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日本鯨類研究所を応援する「鯨友の会」とは何だろう?

南極海調査捕鯨は、シーシェパード(SSCS)の執拗な妨害を受けてきたが、今年2月に調査期間を残したまま切り上げとなった。
日本鯨類研究所(鯨研)と水産庁のプレスリリースを引用しておこう。
icrwhale.org/110218ReleaseJp.htm
www.jfa.maff.go.jp/j/press/enyou/110321.html

【…2月18日(金曜日)、乗組員の生命・財産及び調査船の安全を確保する観点から、やむを得ず今期の調査を切り上げることとしました。】

その後、調査捕鯨をどのような形式で継続するのか、「鯨類捕獲調査に関する検討委員会」が開催された。
関係者や資源管理の専門家などの意見を聴取して、「中間とりまとめ」という文書が作成された(まとめから一部抜粋)。
www.jfa.maff.go.jp/j/study/enyou/index.html
www.jfa.maff.go.jp/j/study/enyou/pdf/chukantorimatome.pdf

【…
 検討委員会では、我が国の鯨類捕獲調査に関して様々な意見が出されたが、大きくは「毅然とした態度で継続すべき」との意見であり、少数の「国際的批判や費用対効果に鑑み縮小・中止すべき」との意見も出された。
 ただし、何れの意見も、調査船及び乗組員の生命・財産を危険にさらすことを是とするものではなく、鯨類捕獲調査を実施するためには、安全性の確保が不可欠であり、大前提であるという基本的な認識に相違はなかった。
…】

この中間とりまとめについて、日本の新聞の英語版が報じたためか、少数意見の「中止すべき」という部分についてのみ反捕鯨団体は強調し、「水産庁が捕鯨中止を選択肢の一つとして初めて考慮している」と宣伝している。

これは偏向報道と言われても仕方ないが、ただし議事録の中には、捕鯨関係者の意見としても、「鯨肉の需要低迷の問題」が出ている。
そして国に対して、鯨肉の需要喚起について要望をしている。
つまり、日本国内で鯨肉を欲している人たちはごく一部に限られ、販促強化をしなければならないほど、需要もないということだ。

この状況を変えようということなのか、鯨研では、「鯨友の会」という親睦会? を設立した。
icrwhale.org/tomonokai.htm

【本会は、鯨類資源の保護と持続的利用を推進する日本鯨類研究所の活動に賛同し、併せて、我が国の伝統文化の一つとしての鯨食文化を維持し、継承するため、調査副産物としての鯨肉の消費に貢献することと会員相互の親睦を図ることを目的としています。

年会費5,000円コース(12月に定価より割安な調査副産物の鯨加工品をお届け
年会費10,000円コース(12月と6月に定価より割安な調査副産物の鯨加工品をお届け )】

「定価よりも割安な調査副産物の鯨加工品」は、3種類の中から選べるということだが、1セットで5000円の価値があるのかどうか、鯨肉を食べる人たちの意見をどこかで探しておこう。



ところで、鯨研は財団法人であるから、その公益性を説明したり、収支について公開する義務がある。
そこで農林水産省に、鯨研の「鯨友の会」について、問い合わせフォームから質問してみた。
すると次のような回答が得られた(条約の解説部分など、冗長な個所は省略した)。

質問:「…財団法人日本鯨類研究所が、調査捕鯨副産物の消費拡大などを目的に、『鯨友の会』を設立しました。…所轄官庁としては、その活動内容や会費金額の妥当性などについて把握しているのでしょうか。…この会費を別項目で計上することや、会員にも公開する義務があることを指導できないでしょうか。」

回答:「『鯨友の会』の発足については、日鯨研より水産庁に対して事前に説明がありました。…調査で得られた副産物は、…政府の指令書に従い実行可能な限り加工・処分され、その取得金は次の調査活動に充当されています。このため、調査を安定的に継続する目的として調査主体である日鯨研が調査副産物の消費拡大を行うことは何ら問題ないものと考えられます。
 また、日鯨研は財団法人であることから、その収支については透明性を確保する必要があります。このため、『鯨友の会』の収支については、他の会計項目と切り分けて管理するとともに、情報公開に資するよう指導しております。」

水産庁は私が質問した項目のうち、消費拡大の活動は問題ないこと、友の会の収支は別管理として情報公開すること、の2点のみ回答している。
「収支について透明性を確保する必要があ」るのに、会費金額の妥当性については触れていない。
収支報告を公開するだけでかまわないということか。
それとも、この金額で納得した人だけ入会するし、「定価より割安」だから、水産庁は会費金額についてノーコメントということか。

私の質問はもう一つあったが、それは無視したいのか、無回答だった。

質問:「このような会が設立されるということは、日本では鯨肉需要がほとんどないことを自ら証明することになるのではないでしょうか。」

検討会の議事録にも、中間とりまとめにも、鯨肉消費の低迷・鯨肉在庫の増加という意見が取り上げられているが、これは少数意見として無視するのだろうか。



まあ、収支の情報公開を指導するという回答が得られたので、本会計年度の収支報告が公開されたら確認してみよう。

あと、捕鯨推進派・鯨肉食推奨派の人たちは、「鯨友の会」に入会するのだろうか。
調査捕鯨を支援するのならば、ついでに「賛助会員」にもなればいい(個人年会費は1口2000円で1口以上)。
icrwhale.org/01-G.htm

ちなみに、捕鯨関係者や一部の水産関係者から嫌われているWWFジャパンの会員である私は、年会費として1万円、そしてそれに加えて、熱帯雨林保護やサンゴ礁保護などの各キャンペーンに3千円から1万円の間で寄付をしている。
他人の家計に口を出すつもりはないが、WWFを反捕鯨団体として叩くならば、同時に鯨研を資金面から援助したらどうだろう。

テーマ : 食生活
ジャンル : ライフ

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需要は価格によって変る

ほんとに需要が無ければ何やっても売れないでしょ。
なんでも難癖つけたいだけじゃないの。
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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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