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暑中見舞はがきを出す:「東日本大震災寄附金付かもめ~る」

阪神淡路大震災では、父の実家の屋根が落ちたため、解体して建て直した。
親族・親戚は全員無事だったものの、祖父母の死後の遺産相続でもめていたので、助け合うという意識は皆無だった。
このとき両親と一緒に、ダウン症の姉が手伝いに行ったのだが、「親戚に障害者がいると町中に知られて困る」と文句を言われてしまった。

3月11日の東日本大震災では、私の出身地である東北地方太平洋側が大きな被害を受けた。
子どもの頃の旅行や海浜学校、試合などで訪れた海辺の町は一変した。
小学校では、「大きな地震が起きたら津波が来る」と、いつも教えられていたが、頑丈な防潮堤をこの目で見ていたので、甚大な被害ということを、最初は信じられなかった。

母と姉が住んでいる実家は、電気とガスが止まっただけで無事だったが、2日間連絡できずに心配した。
余震も続いているので、工務店に頼んで補修の必要性について診断してもらった。

私の家族は無事だったものの、その後しばらくして、知人の家族の訃報や、火事で家を失った知人の話も届いた。
さらに東京電力福島第一原発の事故により、10年ほど前の勤務先が操業停止となるなど、これ以上知りたくないと思うようになった。
しかしニュースでは、何度も津波被害や原発事故の映像が出てくるため精神的に苦しみ、5月の連休明けまでは何もする気が起きなかった。

「被災地出身者ならばボランティア活動に行け」などと言われそうだが、ここでは言えない個人的な理由でためらっている。
その代わりに、勤務先や取引先などで、放射性物質や原発事故のことについて質問を受けた場合、化学者として正確な情報を提供する責任を果たそうとしている。

また、父が農業関連の仕事をしていたこともあり、農産物の風評被害があったときは、例えば「茨城県産野菜のサラダ」などを購入した。
その他にも、購入額の1割が寄付される商品券や書籍を購入したり、教会での義援金寄付のバザーに商品を提供するなど、身近なところでできることをしている。

震災後に翻訳案件が全くなくなったが、外資系メーカーから代わりの仕事として、労働安全衛生法などに出てくる化学物質の構造式を ChemDraw で作成する業務を受注した。
その業務の請求書を発送するために郵便局に行ったところ、「東日本大震災寄附金付かもめ~る」を目にした。

「かもめ~る」とは、くじ付き暑中見舞はがきの愛称で、今年のかもめ~るについては次のように紹介されている。
立秋を過ぎると残暑見舞いになるため、「暑中・残暑見舞はがき」としているが、できるだけ暑中見舞として出すことが望ましい。
www.post.japanpost.jp/kamome/kamome/know/know1.html

絵入りやカーボンオフセットなど、いろいろと選べるが、今回は「東日本大震災寄附金付」を選んだ。
1枚当たり5円の寄付金が上乗せされており、5枚購入したから25円の寄付金だ。
あまりにも少ない金額だと言われそうだが、それは送る相手の人数が少ないからである。
他にも様々な形で寄付をしているうちの一つと考えてほしい。

寄付金・義援金で放射性セシウム汚染が解消されるわけではないし、政治家・官僚・業界関係者たちが責任転嫁合戦をしているうちは、有効に使われることがないかもしれない。
それでも役立つと信じて、今後も「国境なき医師団」も含めた、NPO法人への寄付通じた支援を続けていきたい。


また今回の震災関連では、私が会員の自然保護団体WWFジャパンでは、「暮らしと自然の復興プロジェクト」への寄付金を募っている。
www.wwf.or.jp/campaign/revive/

寄付金は、持続可能な水産業の復興支援や、太陽光発電といった自然エネルギー利用の促進などに使われる。
私はまだ寄付をしていないが、構造式作成業務の代金が入金したら、1万円程度を寄付する予定である。

ところで、被災地の水産業と言えば、鮎川の捕鯨や三陸でのイルカ漁も入るだろう。
捕鯨推進派に嫌われているWWFジャパンは手を出しにくいかもしれないので、捕鯨推進派の人たちは、日本鯨類研究所が運営する「鯨友の会」に入会して、調査捕鯨だけでも、間接的に支援してはどうだろうか。
icrwhale.org/tomonokai.htm


注:「寄付」と「寄附」の違いについて。
元々、「付」は「手渡す」、「附」は「くっつく」という意味だったが、現在では両者の意味は混合して使われている。
法令では未だに「寄附」としているため、常用漢字表に「附」を入れて、用例にも「寄附」を示したのだろう。
www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/pdf/jouyoukanjihyou_h22.pdf

ということで、日本郵政は法令で使っている「寄附金」を選択したわけだ。

ちなみに、ある国立大学付属校の場合、戦前からあった小学校は「附属」であり、「くっつく」という意味に合う。
ところが、戦後しばらくしてから設立された中学校は、当時の当用漢字表を使った「付属」である。
常用漢字表に変わったが、学校名を「○○大学附属中学校」にする動きはないようだ。


(最終チェック・修正日 2011年08月01日)

テーマ : 東日本大震災支援活動
ジャンル : 福祉・ボランティア

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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