同僚の酒にハルシオン後発薬混入騒ぎ:「悪ふざけの範囲と認識しています(日本新薬)」

2009年11月16日にドラム缶爆発事故を起こした日本新薬では、その半年前の5月に、ある男性MRが同僚の酒に睡眠導入剤を入れて飲ませた、という騒ぎもあったそうだ。
この「悪ふざけ」の話を聞いた同社女性MRが、今年8月29日にツイッターに書きこみ、ネット上で騒ぎが大きくなったという。
社員の実名も出ていた日本新薬は社内調査を行い、9月5日に「ネット書きこみに関するお知らせ」で経緯説明をしている。
www.nippon-shinyaku.co.jp/company_profile/news.php

【先月末より、インターネット上で「日本新薬社員がハルシオン後発品を不正使用」という内容の書き込みが頻発しております。本件について社内調査を実施致しました結果、以下のような事実が判明致しましたのでお知らせ致します。

1.Twitterへの書き込みについて
 2011年8月29日、Twitterに、「当社社員が懇意にしている薬局からハルシオン後発品(以下、「本医薬品」)を不正に入手し飲み会の時にお酒に入れた」旨の書き込みを当社の女性社員が行いました。これは、2009年5月、社員有志で行った私的な宿泊付きイベントの帰りの車中で、前夜に行った男性数名の宴席での出来事について、同乗した社員が話していた内容を聞いて書き込んだものでした。従いまして、本人が直接目撃・体験したものを書き込んだものではありませんでした。

2.判明した事実関係について
 本医薬品をお酒に入れて飲ませた行為につきましては、ある男性社員が、同宴席において2名の男性社員のお酒の中に、安易な気持ちで1錠ずつ入れたことが判明致しました。しかしながら、本医薬品は、不正に入手されたものではなく、自身の治療の為に医療機関から処方されたものでした。
 本医薬品を飲まされた2名の男性社員につきましては、1名はその後間もなく、もう1名は引き続きお酒を飲んで就寝し、両名とも翌朝通常通り起床致しました。

 医薬品を取り扱う製薬企業の社員が、業務外の場面とはいえ、医薬品を使って不適切かつ不謹慎な行為を行いましたこと、衷心より深くお詫び申し上げます。
 当社と致しましては、関係者に対して適正なる処分を行うとともに、このような事態を二度と引起さないよう対応策をしっかり検討した上で、社員へのコンプライアンス教育と意識改革の更なる徹底を図って参ります。】

このような危険な行為を「悪ふざけ」で済ましてしまう社員と、私は絶対に一緒に仕事はできない。
私が製薬企業子会社で働いているからだけではなく、姉の主治医の治療方針が間違っていて、長年副作用に苦しんだことと、最近も母が、新たに処方された薬で発疹などの副作用が出たので、このMRに対しては怒りの感情だけが生じている。

現在ファイザーが製造販売しているハルシオンは、ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤で、アルコールとの併飲は厳重注意事項である(後発品でも有効成分は同じなので、注意事項も同様)。
pro-info.pfizer.co.jp/56_halcion/sogosayou.html

併用注意(併用に注意すること)
アルコール
精神神経系等の副作用があらわれるおそれがある。 なお、できるだけ飲酒は避けさせること。】

処方されている本人はMRでなくても、ハルシオンと同じだと説明を受けて理解しているはずで、アルコールと一緒に飲むと危険であることは知っていたはずだ。
(各メディア記事中で「ハルシオン後発品」としているのは、ジェネリック参入企業は無関係なので、配慮しているのだろう。)

飲まされた2人とも、翌朝は通常通りに起床したというが、副作用の危険性を知りながらアルコールとの併飲をさせた時点で、傷害罪という刑法犯になる可能性がある。
薬を飲まされた本人たちからは被害届が出ていないので、現時点では警察が捜査することはないだろう。
ただ、飲んだ直後に酩酊状態になって転倒して怪我でもしていたら、単なる「悪ふざけ」では済まなかったはずだ。

日本新薬ではコンプライアンスの取り組みについて、次のように紹介している。
www.nippon-shinyaku.co.jp/company_profile/compliance.html

同社のコンプライアンス体制が機能しているならば、話を聞いた女性MRはツイッターに投稿せずに、まず最初に内部通報窓口を利用して告発すべきであった。
内部告発を考えるとき、話を聞いてもらえないだとか、相談したことで不利益になるのではないかと心配する人もいる。
しかし、ツイッターに投稿したあげくに、フェイスブックで個人情報までネット上にまき散らされたわけで、社内の方が安全だったはずだ。

もし、内部通報窓口に相談しても、会社側がまともな調査をしなかったのであれば、厚生労働省に告発したり、評論誌などに
投書したり、医療ジャーナリストに情報提供をして記事を書いてもらうという手段もあった。

当該社員の処分や、コンプライアンスの意識向上も大切だが、ネットリテラシーについても会社が研修すべき時代になったわけだ。


ところで、医薬経済社リスファクスの記事では最後に、【同社は「悪ふざけの範囲と認識しています」とコメントしている。】とある。
これが本当に広報担当のコメントであれば、会社の信用失墜につながる重大性に気付いていないと言われそうだ。
社内の人間同士が勤務時間外に起こしたことであっても、「社員教育ができていない」という批判は避けられそうもない。
医師側からは、日本新薬のMRとの面会を拒否するという動きもあるだろうし、患者側も日本新薬の薬から他社品に変えたいという要望も出ることだろう。

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製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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