ドイツの捕鯨の歴史を扱ったNDRのドキュメンタリー
ドイツの捕鯨の歴史を扱ったNDRのドキュメンタリー番組を見たくなり、DVDコピーを購入した。
ただ、手持ちのDVDプレーヤーでは再生できず、デスクトップPCも不具合があり、見ていなかった。
先週になって新ノートPCを入手できたので、本日やっと再生できた。
タイトルは、「Die deutschen Walfänger: Jagd auf schwimmende Riesen」 で、59分29秒の長さ。
和訳は、「ドイツの捕鯨船員:海の巨大生物を追う」 とでもしておこう。
www3.ndr.de/programm/epghomepage100_sid-568143.html
ただ、手持ちのDVDプレーヤーでは再生できず、デスクトップPCも不具合があり、見ていなかった。
先週になって新ノートPCを入手できたので、本日やっと再生できた。
タイトルは、「Die deutschen Walfänger: Jagd auf schwimmende Riesen」 で、59分29秒の長さ。
和訳は、「ドイツの捕鯨船員:海の巨大生物を追う」 とでもしておこう。
www3.ndr.de/programm/epghomepage100_sid-568143.html
元捕鯨船員5名と、捕鯨の歴史研究者2名のインタビューに、当時の白黒映像を交えている。
研究者は Klaus Barthelmess 氏と Uwe Schnall 博士で、捕鯨の歴史をわかりやすく解説している。
北極海で捕鯨が始まった理由から、ノルウェー式近代捕鯨の導入による南極海捕鯨、 第二次大戦後の海運王オナシスの出資による捕鯨再開、そして船団を日本に売却して撤退するまで。
Barthelmess 氏のコレクションは、日本の博物館でも展示されたくらいだ。
record.museum.kyushu-u.ac.jp/kujira/eurowhale/whalefisher.html
Schnall 博士は、German Maritime Museum(ドイツ海事博物館)の元研究員である。
www.dsm.museum/e2frem.htm
年老いた元捕鯨船員は、80代から90代に見えるが、クジラに銛を打ち込む場面や、 母船に引き上げてからの解体作業の話などを、少し興奮気味ながら、生き生きと語っていた。
白黒映像では解体の様子だけではなく、脂肪や骨、肉、ひげなどの加工についても紹介されていた。
「欧米の捕鯨は油だけが目的だった」 と批判されることが多いが、実態は少々異なっていた。
確かに解体作業では最初に脂肪層をはぎ取り、油を生産している映像が続いているから、油が主生産物だ。
そして主な製品として、マーガリンや洗剤、石鹸、ろうそく、靴のクリームなどが紹介されていた。
当時はバターが高価で、庶民はクジラ由来のマーガリンを買っていたという。
ここだけ見れば、「欧米の捕鯨は脂肪分だけが目的」 と言われても仕方ない。
ただしその他に、クジラのひげの部分は、プラスチックが発明されるまでは利用されていたし、 脂肪が少ない鯨肉は調味料を加えて缶詰にして、「Polaris」 という商品名で食用として販売した。
2001年の新聞記事になるが、マーガリンや鯨肉缶詰について紹介したものを引用しておこう。
www.ngz-online.de/archiv/neusser_feuilleton/Fuer-Margarine-zum-Suedpol_aid_228160.html
その鯨肉について、「牛肉に似ているが筋が少なく、低脂肪で鉄分が多く健康によい」 とされていた。
ドイツで捕鯨が盛んだった頃の名残は、フリースラント諸島で見られる。
風見鶏がニワトリの代わりにクジラだったり、大型クジラの下あごの骨がモニュメントになっていたり。
また、垣根の代わりにクジラの骨を並べていることもある。
このように現在は反捕鯨国でも、捕鯨の歴史を伝えている地域があることを、日本人も知っておきたい。
最後には、第二次世界大戦後に海運王オナシスが始めた捕鯨事業に、ドイツが参加したことも紹介された。
ただし捕鯨母船の船籍はパナマであり、その後もいろいろとトラブルがあって、捕鯨海賊船とも呼ばれた。
やがて石油が普及して、捕鯨の魅力がなくなったのか、オナシスは捕鯨から撤退することにした。
