秋田のペレットストーブの灰からチェルノブイリ由来のセシウム137を検出

東京電力福島第一原発の事故に由来する放射性セシウム汚染問題は、今後何十年も続く環境汚染である。
首都圏ではいくつかの自治体で、ごみ焼却灰における高濃度汚染に悩んでいる。
土壌汚染の測定結果や除染などについて、緊急シンポジウムを追加開催している学会もある。

昨年夏には、被災地の松を燃やすかどうかで、賛否両論入り乱れての一騒動があった。
今週は秋田で、ペレットストーブの灰から放射性セシウム137が検出されたことが騒ぎとなっている。

地元紙の秋田魁新報の記事と、秋田県横手市森林組合公式ブログを引用しておこう。
www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp (3月18日の記事)
www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp (3月20日の記事)
hshinrin.blog14.fc2.com/blog-entry-739.html (森林組合のブログ記事)

【大館市の木質ペレット製造業者が市内の事業所などから回収したペレットストーブの焼却灰の一部から、1キロ当たり千ベクレルを超える放射性物質が検出されたことが17日、分かった。

業者は、ペレットに放射性物質が含まれていた可能性があると指摘。「原料の一部に北欧産の輸入材を使ったおがくずが含まれていた。その中に(1986年の)チェルノブイリ原発事故で汚染されたものがあった可能性がある」としているが、どの製造工程で混入したか不明。回収した灰は数キロ程度で、業者が市内のペレット製造施設内で保管している。】

【大館市の木質ペレット製造業者の製品の焼却灰から1キロ当たり千ベクレルを超える放射性物質が検出された問題で、市は19日、汚染の可能性があるペレットが本年度400トン生産され、県内11市町で既に販売されていたと発表した。原因は原料に使われていたスウェーデン産のアカマツであることも分かった。業者が製品と灰の自主回収を進めている。】

大館市のHPでは公式ツイッターも含めて、3月21日時点で、残念ながら何も情報はない。
www.city.odate.akita.jp/

具体的な数値(1300 Bq/kg)については、河北新報の記事を引用しておこう。
www.kahoku.co.jp/news/2012/03/20120320t43014.htm
【秋田県大館市は19日、暖房の燃料に使われる木材加工品「ペレット」の焼却灰から1キログラム当たり1300ベクレルの放射性セシウム137が検出されたと発表した。

国の基準では、1キログラム当たり8千ベクレル以下なら通常のゴミと同じように埋め立てが可能。肥料などとして使用する場合の暫定許容値は同400ベクレル。】

問題のペレットを製造販売したのは、北秋容器株式会社である。
会社のHPには、木質ペレットの製造工程の他に、ペレットを利用するストーブやボイラーの紹介ページがある。
www.hokusyu-yoki.co.jp/index.htm
www.hokusyu-yoki.co.jp/pellet.htm

木質ペレットの原料には間伐材や端材などを有効活用できるので、森林の適切な管理に役立つと期待されている。
また、バイオマス利用ということで、二酸化炭素排出量を相殺できるとみなされ、重油やガスを使うボイラーよりはエコだと言われている。

ペレット原料の選択理由は会社に聞いてみないとわからないが、原料アカマツをスウェーデンから輸入していたとのことだ。
生産を始めた2009年から使っていたのか、日本の木材と混ぜていたのか、現時点ではよくわからないため、追跡調査中のようだ。

スウェーデン産アカマツということで、今回検出された放射性セシウム137は、なんと25年前のチェルノブイリ事故由来である。
確かに今でもヨーロッパでは、自生キノコや野生イノシシの肉などから、基準値を超えるセシウム137が検出され続けているから、21世紀中はずっと監視していなければならないだろう。

ストーブ用の木質ペレットと言えば、2009年にリトアニア産のペレットからセシウム137が検出されて、イタリアなどで騒ぎとなった。
www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5goYteynhsH7xwCovzDSezXKc7fvQ (AFP英語記事 2009年6月14日)

25年前のチェルノブイリ事故の影響が今でも残っているのだから、福島第一原発事故で汚染された地域に、今年から戻ろうなどというのは無茶な考え方のように思える。
避難している人たちが右往左往するようなことを、無責任にあれこれ言うのはやめて、今後○○年は住めない、と決断する方がまだいい。
しかし、「すぐに人体に影響が出るレベルではない」と言い続けたため、うやむやにすることしか考えていないのだろうか。

テーマ : 環境問題
ジャンル : ニュース

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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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