ノルウェーの学生映画祭で捕鯨ドキュメンタリーが受賞候補にノミネートされた

捕鯨またはイルカ漁を扱ったドキュメンタリーと言えば、アニマルプラネットの「Whale Wars」シリーズや、「The Cove」のことを思い出す人が多いだろう。
あまりにも偏った主張のみを取り上げているため、捕鯨関係者や捕鯨推進派たちから厳しく批判された。
「The Cove」の上映を巡って様々なトラブルがあり、映画館責任者の実家に押し掛けて脅迫している人たちまで出現した。


「Whale Wars」は、日本のアニマルプラネットでは放送予定がないそうで、どうしても観たい人は英語版のDVDを買うしかない。
英語の番組紹介や予告編を見ると、バカ騒ぎパーティー付きシーシェパード(SSCS)南極海クルーズレポートのように思える。

また「The Cove」の内容は、雑誌アエラの記事なども参考にすると、盗撮技術などを駆使したスパイごっこ映画の印象だ。

日本で作成された捕鯨ドキュメンタリー番組もあるが、日本国内での反捕鯨活動をほとんど取り上げていないので、これも偏っている内容だと言えるだろう。

他の捕鯨国であるノルウェーとアイスランドの情報は、月に何度か現地メディアで探しているが、今年はほとんど見つからない。

ノルウェーの話題とは、ミンククジラ捕獲枠が2年連続で1286頭も割り当てられたことくらいか。
捕獲実績や国内需要を考慮すると、500頭未満が妥当な捕獲枠と思われるが、捕鯨業者の反対にもかかわらず設定された。
価格下落を防止するために最低買取価格が設定されており、去年からキロ当たり1ノルウェークローネを上乗せしている。

アイスランドの方が少し話題は多いものの、EU加盟交渉で捕鯨が障害になる、ナガスクジラ捕鯨をやめないとアメリカが経済制裁をする、ホエールウォッチング後の観光客がクジラステーキを食べている、東日本大震災で鯨肉需要が減るとの予測から今年のナガスクジラ漁を見合わせている、という程度の情報しかない。

(追記(9月19日):時事通信の配信記事によると、オバマ大統領は15日、アイスランドに対する経済制裁措置は発動せず、外交交渉によって捕鯨停止を求めることを決めた。)

そんな中で、9月16日と17日にノルウェー・リレハンメルで開催される学生映画祭で、受賞候補作品として、捕鯨を扱った「Notes on Whaling」がノミネートされているという短いニュースがあった。
www.hadeland.net/kulturnytt/article5726499.ece (9月7日付け報道・ノルウェー語)
www.studentfilmfestivalen.no/index.php


結果はまだ発表されていないので、この短編ドキュメンタリーの概要のみ、今は記録しておこう。

この作品は、映画監督を目指すドキュメンタリーコースの大学院生 Karianna Berge が企画し、撮影は Ida Solheim-Olsen が担当した。
本人が約1分にまとめた映像があるので、少しは参考になるだろう。
vimeo.com/24962770

当然ながらノルウェーの捕鯨船に実際に乗船しており、捕鯨の映像だけではなく、グリーンピース活動船の映像や、保護活動家の妨害行為も撮影している。
それに捕鯨国のノルウェー国内でも、賛否両論があることを取り上げている。

ところで日本では、このような自由な取材は可能だろうか。
税金も投入されている南極海調査捕鯨に、NHKなどが長期同行取材を申し込んでも、日本鯨類研究所は断るのだろうか。
ついでにNHKには、インドネシアでの伝統的捕鯨の番組に続いて、世界各地での捕鯨について、まともなドキュメンタリー番組を制作することを期待したい。

テーマ : 映画
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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