アメリカで核兵器・核物質輸送業務のドライバーが酒がらみの事件を起こしていた
日本のニュースで核兵器の話題と言えば、北朝鮮やイランの核開発がほとんどだが、今週の欧米のニュースでは、アメリカの核兵器・核物質輸送業務を行う政府機関のドライバーが、酒がらみの事件を起こしていたことが取り上げられている。
翻訳の分納が終わって一息ついたとき、いつもチェックしているドイツの報道で、このスキャンダルを知った。
例えば、SPIEGEL Online の記事は次の通り。
www.spiegel.de/wissenschaft/mensch/0,1518,730523,00.html
記事中に出てくる Office of Secure Transportation(OST)は、アメリカ政府エネルギー省の下部組織である。
11月17日付の査察報告書で、核物質輸送ドライバーの飲酒についての調査結果が公表された。
www.ig.energy.gov/
www.ig.energy.gov/documents/INS-L-11-01.pdf (人間信頼性と飲酒に関する報告書)
nnsa.energy.gov/securetransportation (OSTのサイト)
英語報道として、BBCと New York Times を引用しておこう。
www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-11816563
www.nytimes.com/gwire/2010/11/22/22greenwire-probe-finds-alcohol-incidents-among-doe-agents-89728.html
翻訳の分納が終わって一息ついたとき、いつもチェックしているドイツの報道で、このスキャンダルを知った。
例えば、SPIEGEL Online の記事は次の通り。
www.spiegel.de/wissenschaft/mensch/0,1518,730523,00.html
記事中に出てくる Office of Secure Transportation(OST)は、アメリカ政府エネルギー省の下部組織である。
11月17日付の査察報告書で、核物質輸送ドライバーの飲酒についての調査結果が公表された。
www.ig.energy.gov/
www.ig.energy.gov/documents/INS-L-11-01.pdf (人間信頼性と飲酒に関する報告書)
nnsa.energy.gov/securetransportation (OSTのサイト)
英語報道として、BBCと New York Times を引用しておこう。
www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-11816563
www.nytimes.com/gwire/2010/11/22/22greenwire-probe-finds-alcohol-incidents-among-doe-agents-89728.html
OTSの任務で輸送しているのは、核兵器・兵器関連物資・核物質であり、ただの危険物ではない。
そのため、輸送任務にあたる職員は、21週間にも渡る研修・訓練を受けており、犯罪集団の攻撃や核物質奪取などに備えている。
訓練を受けた専門の連邦職員であっても人間なので、事故を防ぐためには、人間信頼性の向上を常に求められている。
今回の査察報告書の中では、「飲酒関係の事件」 が取り上げられており、メディアはこの内容に飛びついた。
2007年から2009年の間に、飲酒関係の事件は16件発生しており、職員の約3%が起こした計算になる。
うち2件は重大な事件として指摘されている。
任務中の輸送団が夜間に休息をとる場合、安全な(軍事用)車両置き場に駐車し、職員は現地のホテルに宿泊する。
飲酒が認められる時間や、運転前のアルコール血中濃度などの規則があるにもかかわらず、2007年には1名が公衆の面前での泥酔で逮捕され、2009年には2名がバーでの騒ぎで警察に一時拘束された。
残り14件は軽微な事件なのか、その内容は紹介されていない。
広報担当者は、任務中に飲酒運転はしていないと強調しているだけである。
厳しい訓練の間に、酒がらみの事件を起こした者や、規則を守れなかった者は除外されているにもかかわらず、3年間で16件も事件を起こしているため、今回の報告書では、今後の対策も提案されている。
この報告書とメディアの批判を契機に、アメリカ国内での陸上輸送については安全確保が進むと思われる。
まあ、訓練するよりも、元々習慣的に酒を飲まない人を、ドライバーに選べば良かったと思うのだが。
核兵器関連と言えば、グリーンランドでアメリカの爆撃機が墜落した時、搭載していた核爆弾のうち1個が行方不明になっているし、核兵器を搭載した航空機が沖縄沖で空母から落ちて深海に沈んだが、回収不可能で今でも放置されている。
完璧な管理というのは困難なので、理想としては、元々核兵器など持たなければいいのだが。
核兵器のない世界というものをこの目で見るまで、あと何年待てばよいのだろう。
日本でも、原発用燃料集合体や放射性廃棄物、そして再処理プルトニウムの輸送が行われている。
ドライバーに禁酒などの教育はできているだろうが、東京ど真ん中の首都高を走ったりと、リスクはゼロではない。
最近はほとんど報道されなくなったが、どこで核燃料を製造し、どのルートを通っているのか、継続的な報道も期待したい。
そのため、輸送任務にあたる職員は、21週間にも渡る研修・訓練を受けており、犯罪集団の攻撃や核物質奪取などに備えている。
訓練を受けた専門の連邦職員であっても人間なので、事故を防ぐためには、人間信頼性の向上を常に求められている。
今回の査察報告書の中では、「飲酒関係の事件」 が取り上げられており、メディアはこの内容に飛びついた。
2007年から2009年の間に、飲酒関係の事件は16件発生しており、職員の約3%が起こした計算になる。
うち2件は重大な事件として指摘されている。
任務中の輸送団が夜間に休息をとる場合、安全な(軍事用)車両置き場に駐車し、職員は現地のホテルに宿泊する。
飲酒が認められる時間や、運転前のアルコール血中濃度などの規則があるにもかかわらず、2007年には1名が公衆の面前での泥酔で逮捕され、2009年には2名がバーでの騒ぎで警察に一時拘束された。
残り14件は軽微な事件なのか、その内容は紹介されていない。
広報担当者は、任務中に飲酒運転はしていないと強調しているだけである。
厳しい訓練の間に、酒がらみの事件を起こした者や、規則を守れなかった者は除外されているにもかかわらず、3年間で16件も事件を起こしているため、今回の報告書では、今後の対策も提案されている。
この報告書とメディアの批判を契機に、アメリカ国内での陸上輸送については安全確保が進むと思われる。
まあ、訓練するよりも、元々習慣的に酒を飲まない人を、ドライバーに選べば良かったと思うのだが。
核兵器関連と言えば、グリーンランドでアメリカの爆撃機が墜落した時、搭載していた核爆弾のうち1個が行方不明になっているし、核兵器を搭載した航空機が沖縄沖で空母から落ちて深海に沈んだが、回収不可能で今でも放置されている。
完璧な管理というのは困難なので、理想としては、元々核兵器など持たなければいいのだが。
核兵器のない世界というものをこの目で見るまで、あと何年待てばよいのだろう。
日本でも、原発用燃料集合体や放射性廃棄物、そして再処理プルトニウムの輸送が行われている。
ドライバーに禁酒などの教育はできているだろうが、東京ど真ん中の首都高を走ったりと、リスクはゼロではない。
最近はほとんど報道されなくなったが、どこで核燃料を製造し、どのルートを通っているのか、継続的な報道も期待したい。