証券アナリストの銘柄解説は参考程度にした方がいいと実感した件

注:先日投稿した記事から、具体的な社名や製品名などを削除して再投稿

auひかりTVでよく視聴するチャンネルの一つが、ビジネス・経済専門チャンネルの「日経CNBC」である。
www.nikkei-cnbc.co.jp/

「のんびりコツコツ投資」という、私の投資方針に合わない情報もあるが、証券アナリストや経済学者などの専門家を含めた他人の見解を聞くことも、投資の勉強の一つだろう。
勉強とは言っても、「その企業や業種が注目されていると聞いたことがあるな」という程度の反応なので、ニュースサイト閲覧をしながら聞き流しているのが実情だ。

毎日ではないが、帰宅後の時間帯に再放送されるマーケット情報番組を見ており、「ラップトゥデイ」も21時に再放送があれば見ている。
www.nikkei-cnbc.co.jp/program/wraptoday/

ラップトゥデイでは、「銘柄ファインダー」というコーナーがあり、証券アナリストが注目企業の紹介をしている。
いつもは聞き流すことが多いが、7月のある日に紹介された機械メーカーは、化学プラントにも関連しているので興味を持った。

このメーカーが生産する特殊なポンプの特徴とは、「液体が漏れないことである。
そのため、塩酸や冷媒用アンモニアなどの劇物の他、爆発性・引火性といった危険な液体の送液に利用されている。

ところが、その特殊ポンプの特徴の解説で、ゲストの証券アナリストが、信じられない言葉を発した。
それは、「例えばサリン等の…危険な液体を使う際…」という発言。

最初は、「塩水」の意味の「サリン(saline)」のことかと思ったが、塩水が危険な液体のはずはない。
録画を何度も再生して聞いてみて、やはり化学兵器のサリン(sarin)を例示に使ったのだと確信した。

化学兵器に使われるサリンは、確かに危険な物質だが、このポンプは化学兵器製造用に開発したわけではない。
加えて、輸出先で悪用されないように、国内法や国際条約に基づいた手続きを踏んでおり、この企業の紹介に「サリン」は不適切だ。

この企業の過去の決算報告書を読んだところ、数年前に社長が、「一滴漏れても重大な被害を起こす物質」の例えとして、「あのサリンのように」と発言していた。
しかし、続く発言を最後まで読んでいけば真意は、「危険であっても工業生産に必須の劇物があるため、一滴も漏れないポンプが必要となる」、であると理解できるはずだ。

社長の不用意発言も困るが、何年も前の発言を省略して製品紹介に使った証券アナリストも信頼性に欠ける。
紹介する前に、その企業の広報担当に確認したり、特殊ポンプの納品先を取材するなど、調査報道の手法を使うべきだった。
事例紹介するならば、塩酸や硫酸といった劇物や、引火性液体、禁水性薬品にすればよいのだ。

番組キャスターが何も指摘しなかったことや、再放送に訂正テロップもなかったので、日経CNBC視聴者センターに電話で質問した。
www.nikkei-cnbc.co.jp/company/info.html

放送翌日の昼休みに電話したところ、すぐに回答はできないとのことだったので、私の電話番号を伝えて返答を待った。
ちょうど買い物中に携帯電話に着信があったが、私は気がつかず、日経CNBCが何を伝えたかったのか、それは不明だ。

とにかく、銘柄紹介で「サリン」という表現を使ったことに関して、番組内で訂正コメントがあるかどうか確認することにした。
16時の番組の予約録画を忘れていたので、21時の再放送で確認した。

すると放送開始後20分頃に、「…説明する際、誤解を招く表現がありました。視聴者の皆様にお詫び申し上げます。大変失礼いたしました。」と、キャスターがお詫びの文章を読み上げた。

私の電話から3時間程度で、前日の放送内容を確認し、そして16時の放送に間に合わせたのだから、この素早い対応は評価したい。
ただし残念なのは、放送済みの内容を再検討して、修正すべき表現などに気付いて、当日の再放送で訂正テロップを出してほしかった。

そのアナリストが所属する証券会社にも電話したところ、上司の方から説明と謝罪があった。

また、紹介された会社に問い合わせたところ、日経CNBCで取り上げられたことを知らなかったという。
数年前の決算報告書に掲載された社長の発言が、今回の誤解を招いたことを後悔しているそうだ。

日経CNBCで、銘柄紹介のやり直しをするかどうかは不明だが、当事者である三社間で協議することになるのだろう。

ネット上だけでなく、マネー雑誌や新聞も含めて、アナリストの様々な見解が連日掲載されているが、今回の件で、やはり自分で調査して判断することが大切だと感じた。

テーマ : 明日の注目銘柄
ジャンル : 株式・投資・マネー

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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