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古代ギリシャ人はハレー彗星を見たのか?

1986年に回帰したハレー彗星は、古代から何度も出現が記録されている。
詳細な軌道計算の結果、現時点で最も古い出現記録は、紀元前240年の古代中国での記録である。
他にもバビロニアでも正確な記録があり、その後の出現も含めて確認されている。

まだ日本語記事がないようだが、紀元前466年に古代ギリシャ人がハレー彗星を見ていた可能性が指摘されている

その可能性を示した論文は、Journal of Cosmology, 2010, 9, 2130-2136.
"An Ancient Greek Sighting of Halley's Comet?" Daniel W. Graham, Ph.D., and Eric Hintz, Ph.D.
journalofcosmology.com/AncientAstronomy106.html

この論文を取り上げた外国報道は、例えば次の通り(BBCと Süddeutsche Zeitung)。
www.bbc.co.uk/news/science-environment-11255168
www.sueddeutsche.de/wissen/astronomie-antiker-komet-1.999255

これまでも、紀元前240年よりも古い出現記録の発掘が続けられていた。
古代ギリシャ人は天文現象について、古代中国やバビロニアのような正確な記録を残さなかったため、あまり検討されなかった。

ただし今回の論文の著者らは、紀元前467年から466年頃の隕石落下の記録から、ハレー彗星との関連を推測した。
また、アリストテレスが著書の中でこの隕石落下に触れている個所で、「西に彗星が見えた」 と書いているそうだ。

そしてハレー彗星の軌道計算をすると、紀元前466年7月を中心として75日間、肉眼で見えた可能性があることが判明した。

隕石落下とハレー彗星回帰とは偶然の一致とする意見もあるし、出現当時の正確な記録がないが、この仮説が認められれば、最古の出現記録が書き換えられることになる。

古代ギリシャの天文学が発展するのは紀元前3世紀頃からだし、紀元前466年の天文現象を詳細に記録するような体制にはなかったのだろう。

今後もどこかの遺跡から、信頼できる資料が発掘され、ハレー彗星の出現記録が見つかることを期待したい。

テーマ : 星・宇宙
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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