ドイツ・イェーナ大学:ゼメスター打ち上げパーティーで白衣を燃やしたら13人が火傷

ドイツの大学ではセメスター制(ドイツ語発音ではゼメスター)を採用している。
半年間ずっと講義をしているわけではなく、4月開始の夏ゼメスターでは、夏休み前の7月下旬には最終試験も終わる。
ということで、無事に夏ゼメスターを乗り切ったことを祝って、いろいろな打ち上げパーティーをする。

ゲーテの化学実験に助言をしていたことで有名なイェーナ大学(Friedrich-Schiller-Universität Jena)でも、7月18日に夏ゼメスターの打ち上げパーティーがあったが、火事が起きて学生13人が火傷を負い、大学病院に搬送された。

そのうち3名は女子学生で、顔と上半身、そして両腕に火傷を負ったという。
大学病院で応急処置をした後、軽度の10名はそのまま入院して経過観察となったが、重度の火傷をした3名は、火傷治療の専門病院があるハレとライプチッヒにヘリコプターで搬送された。
現時点で命に別状はないとのことだ。

SPIEGEL Online と Jenanwes の記事は次の通り。
www.spiegel.de/unispiegel/jobundberuf/pharmazie-feier-13-verletzte-durch-flammen-an-uni-jena-a-845347.html
jenanews.de/index.php/nachrichten/dies-a-das/50-nachrichten/5421-13-verletzte-bei-semesterabschlussfeier

以下の記事では、より詳細に報じている(2つ目はニュース動画)。
www.otz.de/web/zgt/suche/detail/-/specific/Unglueck-bei-der-Abschlussparty-13-Verletzte-an-Uni-Jena-2096026408
www.otz.de/web/zgt/suche/detail/-/specific/Ethanol-Unfall-an-der-Universitaet-Jena-1555371759

イェーナ大学の公式のプレスリリースは次の通り。
www.uni-jena.de/Mitteilungen/PM120719_Brand_Pharmazie.html

事故があった薬学部では昔からの伝統として、実験実習で使った白衣をゼメスター打ち上げパーティーで燃やすそうだ。
白衣はバーベキューコンロや、ドラム缶状の金属容器に入れて燃やす。

今回のパーティーには100人以上の学生が参加していて、事故は22時頃に起きた。
伝統行事ではあるものの、取材に対して大学側は、学生が独自に実施している行事という説明をしている。

木綿製の白衣が燃えやすくなるように、ある学生がエタノールを染み込ませようとした。
ただ、エタノール入りビンの口を開けたまま火に近づいたため、空気と混合したエタノール蒸気に引火して、爆発的に炎上した(Verpuffung、突燃)。
その学生はパニックとなり、炎を噴き出しているビンを投げ捨てたため、飛び散ったエタノールが自分だけでなく、近くにいた学生にもかかり、そして火傷をした。

警察・消防による現場検証と目撃証言の調査は継続中。
動画撮影していた学生もいたようなので、事故場面の映像を探して、解析を検討するようだ。
伝統行事ではあっても、路上で白衣を燃やすことを、誰が許可したのかも調査する予定。

エタノールの沸点は約78℃で、常温では液体であっても、一部は蒸気になっている。
そして、ある割合で空気と混合すると、爆発の危険性が高くなる。
実験のときには注意していても、打ち上げパーティーという開放感を味わう場では、安全意識は欠如してしまうものだ。
それに、いたずら好きの学生はどこにでもいるもので、エタノールで炎に勢いをつけて、盛り上げようとしたのかもしれない。

家庭内でも、スプレー式の消毒用エタノールを使用することがある。
水を混ぜたエタノールでも着火するので、ガスコンロの火を消すなど、「火気厳禁」の注意事項を再確認してほしい。

テーマ : 海外ニュース
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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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