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ノルウェー銃乱射事件のブライヴィーク容疑者はブルントラン元首相殺害も計画していた

治安が良い人権国家として評判だったノルウェーで、極右思想を持つ32歳の男性が爆弾テロと銃乱射事件を起こした。
逮捕されたブライビーク容疑者は、数年前から犯行を計画しており、現時点では単独犯と見られている。
容疑者の弁護士によると、25日月曜日から始まる審理において、本人が犯行目的などを発言するそうだ。

ノルウェー紙 Aftenposten の記事では、ウート島(Utøya; Utoeya)での標的リストの一人に、グロー・ハーレム・ブルントラン(Gro Harlem Brundtland)元首相が入っていたと報じている。
オスロでの爆弾テロで現首相など労働党閣僚陣を殺害し、そして元首相を島で射殺しようと計画していたようだ。
www.aftenposten.no/nyheter/iriks/article4182934.ece

【Etter det Aftenposten erfarer hevder 32-åringen at han opprinnelig planla å være på Utøya fredag, da den tidligere statsministeren og WHO-sjefen holdt tale for deltakerne på AUFs sommerleir.
「Aftenposten が得た情報では、この32歳の男は最初から、元首相であり元WHO事務局長が労働党サマーキャンプで講演をする金曜日にウート島に行くことを計画していた。」】

この記事を引用した時事通信の配信記事は次の通り。
www.jiji.com/jc/c

【ノルウェー紙アフテンポステンは25日、同国連続テロのアンネシュ・ブレイビク容疑者(32)が首都郊外のウトヤ島の銃乱射で、ブルントラント元首相(元労働党党首)の殺害を計画していたと報じた。元首相は島で開かれていた集会に参加していた。

同紙によると、ブレイビク容疑者は供述で、元首相殺害を計画していたものの、島への到着が遅れたと話している。元首相はテロが起きた22日、この島で開かれた労働党の集会で演説し、事件発生前に島を離れたという。】

共同通信の配信記事では、ブルントラン元首相が移民受け入れ政策を推進していたことも紹介している。

【ノルウェー連続テロで逮捕されたアンネシュ・ブレイビク容疑者(32)が警察の調べに対し、南部ウトヤ島での銃乱射の際、同国のブルントラント元首相の殺害を計画していたと供述していることが分かった。元首相は任期中に移民受け入れ政策を推進した。同国紙アフテンポステンが25日報じた。…】

(注:ノルウェー語の ..land では、最後の d を発音しないため、私が書く場合には、「ブルントラン」 としている。)

ブルントラン元首相は、11時10分から12時40分まで講演し、その後も数時間は島に残っていた。
ただ、元首相が既に島を離れた後に、ブライヴィーク容疑者は船で島に到着した。
そして警察によれば、17時27分に最初の発砲があったという。

移民受け入れ政策を進めた最優先ターゲットを逃した容疑者だが、労働党を支持する若者たちも彼の敵であり、「プランB」 として、射殺することに何のためらいもなかったそうだ。

そして本日25日に裁判所で始まった審理では、本人には罪の意識がなく、正しいことしたと告白しているという。
時事通信の記事は次の通り。
www.jiji.com/jc/c

【…弁護士によると、容疑者はこの場で自分の考えを説明してもよいと語っており、犯行に至った背景が明確になる可能性もある。裁判官は審理を非公開とした。

警察当局者によれば、ブレイビク容疑者はこれまで、黙秘せずに尋問に答えている。容疑者は爆弾テロと銃乱射の双方とも犯行を認めているものの、自分が正しいことをしたと考えており、「罪の意識はない」(同当局者)という。】


ところで、警察の対テロ特殊部隊デルタが、ウート島に到着するのが遅かったのではないかと批判されている。
ヘリコプターを使わずに、陸路でオスロから45kmも移動して時間がかかり、犠牲者が増えたのではないかと言われている。
これに関して、ドイツの ZEIT Online の記事を引用しておこう。
www.zeit.de/gesellschaft/zeitgeschehen/2011-07/oslo-polizei-kritik

特殊部隊移動用のヘリコプターは、ノルウェー軍のものを使うことになっていた。
ただ、オスロから離れた軍の基地へ移動するよりも、そのまま陸路で直接ウート島に向かう方が早く到着するとの判断だった。
警察は監視用ヘリコプターを所有しているが、残念ながら当日はパイロットが全員、休暇を取得していて不在だった。
監視用ヘリコプターであっても、スナイパーを一人でも乗せて急行すれば、犠牲者は減ったかもしれない。


どこの国にも、極右思想を持ち、外国人排斥を主張する人たちがいる。
その人たちは、自分の国を一歩でも出れば、世界中で外国人として扱われることに気付いていない。

日本では小学校で外国語活動が導入されたが、本来の目的である異文化理解教育を忘れてはいけない。
そして、社会科教科書でも問題となっている歴史修正主義者を警戒しなければならない。
日本は、特定の国籍を持つ外国人を嫌う知事が、オリンピック招致活動をするような国である。
世論の右傾化に注意していないと、手遅れになるという意識を持たねばならない、と警告しておきたい。

(最終チェック・修正日 2011年07月26日)

テーマ : 海外ニュース
ジャンル : ニュース

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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