「眠りにつく太陽-地球は寒冷化する」(桜井邦朋著、祥伝社新書)
まだ年末の勤務が残っている時期に翻訳を受注して忙しかったが、通勤時間を利用して新書を読んでいた。
今月読んだのは、地球温暖化などの気候変動の原因を太陽だとする新書である。
太陽物理学者の桜井邦朋博士が書いた、「眠りにつく太陽-地球は寒冷化する」 だ。
www.s-book.net/plsql/slib_detail
【太陽物理学の第一人者による温暖化・非温暖化論争に決着をつける書
地球気候変動の真の要因を探る
「地球温暖化=CO2排出が原因」
本当にそれは正しいのだろうか?
現在、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」を中心として、地球温暖化が急激に進行していること、そして、その原因が人類が排出する炭酸ガス(CO2)であるということが、結論のようにいわれている。
しかし、本書で出す結論は、それとはまったく別の予測である。
最近の過去100年余りを通じて、太陽活動がどのように変動してきたか、またそれにともなって、地球の気候がいかに推移してきたかについて、一般の方々に正しく理解していただくことが大切なのだと考えた。その結果、できあがったのが本書なのである。】
今月読んだのは、地球温暖化などの気候変動の原因を太陽だとする新書である。
太陽物理学者の桜井邦朋博士が書いた、「眠りにつく太陽-地球は寒冷化する」 だ。
www.s-book.net/plsql/slib_detail
【太陽物理学の第一人者による温暖化・非温暖化論争に決着をつける書
地球気候変動の真の要因を探る
「地球温暖化=CO2排出が原因」
本当にそれは正しいのだろうか?
現在、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」を中心として、地球温暖化が急激に進行していること、そして、その原因が人類が排出する炭酸ガス(CO2)であるということが、結論のようにいわれている。
しかし、本書で出す結論は、それとはまったく別の予測である。
最近の過去100年余りを通じて、太陽活動がどのように変動してきたか、またそれにともなって、地球の気候がいかに推移してきたかについて、一般の方々に正しく理解していただくことが大切なのだと考えた。その結果、できあがったのが本書なのである。】
章立ては次の通り。
プロローグ 「眠りにつく太陽」とは?
第1章 歴史に見る地球の気候変動
第2章 太陽活動と地球気候との関わり
第3章 太陽の何が地球の気候に影響しているのか?
第4章 地球温暖化と太陽との関わり
第5章 「眠りについた太陽」の今後は
エピローグ 小氷河期がきたら私たちはどうなるか
2008年1月に、太陽活動の周期は第24サイクルに入ったと発表されたが、それは予測より1年ほど遅かった。
太陽黒点の磁極反転を根拠にして、第23サイクルは極小となり、第24サイクルが開始したと判断された。
しかしその後、予想に反して黒点数は増えず、2009年になってから、ゆっくりと増加し始めた。
過去の記録から、通常の周期であれば、今頃極大になっていてもよかったはずだが、活動はまだ低調のままだ。
国立天文台太陽観測所のHPで黒点相対数のグラフを確認してみると、第24サイクルの立ち上がりは鈍く、そしてどこまで上がるのかも予想できず、太陽は眠ったと唱える科学者が出てきても不思議ではない。
solarwww.mtk.nao.ac.jp/jp/solarobs.html
桜井博士は1970年代にも、小氷河期が来るという論文を出したことがあるそうだが、予測ははずれてしまった。
その頃、氷河期になった場合の地球環境の予測について、あるテレビ番組で見た覚えがある。
ヨーロッパは氷に覆われるが、サハラ砂漠やアマゾンが穀倉地帯になるという想像図が出ていたように思う。
最近は寒冷化ではなく、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加で、地球は温暖化していると言われるようになった。
フロンやメタンなども含めた温室効果ガスの削減だけではなく、グリーンエネルギー革命が必要だとも言われている。
2000年以降は、確かに平均気温よりも高い状態が続いているが、気温上昇は頭打ちになっているとも指摘されている。
他にも様々な反証が試みられており、本当に地球が温暖化するのかどうか、懐疑的な科学者は存在している。
そして著者は、地球の気候に影響を与えているのは二酸化炭素ではなく、太陽の活動度(磁場や太陽風)であり、
太陽活動が弱くなると、宇宙空間から地球に到達する宇宙線が増加し、気候変動の原因となると主張している。
大気中に 0.04% しかなく、しかも水蒸気よりも少ない二酸化炭素が主因と言うのは、非科学的であると考えている。
本書に出てくる様々なグラフを見ていると、太陽活動と地球の気候変動との間に関連性があるように思えてくる。
ただ、科学というものは仮説の塊なので、「もし仮説が正しければ、こうなるかもしれない」 というだけだ。
実際に太陽活動が今後停滞するのかどうか、そして地球寒冷化につながるかどうかもわからない。
わからないからこそ、今回の太陽活動停滞時に、様々な観測データを蓄積して解析することには意味がある。
同様に、温室効果ガス増加による地球温暖化説も仮説なので、予測が当たるかどうかは不確実である。
不確実性という観点から言えば、もし火山の大噴火が頻発すれば、逆に寒冷化するかもしれないし。
それでも温室効果ガスの削減が必要だと言うのは、もし仮説が本当だったと判明したときには手遅れだから、
リスク回避のために今から対処しておこうという、科学というよりも、政治的判断と思われる。
それに温暖化が起きなかったとしても、クリーンエネルギーなどの新技術開発が進めば良いという意見もある。
新技術開発だけではなく、新しいライフスタイルへの転換で、新しいビジネスが生まれるという経済的期待もある。
「低炭素社会」 というキーワードを基にして、一儲けを企んでいる人たちが、世界中にいるはずだ。
ところで、もし桜井博士の言うように、太陽活動が気候変動の原因だとなった場合、
二酸化炭素を排出しない発電として原発増設を進めている関係者は、次はどんな言い訳を考えるのだろうか。
プロローグ 「眠りにつく太陽」とは?
