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原発に頼らない「祝島自然エネルギー100%プロジェクト」

私は数年前、仕事の関係で、原発建設予定地の自治体に住むことになってしまった。
毎月複数の電力・原発関係の広報誌が各家庭に届けられ、強力な国策プロパガンダの実態に驚いた。
そして自治体が運営する研修所兼宿泊施設のプラネタリウム前には、宇宙関連のビデオは一つもなく、なぜか 「原発の安全性について」 という、東大の御用学者による解説ビデオが並んでいた。

そして建設予定地ということで、1世帯当たり4千円強の給付金の通知が来たが、私は受け取り拒否をした。
電力料金から相殺するということなので、最寄りの電力会社支店を訪問して、原発反対派だから受け取らないと宣言した。
すると対応した電力会社社員は、私は個人として訪問したのに、「勤務先がどこか言え」 だとか、「電気がないと困ると言うからから作ってやっているんだ」 などと怒鳴った。
勤務先に圧力をかけることをほのめかすなど、こういった威圧的態度が原発推進派の実態なのだ。

岩波書店の雑誌 「世界」 2011年1月号の特集は、「原子力復興という危険な夢」。
記事の中で特に読んでほしいのは、「原発頼みは一炊の夢か 福島県双葉町が陥った財政難」 である。
電源交付金に頼った自治体がどうなったのか、立地予定地に住む人々に知ってほしい実態だ。
(追記(4月24日):この記事について、3月28日からPDFで無料公開されている。
www.iwanami.co.jp/sekai/2011/01/pdf/skm1101-3.pdf

そして山口県では中国電力が、上関原発の建設を強行しようとして、反対運動もさらに活発になっている。
予定地の目の前にある祝島でも反対運動が活発だが、原発由来の電気に頼らないために、「自然エネルギー100%プロジェクト」 が始まった。
プロジェクトの公式HPは次の通り。
www.iwai100.jp/

このプロジェクトを伝えた朝日新聞の記事は次の通り。
www.asahi.com/eco/SEB201101190009.html
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【瀬戸内海に浮かぶ人口500人弱の小さな島、山口県上関町の祝島(いわいしま)で、エネルギー自給率100%をめざす野心的なプロジェクトが始まる。約4キロ対岸で進む中国電力の上関原発建設計画に28年間ほぼ島ぐるみで反対を続けてきた島民と、東京の環境NGOが手を組んだ。実現に向けた新組織を立ち上げ、企業やアーティストらの協力で資金を広く集める考えだ。

「祝島自然エネルギー100%プロジェクト」を進めるのは、島民の約9割が加わる「上関原発を建てさせない祝島島民の会」(山戸貞夫代表)と、東京のNGO「環境エネルギー政策研究所」(飯田哲也所長)。太陽電池などの設置や資金集めのため、「島民の会」を母体にした運営団体「祝島千年の島づくり基金」を14日に発足させた。

試算では、島で必要な電力は約1千キロワット。1台3~4キロワットの太陽電池を100基設置するのを当面の目標に、し尿を生かすバイオマス発電や小型の風力発電、太陽熱温水器も順次導入。送電線も強化し、10年ほどで島内のエネルギー生産が使用を上回る「自給率100%状態」をめざす

飯田さんによると、一定区域で「自然エネルギー100%」を目指す計画は欧州などでいくつかあるが、日本で本格的なものは初めてという。山戸さんは「持続可能なエネルギーで島が自立することが、原発計画を止めることにもなる」と意気込んでいる。】

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複数の個人や団体、企業が、このプロジェクトを支援することを既に表明しており、私が会員のWWFジャパンもそうだ。
www.wwf.or.jp/activities/2011/01/961819.html

WWFジャパンでは、パンダショップという通販サイトで、祝島の産品を販売することを通じて支援する。
「祝島」 で検索すると、現在は干しタコとタコの燻製の二種類だけだが、今後は増えることだろう。
shop.wwf.or.jp/

この上関原発からは距離があるが、私の両親の出身は瀬戸内海の島であり、私の本籍地もその島のままにしてある。
瀬戸内海の一部は国立公園に指定された自然を守るべき地域であり、また様々な海の幸に恵まれた海だ。
そのような場所に原発は似合わない。

追記(2月19日):
吉岡斉著、岩波ブックレット 「原発と日本の未来」 では、34-35ページに、中国電力が上関原発の強硬着工にこだわる理由について、著者の推測が書かれている。

【各電力会社の保有する原発の基数は、…おおむね業界での売上高の順位どおりである。…なお、中国電力、北陸電力は各二基である。中国電力も業界内での順位(発電電力量六位)からみると、やや影が薄い。業界内で、もっと貢献せよという無言の圧力がかかっているのかもしれない。中国電力が上関原発建設に固執する背景には、そうした圧力がある可能性がありそうだ。】

(最終チェック・修正日 2011年04月24日)

テーマ : 山口県
ジャンル : 地域情報

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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