アイスランド・ケフラヴィーク国際空港売店でミンククジラ肉が違法販売されているという

クジラ・イルカ保護団体のWDCS(Whale and Dolphin Conservation Society)を中心に、アイスランドの捕鯨を潰そうという運動が継続的に行われている。
水産物も含めたアイスランド製品のボイコット運動だけでなく、観光客に対して現地でクジラ料理を食べないように訴えている。
www.wdcs.org/stop/killing_trade/index.php

またアメリカ政府内部(商務省)では、アイスランドの鯨肉輸出が国際法違反行為だとして、経済制裁の検討も行われていた。
現時点では、オバマ大統領の判断で保留となっているが、WDCSをはじめとする反捕鯨団体は、アメリカ政府に圧力をかけ続けている。

そして今回は、WDCSと Amimal Welfare Institute(AWI)が共同で、アイスランドの違法行為を暴いたと発表している。
ケフラヴィーク国際空港内の売店で、ステーキ用ミンククジラ肉が販売されていたという。

WDCSのニュース、AWIのプレスリリース、そしてアイスランドメディアの記事は次の通り。
www.wdcs.org/news.php
www.awionline.org/content/illegal-trade-whale-meat-icelands-international-airport-exposed
grapevine.is/Home/ReadArticle/Whale-Meat-Being-Sold-To-Tourists-Under-False-Pretences(英語)
www.mbl.is/frettir/innlent/2011/10/27/gagnryna_solu_hvalkjots/ (アイスランド語)

whalemeat_kef_wdcs_awi.jpg 
アイスランド・ケフラヴィーク国際空港の売店で入手したステーキ用ミンククジラ肉とレシート
アイスランドは、国際捕鯨委員会(IWC)の商業捕鯨モラトリアムに対して異議申立をしたので、商業捕鯨が可能となる。
モラトリアム発効後の何年かは調査捕鯨を続けたが、2006年に商業捕鯨を再開し、ミンククジラ肉は国内消費用、そしてナガスクジラ肉については日本に輸出している。

アイスランドと日本は、ワシントン条約附属書のクジラ類の取引禁止に対して留保を表明しており、日本への鯨肉輸出は適法と見なされる。
各反捕鯨団体は、「国際法の抜け穴を悪用している」と騒いでいるが、留保の権利を剥奪することは原則としてできない。

そのため様々な反捕鯨団体が、捕鯨そのものの妨害だけではなく、係留中の捕鯨船の破壊工作をしたり、日本への輸送を妨害したり、密輸や違法な取引を捜索したりと、一年中活動を続けている。

国際空港内でミンククジラステーキを販売しているのは、「Inspired by Iceland」という売店である。
通常の酒類や清涼飲料水、ミネラルウォーターの他に、アイスランド特産の食品も販売している。
www.kefairport.is/English/ShopsRestaurants/46/default.aspx

WDCSとAWIの覆面調査の結果、この売店の店員は誤まった情報を客に伝えていることが判明した。
鯨肉をアメリカに持ち込んでもかまわないと説明しているそうだが、実際には違法行為のため、税関で足止めされてしまう。
もし、ワシントン条約のことを知っていて、意図的にアメリカに持ち込んだ場合は、逮捕されて処罰されることになる。

ただし、The Economist 誌の記者ブログでは、逮捕されるというのは誇張しすぎだと言っている。
まあ、税関で見つかっても没収されるだけかもしれないし、罰金を払えば済むかもしれない。
それに店員の教育ができていないアイスランド側にも責任があるし。
www.economist.com/blogs/gulliver/2011/10/whale-meat

それでもWDCSなどの団体は、今回の事実を最大限に利用して、オバマ大統領に働きかけ、アイスランドへの経済制裁を実現しようとするだろう。
今後の動向もチェックしておこう。

追記(11月4日):
Gardian 紙の11月3日の記事によると、アイスランドからの鯨肉持込みについて
イギリス外務省が、5000ポンド以下の罰金刑などになる可能性について警告を発したとあり、その発表直後にケフラヴィーク空港の売店から鯨肉が撤去されたそうだ。
www.guardian.co.uk/environment/2011/nov/03/whale-meat-iceland-airport-withdrawn

アイスランド国内では主にミンククジラ肉が消費されているが、月に1回以上鯨肉を食べる人は、全人口のわずか5%である。
全人口は約32万人なので、5%とは1万6千人だけ。
売れないと困るだろうから、日本の鯨肉愛好家たちは経済援助でもするつもりで、毎年アイスランド旅行をして、たくさん鯨肉を食べてあげればいいのではないだろうか。

(最終チェック・修正日 2011年11月07日)

テーマ : 海外ニュース
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アメリカ国務省もアイスランドからの鯨肉持込み禁止の注意喚起をしている

アイスランド・ケフラヴィーク国際空港の売店 "Inspired by Iceland" で、外国人旅行者向けにステーキ用ミンククジラ肉が販売されていることを、クジラ・イルカ保護団体のWDCSと動物保護団体のAWIとが...

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製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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