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「外国語学習の科学」(白井恭弘著、岩波新書)

テレビCMや広告では、聞き流すだけで英語ができるようになるだとか、子どものときから英会話を勉強してバイリンガルを目指すなど、様々な情報が流れている。
書店に行っても、会話から文法まで、語学関連の書籍は山積みとなっている。

何を選べばよいのか、余計わからなくなるかもしれないが、
外国語学習での 「個別性」 を考えれば、この山の中から、自分に合う方法を見つければいい。

私は中学1年から英語を始め、高校では中国語とドイツ語をかじり、
大学での第二外国語はドイツ語だったが、スペイン語も少し勉強した。
実際に使っているのは英語とドイツ語だけだが、それでも自分に合う勉強法を続けてきたと思う。


あまり理論的裏づけがなく、たまたまうまくいっただけのように思えるが、
岩波新書 「外国語学習の科学」 を読むと、私の方法も、少しは意味のある方法だったと思う。

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【外国語を使えるようになりたい、「ネイティブ並み」とはいわなくても、口頭であれ、文章であれ、引け目と緊張を感じずに外国人とのコミュニケーションができるとよい……と思う人の多さは、数々の学習書や(とりわけ英語の)語学学校、学校での早期教育をめぐる論議からも明らかでしょう。そして、なかなかうまく行かないことにがっかりする人も、かなり多いはずですね。

そうした学習のための各種のメソッドや「コツ」は、果たしてどれだけの科学性を持っているのでしょうか。

「日本人は外国語が苦手」「やはり子供のうちからでないと」「どうしても必要なら何とかなるんじゃないか」といったことも、何となくそんな気がする、という印象の域を出ていません。

本書が紹介する「第二言語習得(Second Language Acquisition=SLA)」論は、比較的新しく、
1960年代に始まった研究分野です。言語学、心理学、認知科学などの成果と連携しながら、「外国語を身につける」という現象を科学的に解明し、ひいては効率的な外国語学習の方法を導き出すことを課題とする、実践的な要請の強い学問分野だといえるでしょう。日本でも、英語教育や日本語教育の実践者、研究者に注目されています。】
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章立ては次のとおり。

第1章 母語を基礎に外国語は習得される

第2章 なぜ子どもはことばが習得できるのか―「臨界期仮説」を考える
第3章 どんな学習者が外国語学習に成功するか―個人差と動機づけの問題
第4章 外国語学習のメカニズム―言語はルールでは割り切れない
第5章 外国語を身につけるために―第二言語習得論の成果をどう生かすか
第6章 効果的な外国語学習法


特に第6章の 「効果的な外国語学習法」 に興味を持つ人が多いだろう。


その前の章で、第二言語習得論について知識を得て、納得してからの方がよいだろうが、
とにかく外国語学習のコツだけでも知りたい人は、第6章を先に読んでもかまわないかも。

その中で、私が行っていることと共通するものを、ここでは一つ取り上げたい。


分野をしぼってインプットする
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【インプット(聞くこと・読むこと)を理解するには背景知識が重要になります。ただでさえ、外国語を 理解することは難しいのですから、日本語でもわからないような教材を使ってもむだです。ですから、自分で学習教材を選ぶ時には、自分の興味があってよく知っている内容を、読んだり聞いたりするといいでしょう。 … 自分の興味がある分野なら、動機づけも高まるでしょうから、長続きします。】

【外国語「を」勉強するのではなく、外国語「で」情報を入手するレベルまで、
なるべく早く到達するように努力することが大事です。】
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このブログでも実践しているように、英語・ドイツ語のニュースは、自分の興味で選んで紹介している。
読みたいものだけで内容は偏るが、それでも新しい単語を覚えたり、文法の再確認を毎回することになる。
ノルウェー語とアイスランド語の教科書を買ったのも、捕鯨関係のニュースを読むためだった。


ということで、親が無理強いしても、子どもが全員バイリンガルになるとは期待できないだろう。

「個別性・漸進性」 を理解してから、どのように動機づけするのかを考えてほしいものだ。

テーマ : 外国語学習
ジャンル : 学校・教育

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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