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「世界の言語入門」(黒田龍之介著、講談社現代新書)

私は多様性を好む性格のためか、専門の化学にこだわらず、自然科学全般に興味があるし、語学でも、仕事で必要な英語・ドイツ語の他にも、いくつかかじってきた。

中学生から海外短波放送を聴くようになり、学校で習っている英語の他にも、様々な言語の音に触れた。

高校では漢詩の韻を確認するために中国語を習い、大学ではスペイン語も少し勉強した。
ドイツ留学中には、様々な国からの留学生に出会ったため、ロシア語とコリア語のテキストを買った。

そして最近は、捕鯨関係のニュースを読むために、ノルウェー語とアイスランド語のテキストを買った。
個人再生の相談をした弁護士には、スウェーデン語を勧められたから、ゲルマン諸語をかじろうかとも思う。

以前から、「英語が完璧でないのに、なぜ他の言語を勉強するのか」 と聞かれることが多かった。
それは私が多様性を好むからで、同時進行で2つのことをしていないと、落ち着かないからでもある。

しかも、世間ではマイナーと思われることをすることに、なぜか意義を感じてしまう。
それで、「ドイツ語なんか必要ない」 と罵倒する化学者が増えても、ドイツ語の宣伝をしてしまう。

このような性格なので、語学関係の本で最近続けて読んでいるのは、黒田龍之介氏の著作である。

今読んでいるのは、講談社現代新書の 「世界の言語入門」  である。
【90言語で世界一周! 英語、仏語からサーミ語、ゾンカ語まで

語学は、まず雰囲気を楽しむことからはじめよう。英語、仏語などメジャー言語から、ベルベル語、
ゾンカ語など知る人ぞ知る言語まで。90言語の魅力をひとりで語った楽しいエッセイ。】

本書は言語学の解説書ではなく、世界にはこんな言語があるのだな、という紹介のようなもの。

著者が実際に体験したことだけではなく、知らない言語にも面白い点があったんだ、というエッセイ集。
アイウエオ順に並んでいるが、どこから読んでもかまわない構成なので、気楽に読めるだろう。

それで一番最初の言語は、
アイスランド語である。
鯨肉不正輸入疑惑の新聞記事を読むためにテキストを買ったが、その後の勉強は進んでいない。
今思えば、ドイツからカナダに学会出張するときに、アイスランド経由で行けばよかったかも。

二番目は、最近話題となっているアイヌ民族の
アイヌ語である。
私の出身県は、著名なアイヌ語研究者を輩出しているので、興味はあったが、勉強することはなかった。

北海道のSTVラジオでアイヌ語講座が放送されており、テキストや音声もダウンロードできる。

http://www.stv.ne.jp/radio/ainugo/index.html

アイヌ語は外国語ではなく、日本の言語であり、国会でも使用できる公式言語である。

実際に国会の委員会で、アイヌ語で演説が行われた記録があるが、話題の中山議員は知らなかったようだ。

【アイヌ語を話す人はそれほど多くない。それどころか、アイヌ語のみで生活するのは、現実問題として
難しい。だからといって、「現在の日本はほぼ単一言語の国といって差し支えない」などといい切ってしまっていいのだろうか。わたしは小さな存在を効率よく無視するのではなく、多様性から言語を考えていきたい。】

ずっと先に進んで、私の好きな
ドイツ語も取り上げられている。
分離動詞の話が出てくるが、これは初学者が困惑する文法事項で、英語至上主義者からも攻撃対象となる。
また、ヨーロッパではドイツ語を理解する人が広範囲に存在することも説明されている。
ドイツ人がバカンスに行くマヨルカ島やクロアチアやなどでも、英語よりもドイツ語の方が通じる。

87番目に出てくる
ルクセンブルク語は、私は実際に聞いたことがある。
ドイツ留学先の同僚が、ルクセンブルク系アメリカ人で、簡単な表現を教えてくれたから。
それを聴くと、ドイツ語とフランス語を混ぜたような表現のことがあった。

他人がくしゃみをしたときにドイツ語では 「ゲズントハイト」 と言い、フランス語は 「ソンテー」、
そしてルクセンブルク語では 「ゲズンテー」 と、これこそ 「足して2で割る」 という実例だ。

今後も仕事で使うのは英語とドイツ語ばかりだろうが、他の言語に触れる機会も増やそうと思う。

テーマ : 外国語学習
ジャンル : 学校・教育

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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