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中部電力「でんきの科学館」展示:震度7で民家は潰れ、原発は生き残る

原子力発電は国策なので、金の力で推進している側の電力会社などが、住民の不安な気持ちに配慮するわけがない。
それは中国電力上関原発の工事開始強行や、今回の東京電力福島第一原発事故での対応でも明白になった。

加えて、原子力発電の安全性を宣伝する施設やビデオなどでも、「原発の設計には余裕を持たせてあり、しかも堅固な地盤の上に立ててあり、巨大地震でも絶対に壊れない」 という説明が何度もされてきた。

過去の中越沖地震でも、今回の東日本太平洋沖地震でも、「設計想定を超える地震動ではあったが、制御棒が確実に入って臨界状態を停止でき、日本の原発の技術力・耐震性が証明された」 などと肯定的発言もあった。

しかし、近くの活断層の存在を無視したり、津波高の想定自体が甘いなど、安全性の評価自体が再検討しなければならなくなっている。

住民感情への配慮という観点では、次の朝日新聞の記事にあるように、中部電力・でんきの科学館での展示はひどい。
原発の耐震性を示すための展示だが、震度7で民家は潰れ、原発は残ることを説明するもので、今回の東日本大震災だけではなく、阪神・淡路大震災などで自宅が損壊した人たちの気持ちなど考えていない。
www.asahi.com/national/update/0423/NGY201104230005.html

中部電力の「でんきの科学館(名古屋市中区)の原子力発電所を紹介する展示の一つが、東日本大震災後「内容がふさわしくない」として公開を中止、近く撤去されることがわかった。原発の安全性をPRする内容だが、同館の担当者は「被災者への配慮が欠けていた」としている。

 問題になったのは「アースシェイカー」という展示。観覧者が手前の装置を左右に揺らすことで「地震」が起き、震度7に達すると、軟らかい地盤の上にある民家は倒れるが、強固な地盤の上の原発は倒れない、という内容だ。同社の浜岡原発(静岡県御前崎市)の安全性のPRや原発の仕組みを紹介するフロアに展示されていた。

 中部電力の広報担当者は「内容が妥当かというご意見も数件いただいた。原発が強い岩盤の上にあるということを理解していただく意図だったが、被災者への配慮が欠けていた」としている。】

中部電力アースシェイカー

中部電力HP、でんきの科学館HP、そして展示室D(原子力ゾーン)にある問題の 「アースシェイカー」 の説明は次の通り。
www.chuden.co.jp/index.html
www.chuden.co.jp/e-museum/index.html
www.chuden.co.jp/e-museum/guide/3floor/exhibit_d20.html (撤去後でもアクセスできるか、後日確認予定)
(追記(5月7日):フロアガイドには、「アースシェイカー」 という展示品名は残っているが、リンクは削除された。
【申し訳ございませんが、お客さまがアクセスしようとした該当ページが見つかりません。
お手数ですが、トップページから必要な情報をお探しください。】)

原子力発電所がどのような場所に建てられているか、どのくらいの震度に耐えられるのかが理解できる体感型の展示物です。
硬い地盤には原子力発電所、軟らかい地盤には民家の模型があり球体を左右に揺らした頻度により震度のデジタル表示が変化します。震度に応じて硬い地盤は少なく、軟らかい地盤は大きく揺れて、震度7の大きさに達すると民家が倒壊します


原発建設場所の地下構造を示したり、活断層の地図を展示するだけならばかまわないが、「民家が倒壊します」 という比較は余計だ。
「絶対安全」 の説明に意識が行き過ぎていて視野が狭まり、第三者的視点からの配慮ができなかったという典型例だろう。
これなら、震災被災者ではなくても、「推進派は国民の命よりも原発優先なんだ」 と感じてしまう展示方法だ。


ところで東京電力には、福島県の原発立地地域で各家庭に配布していた広報パンフレットの最新号、つまり3月配布予定分を郵送するように頼んだが、1週間経っても何も来ない。
電気事業連合会などが、原発反対派に余計な資料を渡さないように、圧力をかけているのだろうか。

それとも、財団法人・日本原子力文化振興財団発行の 「原子力文化」 4月号は、発売日を延期してまで福島第一原発を緊急特集しているから、これを買って読めということなのか。
www.jaero.or.jp/data/03syuppan/genshiryokubunka2011/genshiryokubunka2011.html

まあ、東京電力の返事などもうどうでもいい。
連休中はノルウェー語の勉強に集中して、ノルウェーでの風力発電や水素自動車などの情報を読めるようにする方が、生産的な時間の使い方だし。

(最終チェック・修正日 2011年05月07日)

テーマ : 原発事故
ジャンル : ニュース

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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