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「留学で人生を棒に振る日本人」(栄陽子著、扶桑社新書)

土曜日の昼過ぎから電話回線の不具合が発生し、KDDIのメタルプラスも使えなくなった。
KDDIの調査は翌日になってから来たが、NTTの営業日である本日まで修理してもらえなかった。

オンラインでライセンス認証するソフトが使えなかったので、代わりに読書をした。

先月発売の本であるが、留学経験者としては興味ある新書である。

栄陽子 著、「留学で人生を棒に振る日本人」、扶桑 社新書。

副題は、「”英語コンプレックス”が生み出す悲劇」 となっている。
http://www.fusosha.co.jp/book/2007/05344.php

著者の運営する留学研究所のHPは次のとおり。
http://www.ryugaku.com/


アメリカなど英語圏への 「勘違い留学」 は、かなり前から指摘されていたことだ。

「何を学ぶのか」 ではなく、「留学すれば就職に有利」 だとか、「箔がつく」 など。


何年か前、ある議員の経歴で、アメリカの大学を卒業したかどうかが問題となった。

「アメリカの大学」 というだけで、一般人は無批判にあこがれ、簡単に騙されてしまう。

在籍の事実や卒業証書があるかは関係なく、見栄えを良くするのが目的だったのだ。

「アメション」
 という言葉は、岩波新書の「死語ノート」 に載っているが、未だ健在だと思う。

小学校英語の必修化と同様に、親の持つ英語コンプレックスが、子どもへの期待として現れている。

もし英語が話せるようになっても、それだけで他の専門能力がなければ、誰も相手にしないのに。

元々目的も能力もないのに、アメリカに行きさえすれば英語ができるようになって、
日本に戻ったときに待遇が激変するとでも信じているのだろうか。

この新書を読んで考え直す人が増えればいいが、聞く耳を持たぬ自己流主義者も多く、
そんな人を狙った留学エージェントが暗躍するのは悲しいことだ。


それに留学先で日本人だけで固まって行動して、何が面白いのだろうか。

アメリカに留学した研究者には、大使館や領事館で調べたのか、日本人会から連絡が来るそうだ。

私がドイツに留学したのは、日本的な人間関係から解放されることを狙ったのは確かだ。

日本企業の現地法人での、日本人社員・家族たちの境遇を聞いて、かわいそうに思うこともあった。


帰国後に私は、2人から留学の相談を受けた。


1人は過去記事で書いたように、留学して英語ができれば見返すことができると信じていた人だ。

彼は派遣社員として研究所で有機合成支援業務を担当していたが、化学の知識は貧弱であった。

留学での専攻を聞いてもはっきりせず、留学前に英語を完璧にするのだと、そこにこだわるばかり。

幅広い教養もなくマナーも知らないから、留学は無意味だと助言したが、本人は納得していなかった。


もう1人は研究室の後輩である。

アメリカにポスドクとして留学することを考えていて、以前から英語の勉強法も助言していた。

「ラジオ講座などを利用して、毎日15分でもいいから継続すること」 という私の提案を実行せず、
「来月から留学するので、2週間で英語を覚える方法を教えてほしい」 と、突然相談してきた。


留学も向き不向きがあるので、本当のことを言ってくれる人が助言しないと、
これからも騙されたり、無意味な時間を過ごしたりと、かわいそうな日本人は増産されるだろう。

テーマ : 海外留学
ジャンル : 学校・教育

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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