ヨルダンで開催される国際会議にイスラエル人研究者が招待されていない
本日の昼休み、Science 誌8月26日号の目次を眺めていたら、気になるニュースがあった。
翻訳納期直前で忙しいが、簡単にメモしておこう。
10月6日からヨルダンの死海で開催される国際会議の招待講演者に、イスラエル人が全く入っていないことが取り上げられている。
www.sciencemag.org/cgi/content/summary/329/5995/1006-a
(有料記事のため、全文は、図書館などで確認してほしい。)
翻訳納期直前で忙しいが、簡単にメモしておこう。
10月6日からヨルダンの死海で開催される国際会議の招待講演者に、イスラエル人が全く入っていないことが取り上げられている。
www.sciencemag.org/cgi/content/summary/329/5995/1006-a
(有料記事のため、全文は、図書館などで確認してほしい。)
招待講演者の一人、ノーベル化学賞受賞者の Roald Hoffmann 教授が、講演をボイコットするように呼び掛けている。
サイエンスの場である国際会議が、アラブ対イスラエルの政治に利用されていると、憤慨しているとのことだ。
また、IUPACに対しても、この国際会議のスポンサーを辞退するように訴えている。
この国際会議は、第11回Eurasia Conference on Chemical Sciences。
学会のHPは次の通りで、招待講演者の一覧は、「Eminent Speakers」 をクリックして確認してほしい。
www.euasc2s-11.ju.edu.jo/Public/Main_English.aspx
学会のオーガナイザーは、取り上げたテーマや時間の都合で、イスラエル人研究者を招待できなかったと説明している。
逆に Hoffmann 教授が、政治的利用をしていると批判している。
イスラエルと和平条約を締結し、外交関係もあるヨルダン政府ではあるが、イスラエル人研究者に入国許可を出せば、アラブ諸国内での立場は悪くなるし、もしかするとテロの発生も懸念される。
リゾート地の死海で開催することもあって、余計な事件を誘発したくないということかもしれない。
ところで、講演ボイコットを呼びかけている Hoffmann 教授は、アメリカで研究しているユダヤ系ポーランド人である。
略歴については、ノーベル財団のサイト(英語)で確認してほしい。
nobelprize.org/nobel_prizes/chemistry/laureates/1981/hoffmann-autobio.html
Hoffmann 教授が親イスラエルなのか、反アラブなのか、私は知らないが、他のユダヤ系の研究者は、どうするのだろうか。
「科学には国境はないが、科学者には祖国がある」 という、パスツールの言葉を思い出した。
続報があれば追記しておこう。
追記(9月14日):
アメリカ化学会の会員誌 Chemical & Engineering News の9月3日付け記事でも取り上げられていた。
アクセス制限はないので、Science 誌の有料記事が読めない人は、こちらを読んでほしい。
pubs.acs.org/cen/news/88/i36/8836news8.html
Hoffmann 教授は 2009 年から、他の中東地域の奨学金の話もあって、ヨルダンでの会議のボイコットを主張していたそうだが、この意見に賛成している人はほとんどいない。
著名なイスラエル人研究者が招待されていないとしても、、自身の判断で口頭発表やポスター発表に参加すればいい。
ただ、ヨルダンの死海近辺というのは、旧約聖書でも重要な場所なので、政治的意図を感じる人は多いだろう。
(最終チェック・修正日 2010年09月14日)
サイエンスの場である国際会議が、アラブ対イスラエルの政治に利用されていると、憤慨しているとのことだ。
また、IUPACに対しても、この国際会議のスポンサーを辞退するように訴えている。
この国際会議は、第11回Eurasia Conference on Chemical Sciences。
学会のHPは次の通りで、招待講演者の一覧は、「Eminent Speakers」 をクリックして確認してほしい。
www.euasc2s-11.ju.edu.jo/Public/Main_English.aspx
学会のオーガナイザーは、取り上げたテーマや時間の都合で、イスラエル人研究者を招待できなかったと説明している。
逆に Hoffmann 教授が、政治的利用をしていると批判している。
イスラエルと和平条約を締結し、外交関係もあるヨルダン政府ではあるが、イスラエル人研究者に入国許可を出せば、アラブ諸国内での立場は悪くなるし、もしかするとテロの発生も懸念される。
リゾート地の死海で開催することもあって、余計な事件を誘発したくないということかもしれない。
ところで、講演ボイコットを呼びかけている Hoffmann 教授は、アメリカで研究しているユダヤ系ポーランド人である。
略歴については、ノーベル財団のサイト(英語)で確認してほしい。
nobelprize.org/nobel_prizes/chemistry/laureates/1981/hoffmann-autobio.html
Hoffmann 教授が親イスラエルなのか、反アラブなのか、私は知らないが、他のユダヤ系の研究者は、どうするのだろうか。
「科学には国境はないが、科学者には祖国がある」 という、パスツールの言葉を思い出した。
続報があれば追記しておこう。
追記(9月14日):
アメリカ化学会の会員誌 Chemical & Engineering News の9月3日付け記事でも取り上げられていた。
アクセス制限はないので、Science 誌の有料記事が読めない人は、こちらを読んでほしい。
pubs.acs.org/cen/news/88/i36/8836news8.html
Hoffmann 教授は 2009 年から、他の中東地域の奨学金の話もあって、ヨルダンでの会議のボイコットを主張していたそうだが、この意見に賛成している人はほとんどいない。
著名なイスラエル人研究者が招待されていないとしても、、自身の判断で口頭発表やポスター発表に参加すればいい。
ただ、ヨルダンの死海近辺というのは、旧約聖書でも重要な場所なので、政治的意図を感じる人は多いだろう。
(最終チェック・修正日 2010年09月14日)