そして捕鯨船団は全て日本に売却され、ドイツの捕鯨は突然の最期を迎えることになった。
事実を記録して伝えるというドキュメンタリーの基本に忠実な番組で、非常に良い印象を持った。
60分ではIWCや他国との競争の話はごく短いが、それでもドイツの捕鯨の歴史を概観するには十分だ。
捕鯨に関心のある日本人には、どの立場の人にも見てほしい番組だとも感じた。
そこでNHKに、「BS世界のドキュメンタリー」 で取り上げてほしいと、要望メールを送った。
もし興味があれば、私が入手したDVDを無償で貸し出すことも申し出た。
採用される確率は非常に低いとは思うが、回答が来ることを期待している。
研究者は Klaus Barthelmess 氏と Uwe Schnall 博士で、捕鯨の歴史をわかりやすく解説している。
北極海で捕鯨が始まった理由から、ノルウェー式近代捕鯨の導入による南極海捕鯨、 第二次大戦後の海運王オナシスの出資による捕鯨再開、そして船団を日本に売却して撤退するまで。
Barthelmess 氏のコレクションは、日本の博物館でも展示されたくらいだ。
record.museum.kyushu-u.ac.jp/kujira/eurowhale/whalefisher.html
Schnall 博士は、German Maritime Museum(ドイツ海事博物館)の元研究員である。
www.dsm.museum/e2frem.htm
年老いた元捕鯨船員は、80代から90代に見えるが、クジラに銛を打ち込む場面や、 母船に引き上げてからの解体作業の話などを、少し興奮気味ながら、生き生きと語っていた。
白黒映像では解体の様子だけではなく、脂肪や骨、肉、ひげなどの加工についても紹介されていた。
「欧米の捕鯨は油だけが目的だった」 と批判されることが多いが、実態は少々異なっていた。
確かに解体作業では最初に脂肪層をはぎ取り、油を生産している映像が続いているから、油が主生産物だ。
そして主な製品として、マーガリンや洗剤、石鹸、ろうそく、靴のクリームなどが紹介されていた。
当時はバターが高価で、庶民はクジラ由来のマーガリンを買っていたという。
ここだけ見れば、「欧米の捕鯨は脂肪分だけが目的」 と言われても仕方ない。
ただしその他に、クジラのひげの部分は、プラスチックが発明されるまでは利用されていたし、 脂肪が少ない鯨肉は調味料を加えて缶詰にして、「Polaris」 という商品名で食用として販売した。
2001年の新聞記事になるが、マーガリンや鯨肉缶詰について紹介したものを引用しておこう。
www.ngz-online.de/archiv/neusser_feuilleton/Fuer-Margarine-zum-Suedpol_aid_228160.html
その鯨肉について、「牛肉に似ているが筋が少なく、低脂肪で鉄分が多く健康によい」 とされていた。
ドイツで捕鯨が盛んだった頃の名残は、フリースラント諸島で見られる。
風見鶏がニワトリの代わりにクジラだったり、大型クジラの下あごの骨がモニュメントになっていたり。
また、垣根の代わりにクジラの骨を並べていることもある。
このように現在は反捕鯨国でも、捕鯨の歴史を伝えている地域があることを、日本人も知っておきたい。
最後には、第二次世界大戦後に海運王オナシスが始めた捕鯨事業に、ドイツが参加したことも紹介された。
ただし捕鯨母船の船籍はパナマであり、その後もいろいろとトラブルがあって、捕鯨海賊船とも呼ばれた。
やがて石油が普及して、捕鯨の魅力がなくなったのか、オナシスは捕鯨から撤退することにした。
そして捕鯨船団は全て日本に売却され、ドイツの捕鯨は突然の最期を迎えることになった。
事実を記録して伝えるというドキュメンタリーの基本に忠実な番組で、非常に良い印象を持った。
60分ではIWCや他国との競争の話はごく短いが、それでもドイツの捕鯨の歴史を概観するには十分だ。
捕鯨に関心のある日本人には、どの立場の人にも見てほしい番組だとも感じた。
そこでNHKに、「BS世界のドキュメンタリー」 で取り上げてほしいと、要望メールを送った。
もし興味があれば、私が入手したDVDを無償で貸し出すことも申し出た。
採用される確率は非常に低いとは思うが、回答が来ることを期待している。
テーマ : 博物学・自然・生き物
ジャンル : 学問・文化・芸術