港等においては、不審な人物や荷物に注意し、放置された不審物(カバン、段ボール箱等)には絶対に触れず、その場を離れる。
(2) 不審物を発見した場合は、速やかに警察官や駅職員等に連絡する。
(3) 駅、空港、商業施設(ショッピングセンター等)など不特定多数の人が集まる場所や、 政府関係施設など、テロの標的となるおそれがある場所には不必要に近づかない。
(4) 外出する際は、家族や職場に行き先や帰宅予定等を知らせておく。
(5) 日頃より、ニュース等で情報収集を行うように心掛ける。】
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【ドイツ北部ハンブルクの中央駅で21日、ホームに不審物が見つかり爆発物処理班が出動する騒ぎがあった。 ところが、不審物は日本人観光客がベンチにチェーンで固定した荷物で、本人は身軽になって近くに観光に出かけていたことがわかり、地元紙から「文化的な誤解か、はたまた単なる鈍感か」と批判的に報じられる騒ぎになっている。
DPA通信などによると、この騒ぎで電車約40本が遅れ、2本が運休を余儀なくされた。鉄道会社は、 この観光客に損害賠償を請求する構えで、請求額は数万ユーロ(数百万円)に上る可能性がある。
荷物は警察官が発見し、爆発物の疑いもあるとして処理班が出動。荷物のあったホームなどが最大で 1時間半にわたり閉鎖された。】
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自民党などは、「テロとの戦いに日本も協力する」 と言っているが、一般国民には平和ボケが多い。 最近は減ったと言っても、ヨーロッパではアルカイダが関与したと言われる爆破事件が起きている。
アフガニスタンに派遣されたドイツ連邦軍は、タリバン掃討作戦を実行中だ。
そのため、ドイツ国内で爆弾テロが起きる可能性は高まっている。
こういった国際情勢を知らず、リスクも知らずに、のほほんと旅行するのは、非難されても仕方ない。
加えて、何かあれば旅行者であっても損害賠償請求するドイツの厳しさを、事前に認識しているべきだった。
地元紙 Hamburger Abendblatt の8月21日、22日の記事を引用しておこう。
最初のリンク記事には写真が20枚あり、閉鎖された駅の様子の他に、その日本人旅行者も写っている。
http://www.abendblatt.de/hamburg/polizeimeldungen/article1149776/Japanischer-Tourist-verursacht-Zug-Chaos.html
http://www.abendblatt.de/hamburg/article1150453/Japanischer-Tourist-legt-Hauptbahnhof-lahm.html
また、ドイツ連邦警察(ハンブルク)のプレスリリースは次の通り。
http://www.presseportal.de/polizeipresse/pm/70254/1461505/bundespolizeiinspektion_hamburg
8月21日12時頃、その日本人旅行者は、ハンブルク中央駅のホーム上にあるベンチに、 自分の荷物を鍵をかけて縛り付けて、そのまま市内観光に行ってしまった。
12時08分、乗客が警察官に、持ち主不明の荷物があると連絡した。
爆発物の疑いもあると判断され、警察官20名が人々を避難させ、爆発物処理班が到着した。
既に開店していたマクドナルドなどの飲食店では、注文品が冷めて、飲み物は温かくなってしまった。
13時15分、その日本人が戻ってきたが、自分の荷物が大規模出動を引き起こしたとは思っていなかった。
処理を待っている人々の好奇の視線の中、警察官が彼を荷物のところまで誘導した。
13時28分、駅の封鎖は解除された。
近距離および長距離列車併せて38本が遅延し、2本が運休した。
この損害について鉄道会社は、この日本人旅行者が賠償すべきだと主張している。
この日本人旅行者は、ハンブルク市内をもう一度見に行こうと思い、荷物を残したと話している。
1時間くらいならばかまわないと思ったのか、コインロッカーの料金がもったいないと思ったのか。
日本国内の感覚で、外国旅行をしてはいけないという教訓にしてほしい。
そして損害賠償保険に入っておくことも忘れないでほしい。
最後に、在ハンブルク総領事館の 「安全の手引き」 から、テロ対策の部分を引用しておこう。
http://www.anzen.mofa.go.jp/manual/hamburg.html
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【 テロ対策2006年7月にドルトムント及びコブレンツにおいて、 列車等から爆発物の入ったスーツケースが発見されるという事件が、また、2007年9月にはドイツ国内のラムシュタイン米軍基地、アメリカ、ウズベキスタン領事館施設、フランクフルト空港、アメリカ人の多く集まるディスコやレストランをターゲットにしたとみられるテロ未遂事件が発生しております。このように、これまで比較的安全と思われていたドイツでも、現実にテロが起きる可能性があると危惧されていますので、次のことに十分留意して、事件に巻き込まれることのないようご注意ください。
(1) 駅、列車内、空港等においては、不審な人物や荷物に注意し、放置された不審物(カバン、段ボール箱等)には絶対に触れず、その場を離れる。
(2) 不審物を発見した場合は、速やかに警察官や駅職員等に連絡する。
(3) 駅、空港、商業施設(ショッピングセンター等)など不特定多数の人が集まる場所や、 政府関係施設など、テロの標的となるおそれがある場所には不必要に近づかない。
(4) 外出する際は、家族や職場に行き先や帰宅予定等を知らせておく。
(5) 日頃より、ニュース等で情報収集を行うように心掛ける。】
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(最終チェック・修正日 2009年08月24日)