深夜に届いたメールはネイティブ英訳のチェック依頼だった

先月下旬、ある会合に参加してほしいと頼まれていたが、緊急の翻訳を受注したためにキャンセルしてしまった。
声をかけてくれた人には申し訳ないが、翻訳は困っている人を助ける仕事だと、言い訳することにしている。
約3万円の収入増となったので、翻訳料金が入ったら、いくらか寄付金を出そうかと考えている。

9月に入ってから、本業の実験では大量合成をしているので、体力的にも精神的にも疲れている。
それで、いつもより早めに寝るようにしているのだが、こんなときに限って、緊急翻訳の依頼が来るものだ。

今回の翻訳案件は、ネイティブが英訳した英文をチェックするもので、今年2月の案件と同じ翻訳会社からの依頼だった。
いくらネイティブ翻訳とは言っても、科学英語には独特の特徴があるので、化学者の私が専門用語も含めてチェックする必要があるのだ。

ネイティブ翻訳者の英訳は、メール添付のワードファイルで提供されるので、スマートフォンがあればどこでも内容を確認できて、すぐに返信可能である。
スマートフォンを使う理由の一つは、翻訳受注の迅速化のためなのだが、今回はそれは活かされなかった。
なぜならば、メールが届いたのが23時過ぎで、私は既に寝ていたからだ。


こんな遅い時間にメールが来るとは思っていなかったのだが、今後は寝室にスマートフォンを置くべきなのかもしれない。
ただし、いつメールが来るのか気になって、寝つきが悪くなりそうだが。


2011年の翻訳受注実績は、わずか1件にとどまり、収入も源泉徴収後に約4万円とわびしいものだった。前年納期分の振り込みがあったので、年間収入としては20万円程度になったものの、毎年目標にしている100万円は一度も達成できないままだ。ところが今年の状況は一変し、1月に2件の依頼があり、さらに今月からデータベース翻訳プロジェクトも復活した。これはワード数の多い案件なので、4月中旬までかかる予定だ。現時...

ネイティブ英訳を日本人がチェックすることも必要だと実感した



翌朝6時頃に起床し、作業机の上に置いてあるスマートフォンを見ると、着信通知ランプが点滅していて、何かメールが来たことを知った。
確認してみると、23時過ぎに届いたメールで、英訳チェッカーの緊急案件だった。
納期は週明け月曜日の午前中ということで、既に私に依頼する前提となっており、眠気は吹き飛んでしまった。

よく読むと、ワード数は2000未満で、しかも前回よりもまともな科学英語になっていたので、少し安心した。
ということで朝食中にざっと読んで、納期に間に合うことを確認し、翻訳会社の担当者に返信した。

朝8時から2時間で1回目のチェックを終えたとき、ちょうど休憩しようかというタイミングで、KDDIからお詫びの電話が来た。
時間に余裕があったので話をしたが、前回の試験報告書和訳の時だったら、週明けにしてくれと断っただろう。

昼食後に見直し作業をして、休憩後にさらに1時間かけて最終チェックをした。
ほぼ完成したと思うが、ここは1日空けて、明日もう一度確認してから、納品最終版をメール添付で提出しよう。

ところで今回も、科学英語としては違和感を持つ英訳であった。
科学英語では、「語数を減らす・簡潔に表現する」ということが求められる。

今回の英訳にもあったが、「~によって」は、「by means of」ではなく、単に「by」とする方が望ましい。

また、「a solution of A, B, and C in diethyl ether」は、「a diethyl ether solution of A, B, and C」と、溶媒名を先に持ってくる方がわかりやすい。

こういった科学英語特有の表現法を除けば、高等教育を受けた英語ネイティブということで、文法の間違いはほとんどない。
名詞を複数形にすべきところが、単数形になっていたのが、唯一の間違いであった。
好意的に解釈すると、元の日本語文からは、単数・複数の判別が困難だということも背景にあるだろう。

日本人が英訳チェックをする理由は、専門用語の確認や、訳抜けのチェックだけではない。
元の日本語文自体が、英訳しにくい文章構造になっていることが多いので、英語らしくない英語になる可能性があるから。
私が英語・ドイツ語を和訳するときと同じことが起きているわけだ。

私の修正に納得してくれるかどうかはわからないが、納品後に担当者に問い合わせてみよう。

テーマ : 英語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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