M101に出現したIa型超新星2011feは増光中で12等級台に到達

小学4年生のとき、ある科学館でプラネタリウムを見たことがきっかけで、宇宙に興味を持った。
クリスマスプレゼントに小型屈折望遠鏡を買ってもらい、晴れた日は毎日星を見ていた。
様々な天体を片っ端から観察してスケッチしていたが、やがて新彗星などの新天体捜索の話に興味を持ち、私もいつかは新天体を発見したいと思うようになっていた。

ただ、私の望遠鏡では性能が足りないことと、中学からは部活動や勉強が忙しくなってきたため、新彗星などは発見のニュースを聞いてから観測するようになった。
そして、勉強などの合間に簡単にできる観測として、毎日変化が見られる太陽黒点と変光星の観測をするようになった。

特に印象に残っている変光星は、中学生のときに注目していた、たて座R星である。

光度をグラフにプロットしていくと極小が近いことがわかり、学校から急いで帰って地平線に沈む前に観測した。
そして観測不可能になる時期の前に訪れた極小を、なんとかとらえることができた。

今は都会に住んでいて天体観測から遠ざかっているが、7cm双眼鏡で観測可能な明るい変光星を中心に、再開しようかと考えている。

自分の観測対象は、資金や機材の関係でマイペースで続けるつもりだが、超新星発見などの新天体発見ニュースはいつもチェックして、宇宙への興味がとぎれないようにしている。

最新ニュースでは、8月24日(世界時)に、おおぐま座にある銀河M101でIa型超新星SN2011feが発見され、現在も増光中だという(下の写真で緑色の矢印の先)。
www.astronomerstelegram.org/

日本語報道がまだないため、BBCとSky&Telescopeの英語記事とNature の NewsBlog、そして SPIEGEL Online のドイツ語記事を引用しよう。
www.bbc.co.uk/news/science-environment-14681119
www.skyandtelescope.com/observing/highlights/128430288.html
blogs.nature.com/news/2011/08/bright_supernova_one_of_the_ne.html
www.spiegel.de/wissenschaft/weltall/0,1518,782768,00.html

(追記(8月29日):日本語情報として、国立天文台(石垣島天文台)のニュースと、AstroArts の天文ニュースを引用しておこう。
www.miz.nao.ac.jp/ishigaki/content/news20110828
www.astroarts.co.jp/news/2011/08/29sn2011fe/index-j.shtml



この超新星は、カリフォルニア工科大学が実施している、パロマー山天文台を使った自動サーベイのプロジェクト(Palomar Transient Factory)で発見された。
発見前日の23日には、20.6等よりも明るい天体はなかったが、24日に突然17.2等(gバンドで測光)の天体が出現した。
www.astro.caltech.edu/ptf/

発見直後の記事中では、このプロジェクトで発見された一過性天文現象の仮符号である PTF11kly と書いてあるが、超新星と確認されてからはSN2011feと命名されている。

アメリカのアマチュア変光星観測団体AAVSOのサイトで、このSN2011feの光度のチャートを作成してみると、28日時点で12等級台まで増光している。
www.aavso.org/lcg/plot

Ia型超新星の最大絶対光度は判明しているから、M101までの距離2100万光年で計算すると、10等級まで増光すると予測されている。
そうすると、人工光が少ない十分暗い場所ならば、小型望遠鏡でも確認できるかもしれない。
また、各地の天文台や天文同好会などが、臨時の観望会を開催するかもしれないので、最新情報をチェックしておきたい。

東京地区の人たちは、三鷹の国立天文台の観望会に期待してもよいだろう。
ただし予定では、次回9月9日の観望会では海王星を観察することになっている。
観望会の時間帯では、おおぐま座の高度が低いため、M101の超新星を観察対象にできないのかもしれない。
どうしても気になる人は、今のうちにメールで問い合わせをしてみてはどうだろうか。
www.nao.ac.jp/about/mitaka.html
www.nao.ac.jp/about/mtk/StarGazing/index.html

このSN2011feは増光中に発見されたというだけではなく、2100万光年離れていても非常に明るくなるため、様々な観測が行われて、Ia型超新星に関する研究成果が数多く得られるだろう。

明るくなったIa型超新星のうち、一番最近発見されたのは1972年のことで、りゅう座にあるNGC3147に出現した15等級のSN1972Hであった。
大マゼラン雲に出現したSN1987Aと同様に、世界中の最新の観測機器を総動員してでも、追跡観測する価値は十分にあるだろう。

追記(9月4日):
AAVSOのサイトで光度曲線をプロットしたところ、9月になってから光度は10等級台にまで明るくなっている。
増光スピードは鈍っているので、10等前後で、そろそろ極大光度またはプラトーとなりそうだ。
662325720.png 

私は口径6cmの単焦点屈折望遠鏡(以前使用していた12.5cm反射望遠鏡のガイド用)と、7cmの双眼鏡しか持っていないので観測できないだろう。

もし15cmくらいの反射望遠鏡を持っていても、暗い場所への移動が面倒なので、やはり夜が暗い田舎に住みたいものだ。
加えて都会では、夜に天体観測をしていると不審者として通報されてしまうし(流星群観測中に職務質問された経験あり)。

追記2(9月9日):
AAVSOでは9月7日に、この超新星SN2011feを観測するように呼びかけている。
最新の観測をプロットしてみると、もうすぐ9等級台に突入しそうだ。
www.aavso.org/supernova-2011fe-brightest-supernova-last-20-years

こんなことなら転職の話があったあの時、田舎の会社に転職して、毎晩星を見る生活を選択すればよかったと感じる。

(最終チェック・修正日 2011年09月09日)

テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

FC2カウンター
カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR