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小惑星24番テミス表面に水氷と有機化合物を検出

天体の衝突で形成された原始地球は高温だったが、やがて冷えて、水をたたえるようになったという。
その水と、生命の誕生に必要な有機化合物は、地球に落下した彗星や隕石に由来するという仮説が提出されていた。
彗星については、これまでの観測から、水の他に低分子有機化合物が検出されている。

以下に引用したAFP記事のように、小惑星についても、赤外吸収スペクトルの観測から、水(氷)と有機化合物が検出されている。
www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2722320/5684460
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【火星と木星の軌道の間で太陽の周りを公転している小惑星に氷と有機化合物があることが初めて確認された。米ジョンズ・ホプキンス大 とセントラルフロリダ大の研究チームがそれぞれ28日の英科学誌ネイチャーに発表した。

両チームはそれぞれ、ハワイにある米航空宇宙局の赤外線望遠鏡を使い、直径200キロの小惑星「24テミス」の表面が薄い氷で覆われていることを発見した。

長い間、約40億年前にすい星や小惑星が地球に衝突し、生命体にとって必要不可欠な水や炭素系分子がもたらされたと考えられてきたが、今回の発見は初めて、その仮説に確固たる証拠を示したことになる。

ただ、謎も残る。表層の氷を解かしてしまうほどの温度を持つ小惑星に、どのようにして何十億年も氷が存続することができたのか。

この謎について研究チームは、24テミスは間違いなく想像以上に多くの水を保持しており、内部からゆっくりと供給される水蒸気によって継続的に表層の氷を補っていると説明している。】
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いつもは Nature の論文を会社でダウンロードして読んでいるが、11連休となったので5月10日に確認しよう。
www.nature.com/nature/journal/v464/n7293/

代わりに、Nature News の記事を引用しておこう。
www.nature.com/news/2010/100428/full/news.2010.207.html

24番テミスが選ばれたのは、小惑星帯で発見された彗星様天体の母天体と考えられているからだ。
そして赤外線での吸収スペクトル観測で、水と炭素-水素結合に由来する吸収が検出された。
水は氷の状態で存在しているが、これまで小惑星帯の位置では、氷として存在するには太陽に近すぎると言われていた。
蒸発せずに表面に残っているのは、小惑星内部にある水が徐々に表面に供給されているからと考えられている。

有機化合物は、炭素-水素結合に由来する吸収スペクトルの検出というだけで、その種類は不明だが、別の研究で、マーチソン隕石から多数の有機化合物が検出されたことから、同様の組成かどうか気になる。

日本の研究チームが小惑星イトカワの探査で試みたように、今後も探査機による直接サンプル収集に挑戦してほしいものだ。

また、NASAの望遠鏡を使ったということで、NASAでもニュースを掲載している。
www.nasa.gov/topics/solarsystem/features/asteroid20100428.html


追記(4月30日):
4月27日、ドイツ・ウンターフランケン地方の Hettstadt に、約20kgの氷塊が落下した。
上空を飛ぶ飛行機の機体に結氷したものが、はがれて落下したという可能性が高いが、由来は未だ不明である。
一説では、「氷隕石(微小彗星)」 ではないかとも言われている。
www.br-online.de/studio-franken/aktuelles-aus-franken/eisbrocken-hettstadt-2010-kw17-ID1272432564158.xml

テーマ : 星・宇宙
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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