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アイスランド火山の名称Eyjafjallajökullは英単語として残るだろうか

火山灰がヨーロッパの航空網を麻痺させたことで有名になったアイスランドの火山だが、その名称 Eyjafjallajökull の発音が困難だということも話題となっている。
各国のニュースで取り上げられているが、
32万人のアイスランド人以外は誰も正確に発音できない、とまで言われている。

話題となってから動画サイトには、Eyjafjallajökull の発音と意味を解説する動画がアップされているし、Wikipedia では音声ファイルが登録されているので、実際の発音を確認できる。

それでも、アナウンサーが発音できないためか、いつの間にか 「Iceland's volcano」 などと言い換えるようになった。
アイスランド語の固有名詞は視聴者も慣れていないので、簡単で日常的な単語で言い換える方が無難だろう。

日本語ニュースでは、「エイヤフィヤトラヨークトル」 と、実際の発音を参考にしたカタカナ表記になっている。
www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2711517/5528627

アイスランド語の ll は、原則として [tl] と t の音が入る(ただし、固有名詞の愛称形・外来語・d, s, t の前を除く。)
この火山名から例示すると、「山」を意味する fjall は「フィヤトル」だが、その属格 fjalls(山の)は「フィヤルス」となる。

人々の印象に残った火山ではあるが、発音が困難という理由もあって、英単語として定着するとは思われていない。

ここでは、CNNの日本語ニュースから抜粋しておこう。
www.cnn.co.jp/iceland/AIC201004280015.html

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【英語は1400年の歴史の中で、さまざまな固有名詞を単語として取り入れてきた。
それならば、世界の航空網に大混乱をもたらしたアイスランドの火山「Eyjafjallajokull」は、新しい英単語となるのだろうか。

英語を中心に単語の使われ方や選択の傾向、文化への影響について分析しているグローバル・ランゲージ・モニターのポール・JJ・パヤック氏は悲観的だ。 「正しく発音されているのを聞いたことがない」というのがその理由である。

この火山の名称の検索回数はすでに250万回を超えているという。
「これほど何度となく紹介されているのに正確に発音されることがほとんどない語は非常に珍しい」と同氏はいう。

噴火が…「長引けば、間違いなく単語化するだろう。だが、英語の辞書に載っていながら、英語圏の人々が発音できないという珍現象がおこる」と同氏は語った。】

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ここで取り上げられた Global Language Monitor のサイトは次の通り。
www.languagemonitor.com/

実在する火山なので、論文や専門書で使う学術用語としては残るはずだが、噴火がおさまれば話題とはならず、いつの間にか人々はその火山のことを忘れてしまうだろう。
話題にするとしても、「アイスランドの例の火山」 と、発音できない固有名詞は出てこないと思われる。

英語には100万を超える単語があると言うが、死語となった単語もあるはずだから、実際に使うのはもっと少ないだろう。
今回の火山名も、あと1年くらいは引用されたとしても、その後は忘れられ、難読単語のクイズに出るくらいになるかもしれない。


ところで、発音だけではなく綴りについても少々気 になることがあった。
Eyjafjallajökull の変音記号が脱落して、Eyjafjallajkullなっていることだ。
英語で使わない特殊文字は仕方ないとしても、他の報道のように、Eyjafjallajekull で代替してほしかった。

英語全盛の日本だが、この火山名をきっかけに、アイスランド語を勉強する人は増えるだろうか。

テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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