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南極海調査捕鯨早期打ち切りの副産物? シー・シェパードが遭難者捜索に協力

既に報道されているように、日本の今季の南極海調査捕鯨は、攻撃的環境団体シー・シェパード(SSCS)の執拗な妨害行為によって、約1か月早く終了することになった。

日本鯨類研究所(鯨研)は2月18日に、憂さ晴らしの様なプレスリリースを出し、SSCSだけでなく、その船籍登録国や支援国も名指しで批判している。
icrwhale.org/110218ReleaseJp.htm

これで終わりかと思ったら、何と鯨研は、捕獲予定数がいかに少なく、クジラの生息数に影響しないのかを宣伝するため、「豆知識」 の記事を追加した。
タイトルは、「調査捕鯨の捕獲数について」。
icrwhale.org/pdf/09-A-1.pdf


その一方でSSCSは、捕獲予定数を約700頭も下回るという戦果を大々的に宣伝し、満足しているようである。
アニマルプラネット側としては、撮影日数が減ったものの、連日の攻撃の迫力映像を十分確保したのではないだろうか。

そしてこの南極海調査捕鯨早期切り上げの副産物というのか、SSCSが遭難者捜索に協力するという美談のネタが提供された。
妨害行為を終えて帰港する途中のSSCSに対して、ノルウェー冒険家たちを乗せた遭難ヨットを捜索するように依頼があった。
エコテロリストとして批判されているSSCSであるが、来年に向けて、この遭難ヨット捜索に協力したことを利用することだろう。

反捕鯨を主張する国や活動団体が歓喜する日が訪れた。 シーシェパード(SSCS)による執拗な妨害行為により、日本の南極海調査捕鯨が中止されると決定された。 2月18日の鹿野農林水産大臣の会見で発表された。www.maff.go.jp/j/press-conf/min/110218.html【…シー・シェパードは、今期の南極海におけるところの、調査捕鯨におきましても、妨害活動を行ってきたことは、ご承知�南極海調査捕鯨打ち切りで鯨肉価格上昇の可能性


南極点到達100年の今年、ノルウェー人を中心とする冒険家たちが、アムンセンの探検を再現しようと試みた。
探検チームは2名を上陸させた後、ヨット Berserk号でロス海を航行中、強風と高波を伴う悪天候のために遭難した。

Maritime New Zealind ニュージーランド海上安全庁)の最新ニュースは次の通り。
www.maritimenz.govt.nz/News/Latest-media.asp

最後の通信があった場所には、誰も乗っていないヨットのみで、救命ボートがどこに流されたのか不明であった。

ニュージーランド海軍のウェリントンが捜索に出動したが、ロス海に一番近い位置に、なんとSSCSの Steve Irvin 号がいた。
ということでSSCSに対して、救命ボートの捜索に協力するように要請があった。
燃料残量の問題があったものの、Steve Irvin号は捜索に参加し、そして Berserk号の救命ボートを発見した。
ただ、残念ながら誰も乗っておらず、捜索は継続している。

他にも、ロシア船籍の探検・観光クルーズ船 Professor Kromov号も捜索に参加している。

その捜索活動について、現時点の英語、ドイツ語およびノルウェー語の報道は次の通り(SSCSのサイトは自慢話に聞こえるのでリンクせず)。
www.heraldsun.com.au/news/breaking-news/trio-missing-as-life-raft-found-frozen/story-e6frf7jx-1226012120421 (オーストラリア)
www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm (ニュージーランド)
www.spiegel.de/reise/aktuell/0,1518,747761,00.html (ドイツ)
www.nrk.no/nyheter/verden/1.7524917 (ノルウェー)


この捜索活動は偶然が重なったわけだが、日本が調査捕鯨を途中でやめたから、そしてSSCSがニュージーランドへ向かう途中だったから、遭難したヨットを捜索しようということになった。

冷たい南極海ならば人命優先ということを、対象を限定的ではあっても、SSCSは一応理解しているということだ。
今後はこれを宣伝材料にするのかもしれないが。

そう言えば、日本の捕鯨船団で落水事故があったとき、SSCSが行方不明者捜索の申し出をしたのに、捜索の邪魔をしに来たと日本側は思いこみ、その申し出を断ったことがある。
このとき行方不明(推定死亡)だったが、調査は続行したことから、捕鯨団は人命よりもミッション優先の軍隊みたいだと感じた。

数年前の日新丸火災事故でも焼死した船員がいたが、このときの調査中止理由は火災やエンジントラブルであり、船員の命が失われたことではなかった。
このとき、グリーンピースが曳航することを提案したが、日本側は拒絶した。

また、出航直前に自殺した船員がいたが、詳細は公開されずに、調査捕鯨が予定通りに行われた。

北西太平洋で事故死があったときは一時帰港したが、それは調査に戻ることが可能だったからで、やはり日本捕鯨団はミッション優先の人命軽視と宣伝されても仕方ないだろう。

SSCSが遭難者を捜索している報道は海外では多く流れているが、日本で出るかどうかチェックしておこう。
多分、農林水産省が記者クラブを通じて阻止するかもしれないし。

(最終チェック・修正日 2011年02月27日)

テーマ : 海外ニュース
ジャンル : ニュース

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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