カシオペア座Aの元である超新星爆発が英国王チャールズ2世誕生時に昼間でも見えていた?
過去の歴史的記録や伝承と、実際の天文学的現象を結び付ける学問として、考古天文学という分野がある。
例えば最近の研究では、新約聖書にあるイエスの処刑時の記載内容は、皆既日食があったことを描写していると言う人もいる。
また、古代日本での卑弥呼の失脚の原因とは、2年連続で皆既日食が起きたからだとも言われている。
そして次に引用したAFP記事にもあるように、4月17日から21日まで開催されている英国王立天文学会(Royal Astronomical Society)で18日に、カシオペア座Aの元になる超新星が爆発したのは、チャールズ2世誕生の時期に当たるとの発表がされた。
www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2796222/7104157
【…
巨大な星だったカシオペヤ座Aは超新星爆発を起こした。その際の光は約1万1000年かけて17世紀に地球に到達したと2人は言う。現在のカシオペヤ座Aは「超新星残がい」として知られている。
17世紀にこの超新星爆発を目撃したという記録は多いが、その多くは17世紀後半の約30年に集まっている。
ルン氏とラコッチー氏はさまざまな証拠を再検証したところ、超新星が発生した年代を特定するために現在よく使われている方法に疑問を持つと同時に、チャールズ2世が誕生した1630年の5月29日にこの超新星が見えていた可能性も浮上したという。】
また、その学会発表の要旨は次の通り。
www.ras.org.uk/component/db/
【Few astronomical phenomena have been as studied as the supernova known as Cassiopeia A. Widely believed to have occurred in the latter half of the seventeenth century, it is also thought to have gone unrecorded. This paper will argue that Cas A did not go unobserved, but in fact was seen in Britain on May 29, 1630, and coincided with the birth of the future King Charles II of Great Britain. …】
この発表を紹介する学会の記事は次の通り。
www.ras.org.uk/news-and-press/217-news2011/1948-nam-4-did-a-supernova-mark-the-birth-of-the-merry-monarch
学会発表の時点では、他の研究者による検証が済んでいないので、まだ仮説の段階であるが、これがきっかけとなって、考古天文学が少しでも進展することを期待したい。
例えば最近の研究では、新約聖書にあるイエスの処刑時の記載内容は、皆既日食があったことを描写していると言う人もいる。
また、古代日本での卑弥呼の失脚の原因とは、2年連続で皆既日食が起きたからだとも言われている。
そして次に引用したAFP記事にもあるように、4月17日から21日まで開催されている英国王立天文学会(Royal Astronomical Society)で18日に、カシオペア座Aの元になる超新星が爆発したのは、チャールズ2世誕生の時期に当たるとの発表がされた。
www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2796222/7104157
【…
巨大な星だったカシオペヤ座Aは超新星爆発を起こした。その際の光は約1万1000年かけて17世紀に地球に到達したと2人は言う。現在のカシオペヤ座Aは「超新星残がい」として知られている。
17世紀にこの超新星爆発を目撃したという記録は多いが、その多くは17世紀後半の約30年に集まっている。
ルン氏とラコッチー氏はさまざまな証拠を再検証したところ、超新星が発生した年代を特定するために現在よく使われている方法に疑問を持つと同時に、チャールズ2世が誕生した1630年の5月29日にこの超新星が見えていた可能性も浮上したという。】
また、その学会発表の要旨は次の通り。
www.ras.org.uk/component/db/
【Few astronomical phenomena have been as studied as the supernova known as Cassiopeia A. Widely believed to have occurred in the latter half of the seventeenth century, it is also thought to have gone unrecorded. This paper will argue that Cas A did not go unobserved, but in fact was seen in Britain on May 29, 1630, and coincided with the birth of the future King Charles II of Great Britain. …】
この発表を紹介する学会の記事は次の通り。
www.ras.org.uk/news-and-press/217-news2011/1948-nam-4-did-a-supernova-mark-the-birth-of-the-merry-monarch
学会発表の時点では、他の研究者による検証が済んでいないので、まだ仮説の段階であるが、これがきっかけとなって、考古天文学が少しでも進展することを期待したい。
また、このカシオペア座Aについては、爆発後の減光時に、カシオペア座3番星(6等星)として記録されたのではないかという説がある。
このフラムスチードが観測したカシオペア座3番星はその後、存在しないということで削除されている。
ところが1980年2月に、フラムスチードが超新星を観測したのかどうか、結論が異なる2つの論文が出ていた。
科学誌 Nature で双方の結論について解説している(有料記事)。
www.nature.com/nature/journal/v285/n5761/pdf/285132a0.pdf
【Did Flamsteed see the Cassiopeia A supernova?】
1980年の論文の時点では、超新星爆発の年が1667±8年と推定されていた。
それで、フラムスチードが1680年に観測(位置測定)したカシオペア座3番星について話題となっていた。
この Nature の解説記事については、引用文献などの資料をもう少し探してから、改めて投稿することにしよう。
ここでは、「カシオペア座3番星は超新星の観測ではない」 とする論文の解説について、簡単に触れておこう。
フラムスチードが行った星の位置測定誤差が 1' 以内という前提で、3番星の記録位置近くには5等星のカシオペア座AR(アルゴル型変光星)がある。
また別の候補としては、7等星の BD +56°2999 もある。
超新星の標準的な絶対光度-15等と、地球からの距離を考慮すると、途中で星間塵などによる減光がなければ、-3等星として見えていたと推測されている。
ということは、木星や金星並の明るさであり、日中に見えていたとしても不思議ではない。
「昼間に見えていた」 ということから、チャールズ2世誕生の1630年に超新星爆発があったという可能性も考慮してよいのではないか、それが今回の学会発表の主旨のようだ。
天文学者と歴史学者が協力して、考古天文学がさらに発展し、過去の事象について説明できるようになることを期待したい。
このフラムスチードが観測したカシオペア座3番星はその後、存在しないということで削除されている。
ところが1980年2月に、フラムスチードが超新星を観測したのかどうか、結論が異なる2つの論文が出ていた。
科学誌 Nature で双方の結論について解説している(有料記事)。
www.nature.com/nature/journal/v285/n5761/pdf/285132a0.pdf
【Did Flamsteed see the Cassiopeia A supernova?】
1980年の論文の時点では、超新星爆発の年が1667±8年と推定されていた。
それで、フラムスチードが1680年に観測(位置測定)したカシオペア座3番星について話題となっていた。
この Nature の解説記事については、引用文献などの資料をもう少し探してから、改めて投稿することにしよう。
ここでは、「カシオペア座3番星は超新星の観測ではない」 とする論文の解説について、簡単に触れておこう。
フラムスチードが行った星の位置測定誤差が 1' 以内という前提で、3番星の記録位置近くには5等星のカシオペア座AR(アルゴル型変光星)がある。
また別の候補としては、7等星の BD +56°2999 もある。
超新星の標準的な絶対光度-15等と、地球からの距離を考慮すると、途中で星間塵などによる減光がなければ、-3等星として見えていたと推測されている。
ということは、木星や金星並の明るさであり、日中に見えていたとしても不思議ではない。
「昼間に見えていた」 ということから、チャールズ2世誕生の1630年に超新星爆発があったという可能性も考慮してよいのではないか、それが今回の学会発表の主旨のようだ。
天文学者と歴史学者が協力して、考古天文学がさらに発展し、過去の事象について説明できるようになることを期待したい。