ニュースで繰り返される津波の映像で子どもたちのPTSDが悪化する懸念

3月11日に発生した大地震と、それに伴う巨大津波の被害、そして福島第一原発の事故は、私の精神状態にも大きく影響した。
阪神・淡路大震災で父の実家と親戚が被害に遭ったときよりも、東日本大震災は何倍も衝撃的な印象をもたらした。

子どものときに見た風景が一変してゆく映像が、テレビの報道番組で毎日繰り返し流されたこともあり、2か月くらいは週末に外出する気力もなかった。
実家は内陸にあるため停電程度で済んだが、知人の訃報が届いたり、以前の勤務先が原発に近くて操業停止になったことなど、直接の被害者でなくても心理的打撃を受けた。

そのうち、地震や津波の映像が出たときには、チャンネルを切り替えるようになった。


ひかりTVなどで視聴しているチャンネルの一部では、自然災害や放射線被ばくをテーマにした番組や映画の中止・延期を行ったところもあった。
人気テレビドラマの「24・シーズン8」の放映が延期されたのも、前半部分に核兵器テロのシーンがあるからだと言われていた。
他にも、放射線被ばくのシーンが出てくるため、最終回の放映が無期限延期になった番組もある。


それでも番組の最初に、「放射線被ばくのシーンが出てきますが、製作者の意図を尊重してそのまま放映します」と断っているチャンネルもある。
これならば、その番組を観るかどうか、視聴者側が自分で判断可能だ。

しかしニュースのトップ項目で突然、予告なしに津波の映像を使ったりすると、直接被害者であった人たち、特に子どもたちに対する心理的影響は大きいはずだ。

共同通信の配信記事によると、日本子ども家庭総合研究所が報道各社に対して、津波映像によって子どもたちのPTSDが悪化するという懸念を伝えたという。
www.47news.jp/CN/201112/CN2011122701001539.html

日本子ども家庭総合研究所(東京)は27日、東日本大震災で被災した子どもが、テレビのニュース映像などを見て記憶を呼び起こし、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状を悪化させる恐れがあるとして、報道各社に津波の映像を繰り返し放送しないよう文書で求めた。

研究所によると、多くの子どもたちがPTSDを抱えており、映像を見て腹痛や頭痛を訴えたり、夜に寝られなくなったり、怖い夢を見たりするようになる恐れがあるという。

年末年始から来年3月11日にかけて、震災報道が増えるため、注意が必要としている。】

社会福祉法人恩賜財団母子愛育会・日本子ども家庭総合研究所のHPは次の通りだが、この要請文書については、まだ情報はない。
www.aiiku.or.jp/index.htm

このニュースの直後から、NHKや東京にある民放キー局のプレスリリースを読んでみたが、要請があったその日には用意できなかったのだうか、何も掲載されていなかった。

衛藤隆・副所長(母子保健研究部長)の教職員向けの助言と、日本セーフティプロモーション学会のHPは次の通り。
chiba-hps.org/file/eto_ken
plaza.umin.ac.jp/~safeprom/

家庭だけでなく、教育や医療などの現場で、子どもたちのPTSDに対応しようと努力をしているが、事前の警告なしに突然、津波などの映像を観てしまえば、あの日の恐怖がよみがえって、不眠や体調不良になるのは当然だろう。

BBCなど外国のニュースでは、テロや紛争の現場など、悲惨な映像が含まれている場合、その映像を流す前にキャスターがかならず一言断っている。
日本の放送局に真似をしろとは言わないが、もう少し配慮した方法を考えてほしいものだ。


私の精神状態にもよるが、年末の報道特集番組をできるだけチェックして、配慮が足りない放送局には苦情を伝えることにしよう。

テーマ : メンタルヘルス・心理学
ジャンル : 心と身体

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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