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ノルウェーのマイル「mil」は10km

メートル法およびSI単位系を既に採用している日本では、長さ・距離の単位はメートル(m)である。
そして状況に応じて、1 km (= 1,000 m) や、1 cm (= 0.01 m) など、適切なSI接頭辞を付けた表示をする。

それでもテレビ画面やパソコンのディスプレイなどのサイズでは、慣例的にインチ表示をしている (1 inch = 2.54 cm)。
メートル法で表示しなくても、テレビの普及率は高いため、32インチ液晶テレビの大きさは、自宅テレビを見れば想像可能だ。

ただし、英文和訳の仕事で、ヤード・ポンド法で書かれた文書の翻訳は面倒だ。
フィートやマイルを原文ママで残すのか、メートル法に換算した数値をカッコ内に併記するのか、それとも「約○キロメートル」と概算値を書くのか、クライアントに確認しなければならない。

ディスカバリーチャンネルの英語番組では、日本語字幕を参考にしながら、英語の聞き取り練習ができるので重宝している。
ただ、英語ではフィートを使っているのに、日本語字幕では「約○メートル」となっていることがあり、このときは少々混乱する。

距離の単位でもっと困るのが、「マイル」 という単位が複数あることだ。
陸上での距離を示す国際マイルは 1,609.344 m と定義されているが、航空・航海で使う国際海里のマイルは 1,832 m だ。

英語圏以外でも、「マイル」と和訳される距離単位が複数あり、ノルウェー語にはノルウェー・マイルがあることを知った。
辞書などで調べると 「mil = 10 km と書いてあり、国際マイルとは全く違う。


この mil という単語は、天皇皇后両陛下が千葉県旭市の避難所を訪問したことを報じた、ノルウェー紙 Aftenposten の記事で見つけた。
www.aftenposten.no/nyheter/uriks/article4094340.ece

【De to besøkte to evakueringssentere i byen Asahi, drøyt åtte mil øst for Tokyo. 】
「彼ら二人(天皇皇后両陛下)は、東京から80km東に離れた旭市の避難所2か所を訪問した。」

ここで、「8ノルウェー・マイル」 と直訳するのは違和感があるので、当然ながら、「80km」 にするのがよいだろう。
ちなみに、Google 翻訳を使って英訳または和訳すると、残念ながら 「80km」 とはならなかった。
最終的に人間が翻訳するという仕事は、今後もしばらくは、なくならないだろう。

また、ノルウェー語で 「キロメートル」 は、「kilometer」 と書き、同じ記事中で、福島第一原発周囲の避難区域についての記載で使っている。

【… evakueringssonen på 20 kilometer rundt atomkraftverket i Fukushima …】
「…福島原発周辺20km内の避難区域…」

英語版 Wikipediea の説明では、mil も日常的に使われるものの、標識などの公的な表示に使うことが多いとのことだ。
en.wikipedia.org/wiki/Mile#Other_miles

その説明の他には、自動車の燃費について、「0.7 L/mil」 などの表記も見られた。

使っているノルウェー語のテキストには書いていないことだったので、勉強になったものの、たった1個の単語を調べるのに時間をかけているのだから、独学というものは、本当にコツコツと少しずつ進めていく作業なのだと実感した。


ついでに、ノルウェー語に近いデンマーク語などでも調べてみた。
ただし、10 km なのはノルウェー語とスウェーデン語だけで、これは連合王国だったときに決めたためのようだ。
デンマーク語の綴りは mil で同じだが、7.5 km とのことである(昔は 7,532.5 m)。

ノルウェー語 mil (10 km)
スウェーデン語 mil (10 km)
デンマーク語 mil (7.5 km)
アイスランド語 míla (= english mile)

アイスランド語では míla と綴りが変わる。
ただし、これは英語圏のマイルとのことだ。

アイスランド語の勉強は全く進んでいないが、5月の連休はノルウェー語の勉強を優先して、テキストを一通り終えておこう。
そしてノルウェーでの捕鯨の記事について、ブログで紹介できるようにしておこう。


追記(4月23日):
ノルウェー語学習サイトの掲示板で、この mil について質問したところ、丁寧な回答をいただいた。
ノルウェーに語学留学すると必ず学ぶ単語だそうで、登山なども含めて、日常的に10km単位の距離表示に使っているとのことである。
道路標識の制限速度は時速○kmであるが、位置関係を示す距離は mil の方がなじみがあるようだ。

燃費表示は、ドイツでは100km当たりの燃料消費を示すが、ノルウェーは上記のように mil 当たり、つまり10km当たりの消費量。
日本では、1リットル当たりの走行距離だから、国によって表示基準が違うわけだ。
自動車メーカーも、輸出先に合わせて換算を間違えないようにしないといけないから、不便な気もする。
こんな雑学的なことも、これからの翻訳作業では役立つかもしれない。


追記(4月30日):
社内報編集委員の補助をしている私は、今回調べた mil の話を含めてコラムの原稿を書いた。

実は、コラムの原稿を依頼していた人が、締切日前日になったのに何も書いていないことが判明したため、ページを埋める保険として、私が代理で急遽執筆することになった。
今まで何度もはぐらかされてきたが、締切日夕方になってからやっと、連休明けに原稿を提出すると約束してくれたものの、最終編集会議前日であるためリスクが高い。

ということで、私が書いたノルウェー語学習のコラム原稿は、昨夜までに自分で推敲して、いつでも印刷に回せるようにしておいた。
今回は日の目を見ることはないかもしれないが、今年中に私のコラム原稿使われるはずなので、ノルウェーそしてノルウェー語を含めた北欧ゲルマン語について、社内で宣伝になるだろう。

ところで3年前も、締切日になったのに 「絶対書きたくない」 と言い張る人がいた。
そのときも私が代行執筆を指名され、一晩で原稿を書き上げ、白紙のページを埋めることになった。
こういう事態は編集委員を慌てさせ、そして私のような頼みやすい人にしわ寄せが来るので、できれば避けてほしいものだ。

(最終チェック・修正日 2011年04月30日)

テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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