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「語学で身を立てる」(猪浦道夫著、集英社新書)

2003年発売の新書だが、今週になってから初めて読んだ。
それは、「語学で身を立てる」(猪浦道夫著、集英社新書)である。
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=4-08-720181-3&mode=1&jya_flg=3

【語学ブームといわれて久しい。だが、何のために語学を学びたいのかをまず考えるべきだ。通訳や翻訳業のような専門職に限らず、何らかの意味で語学力を生か した仕事をしたい人に指針を与える書。】

一  語学力を生かす三つの道
二  語学スペシャリストの三つのタイプ
三  語学エキスパートになるための資質
四  分野別キャリアアップ戦略
五  現状分析~いまなにをすべきか
六  語学専門家になるための勉強法
七  語学学習メソッドの種類と特徴
八  各国語翻訳市場概観
九  プロモーション戦略~いかに仕事を獲得するか
十  ケーススタディ~語学で身を立てている人々の実際
十一 FAQ~頻繁に受ける質問

私は派遣社員をしていた2004年秋に、収入増を目指して、ドイツ語翻訳者として翻訳会社に登録した。
そのときは、通訳翻訳ジャーナルなどを読んでいたが、この新書には気付かなかった。
翻訳を初めて5年半経った今、この新書を読んでみて、私の個性的な勉強法も悪くないと、再確認できたように思う。

では、私の勉強法や翻訳にも関係する記述について、参考までに抜粋して示しておこう。

三  語学エキスパートになるための資質
(1) 翻訳家に必要な資質
【 翻訳の仕事というのは結局のところ、…文化を伝えるという要素があります。したがって、外国語の能力はもちろん、当該の国に関するあらゆる知識があればあるほどよいわけです。外国語の能力を別にすれば、その知識が豊富であればあるほど適性があるといえます。

性格的にいえば、一般的に家で本を読んだり音楽を聴いたりするのが好きな人は、比較的翻訳家に向いているかもしれません。それから、ちょっとわからないことがあるとすぐに辞書や百科事典などを引きたくなるような、好奇心が強く生真面目な性格の人が向いているようです。
 … 文学部出身の人の翻訳は、比較的、文章に癖があって、しばしば意外な思い込みによる間違いを犯していることが多く、優れた産業翻訳家はむしろ法学部や理工学部出身の人に多いように思われます。】


六 語学専門家になるための勉強法
(1) お金になる語学力とは
【… 語学専門家になるというのは、語学力を商品として、他人から報酬を得ることだ…。 … プロとしての語学力とはなにかと一言でいうと、二つの言語間の翻訳能力です。
 … 英語やフランス語がネイティブのようなきれいな発音で話せるのはカッコいいかもしれませんが、それとプロとしての語学力があることとは別のことなのです。
 … 自分の専門言語の母国についてはもちろんですが、外国語を武器にする人なのですから、せめて世界の地理や経済などについて最低限の教養があってほしいものです。】

(2) 一ヵ国語専門か複数言語習得を目指すか
【… 私は常々語学のプロを目指すという生徒に、外国語の専門家になろうと思うのなら、マスターする必要はない、かじるということでいいから、三つくらいは勉強してみるといいといって複数言語の学習を勧めています。なぜなら、その方が言葉というものが本来どういうものであるかがよくわかるからです。…】

(3) 英語の特殊性と英語単一学習の盲点
【… 英語は…、歴史的な事情で非常に多くの言語の要素を含んでいる、いわば折衷言語的な性格を持っています。… その結果、ご存知のように、現在の英語は他の西洋言語に比べて著しく語形変化が少なくなっているのです。
… そうした英語の特殊性を知らずに語学学習をしているとどうなるかというと、文の構造や論理を考えなくなってしまうのです。
… 英文和訳の翻訳の優秀な人は、実は英語を専門にしている(加えて特に他言語の学習経験のない)翻訳者より、フランス語やドイツ語などの優秀な翻訳者で英語もできるという人の方が、はるかに信頼できる人である確率が高いようです。…】

八 各国語翻訳市場概観
(4) ドイツ語
【 ドイツ語は、通訳より翻訳の方が圧倒的に大きな市場になっています。あらゆる分野で、ドイツ語の実務翻訳能力のある人は、仕事に困らないと思います。…
 ドイツ語は勉強している人も多いし、できる人も多いのですが、比較的、文学部出身の人が多いのが難なようです。したがって、例えば法律とか経済、自動車工業、保険、建築、その他実務的なビジネスや貿易実務などの知識と、ドイツ語の語学力の双方を兼ね備えている人が割合少ないのです。ですからドイツ語の場合もなにかしら切り札にできる分野をもっている人は特に仕事がやりやすいと思います。】


(10) オランダ語と北欧諸語、フィンランド語
【この他の言語で翻訳の仕事をするのに有望な市場は、ヨーロッパでは、オランダ語、北欧三ヵ国語(デンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語。プロとしてやるなら三ヵ国語すべての習得が必須)といったところでしょう。… オランダ語と北欧三ヵ国語は、ドイツ語と英語のよくできる人が、用意周到にとりかかれば比較的習得しやすい言語なので、もう少し人材が多いといいのですが、たいていドイツ語の翻訳者がついでにやっているケースが多いので、専門の優秀な翻訳者は本当に少ないのです。】

そろそろデータベース和訳の案件が来そうだが、もし何もなければ、連休はドイツ語の他にも、ノルウェー語の勉強を進めよう。

テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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