第1章 歴史に見る地球の気候変動
第2章 太陽活動と地球気候との関わり
第3章 太陽の何が地球の気候に影響しているのか?
第4章 地球温暖化と太陽との関わり
第5章 「眠りについた太陽」の今後は
エピローグ 小氷河期がきたら私たちはどうなるか
2008年1月に、太陽活動の周期は第24サイクルに入ったと発表されたが、それは予測より1年ほど遅かった。
太陽黒点の磁極反転を根拠にして、第23サイクルは極小となり、第24サイクルが開始したと判断された。
しかしその後、予想に反して黒点数は増えず、2009年になってから、ゆっくりと増加し始めた。
過去の記録から、通常の周期であれば、今頃極大になっていてもよかったはずだが、活動はまだ低調のままだ。
国立天文台太陽観測所のHPで黒点相対数のグラフを確認してみると、第24サイクルの立ち上がりは鈍く、そしてどこまで上がるのかも予想できず、太陽は眠ったと唱える科学者が出てきても不思議ではない。
solarwww.mtk.nao.ac.jp/jp/solarobs.html
桜井博士は1970年代にも、小氷河期が来るという論文を出したことがあるそうだが、予測ははずれてしまった。
その頃、氷河期になった場合の地球環境の予測について、あるテレビ番組で見た覚えがある。
ヨーロッパは氷に覆われるが、サハラ砂漠やアマゾンが穀倉地帯になるという想像図が出ていたように思う。
最近は寒冷化ではなく、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加で、地球は温暖化していると言われるようになった。
フロンやメタンなども含めた温室効果ガスの削減だけではなく、グリーンエネルギー革命が必要だとも言われている。
2000年以降は、確かに平均気温よりも高い状態が続いているが、気温上昇は頭打ちになっているとも指摘されている。
他にも様々な反証が試みられており、本当に地球が温暖化するのかどうか、懐疑的な科学者は存在している。
そして著者は、地球の気候に影響を与えているのは二酸化炭素ではなく、太陽の活動度(磁場や太陽風)であり、
太陽活動が弱くなると、宇宙空間から地球に到達する宇宙線が増加し、気候変動の原因となると主張している。
大気中に 0.04% しかなく、しかも水蒸気よりも少ない二酸化炭素が主因と言うのは、非科学的であると考えている。
本書に出てくる様々なグラフを見ていると、太陽活動と地球の気候変動との間に関連性があるように思えてくる。
ただ、科学というものは仮説の塊なので、「もし仮説が正しければ、こうなるかもしれない」 というだけだ。
実際に太陽活動が今後停滞するのかどうか、そして地球寒冷化につながるかどうかもわからない。
わからないからこそ、今回の太陽活動停滞時に、様々な観測データを蓄積して解析することには意味がある。
同様に、温室効果ガス増加による地球温暖化説も仮説なので、予測が当たるかどうかは不確実である。
不確実性という観点から言えば、もし火山の大噴火が頻発すれば、逆に寒冷化するかもしれないし。
それでも温室効果ガスの削減が必要だと言うのは、もし仮説が本当だったと判明したときには手遅れだから、
リスク回避のために今から対処しておこうという、科学というよりも、政治的判断と思われる。
それに温暖化が起きなかったとしても、クリーンエネルギーなどの新技術開発が進めば良いという意見もある。
新技術開発だけではなく、新しいライフスタイルへの転換で、新しいビジネスが生まれるという経済的期待もある。
「低炭素社会」 というキーワードを基にして、一儲けを企んでいる人たちが、世界中にいるはずだ。
ところで、もし桜井博士の言うように、太陽活動が気候変動の原因だとなった場合、
二酸化炭素を排出しない発電として原発増設を進めている関係者は、次はどんな言い訳を考えるのだろうか。