東京電力は日本原子力学会特別セッションでも津波だけが原発事故の主原因と主張

今朝もデータベース翻訳を始めたが、1時間くらいで疲れてしまい、休憩することにした。

昨日19日から福井大学で、日本原子力学会の春年会が開催されているので、関連ニュースを探してみた。
すると、福島第一原発事故の特別セッションで東京電力が発表していたことを知った。
www.aesj.or.jp/meeting/2012s/j/J12Spr_TOP.html (学会の案内)
www.aesj.or.jp/meeting/2012s/j/J12Spr_specialsession.html (3月19日、福島第一原子力発電所事故特別セッション)
【第2部 福島第一原子力発電所事故対応の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(東京電力)福田俊彦

第3部 福島第一原子力発電所事故対応技術セッション(その1)
(1)福島第一原子力発電所事故 1)事故後の取り組みと今後の中長期計画 ・・・・・・・・・・・・・・・(東京電力)山下和彦
(2)福島第一原子力発電所事故 2)地震・津波の影響について  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(東京電力)土方勝一郎
(3)福島第一原子力発電所事故 3)事故時の対応状況とプラント挙動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(東京電力)宮田浩一 】

この特別セッションの内容について、福井新聞の記事から抜粋しておこう。
www.fukuishimbun.co.jp/localnews/earthquake/33698.html
【…東京電力福島第1原発事故を受けた特別セッションでは、東電が福島での事故対応や事故時のプラントの動き、地震・津波の影響などを報告。「想定したシビアアクシデント(過酷事故)を超える事故に対する備えが十分ではなかった」と謝罪した。同学会は6月末を目途に、福島事故の進展を技術的な見知からまとめる方針を示した。

…特別セッションには会員や一般聴衆ら約500人が参加。東電の福田俊彦原子力品質・安全部長はプラントパラメーターの解析結果などから「地震発生から津波到達までの間、プラントの安全性は維持できていた」と指摘。過酷事故に至った主な原因は地震ではない―とあらためて説明した。

一方、燃料損傷に伴い被覆菅の金属ジルコニウムと水蒸気が化学反応し発生した水素が、原子炉格納容器から原子炉建屋内に漏れて水素爆発を起こすことは予想していなかったと強調。想定を超える重大事故への備えが不十分で、安全対策に不備があったと認めた。
…】

東京電力は原子力ムラ代表として、原発推進派・所轄官庁の意向を尊重しているのか、「津波が原因で過酷事故に至った」という主張を繰り返している。
旧式の原発が地震動で壊れたと認めてしまうと、推進派にとっては非常に困った事態となるためだ。

同じプラントパラメーターを用いて、強い地震動で既に配管などに損傷が起きた、というシミュレーション報告もあるのに、講演者として招待していない(田中三彦、「科学」、2011年5月号0420~0425ページ、岩波書店)。

田中三彦氏は以前、福島第一原発4号機の圧力容器の設計を担当したのだから、関係者として招待してもよかったはずだ。
しかし、圧力容器製造時の変形について、不適切な補修を行ったことを告発したためか、原子力学会からは無視されているようだ。

一般の人たちが持つ学会のイメージとしては、様々な意見を持つ研究者たちが、自説をぶつけあって熱い議論をする場であろう。
確かに新説に対して反論があったり、座長が司会できないほどの応酬合戦となることもあるが、日本原子力学会の主流派は原発推進派で占められており、反対派をわざわざ招待することはありえない。

まあ、学会として報告書をまとめるそうだから、どの程度偏った内容になるのか、その発表を待つことにしよう。

テーマ : 原発事故
ジャンル : ニュース

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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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