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ツー・グッテンベルク独国防相が正式に博士号返上

貴族出身のツー・グッテンベルク独国防相は、バイロイト大学で2007年に取得した博士号を正式に返上した。
次に引用したAFP記事にあるように、21日に大学に返上を申し出て、大学側も博士号はく奪を発表した。
www.afpbb.com/article/politics/2786743/6851165

バイロイト大学のプレスリリース2件は次の通り(ドイツ語)
www.uni-bayreuth.de/039-036-gutten.pdf (国防相からの博士号返上の申し出について)
www.uni-bayreuth.de/presse/info/2011/040-037-gutten.pdf (博士号はく奪について)

この博士号はく奪後、大臣個人HPと、国防省HPでの大臣経歴紹介から、博士号取得の記載が消えている。
学歴としては、バイロイトとミュンヘンで法学・政治学を学んだ、というだけになっている。
www.zuguttenberg.de/person.php
www.bmvg.de/portal/a/bmvg/!ut/p/c4/04_SB8K8xLLM9MSSzPy8xBz9CP3I5EyrpHK9pNyydL3czLzM4pLUoszSXL2U1KJ4GF8vJzUpNa84J7E0Tb8g21ERAAbcn9k!/

これで、ドイツ人が憧れる肩書の一つの 「Dr.」 を使えなくなり、貴族であっても非常に残念に思っているだろう。
本名は正式には、「Karl Theodor Maria Nikolaus Johann Jacob Philipp Franz Joseph Sylvester Freiherr von und zu Guttenberg」 と非常に長いもので、それでも一番最初に 「Dr.」 を付けたしたいというのは、不思議な感情だ。

卒業単位をなんとか楽して取ろうという手抜き学生と同じような行動なので、通称 「コピペ大臣」 だとか、言い訳ばかりの 「自己防衛大臣」 と呼ばれてもしたかないだろう。

ドイツ人が欲しがる肩書の一つに 「Dr.(ドクター・博士)」 がある。 ドイツ留学中、テレビニュースに出てくる政治家はほとんど 「Dr. ○○」 だったので、同僚のドイツ人に質問すると、「政治学や歴史学などのドクターは、何か物語を少し書いて、楽してもらったものだ」 と、半分ばかにしていた。 引用したAFP日本語記事のように、貴族出身で人気のあるドイツのツー・グッテンベルク国防大臣もドクターの称号が欲しかった
貴族出身議員のツー・グッテンベルク独国防大臣でもドクターの称号が欲しかったのか

加えて恥ずかしいのは、少しずつ情報を出したり、態度を変えてゆく、いわゆる 「サラミ戦術」 である。
最初に間違いを認めて学位返上をしていればいいものを、「あくまで一時的に博士号を返上する」  だった。
目立たないように小出しにしたつもりが、ネット上に不正検証サイトができた後、「正式に返上」 に変わった。
de.guttenplag.wikia.com/wiki/GuttenPlag_Wiki

ただ、記事にあるように、未だに 【「深刻な過ち」があったという表現で、剽窃(ひょうせつ)は認めてはいない。】 だ。
約 1,300 個所の引用部分について、全て原典を示すことで、解決しようと考えているのかもしれない。

記事中にある 【科学的研究とは相容れない深刻な過ち】 とは、上記の引用方法のことでは単純すぎる。
文献の引用だけで書いたもので、自分の考察は一切入っていない、単なる報告書レベルだったという意味なのか。


大臣の論文については、この撤回した博士論文以外にも、もう一つ疑惑論文が見つかっている。
次のリンクに示したように、トルコとEUの関係について2004年に発表している。
www.hss.de/fileadmin/migration/downloads/aa33_internet.pdf

この二つ目の疑惑論文についても、GuttenPlag Wiki では検証する予定だという。


20年くらい前は、「ドイツ人は論文ねつ造などしない。競争主義のアメリカで起きることだ」 と言っていたが、
ドイツ人研究者の論文ねつ造事件は後を絶たず、今回のコピペ大臣の出現によって、
ドイツ人研究者のプライドは、さらに傷ついたことだろう。

まあ貴族でも聖職者でも、ただの人間ということなのだ。

テーマ : 政治家
ジャンル : 政治・経済

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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