ビールの泡を長持ちさせる酵母由来タンパク質の遺伝子が同定された

私が好きなアルコール飲料はビールとワインであるが、飲まなくなって5年以上になる。
健康診断で何かあったわけではなく、処方されている薬の副作用が、アルコールで増強されるおそれがあるからだ。

最近はノンアルコールビールも、アルコール完全ゼロになり、しかもおいしい味の商品に進化してきたので、飲み会のときはお世話になっている。

ノンアルコールビールの種類が増えてきたものの、元々ビール党の私にとって、本物のビールの話題は気になるものだ。
2010年には、大麦に含まれるケイ素が骨を強くするのではないか、というニュースもあった。
jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-13803020100210 (ロイター)

そして最新の研究では、ビールの泡を長持ちさせる酵母由来タンパク質の遺伝子が同定された。
J. Agric. Food Chem., 2012, 60 , 10796 (DOI: 10.1021/jf3027974)
pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jf3027974

アメリカ化学会の論文紹介と、ドイツ科学誌 bild der wissenschaft での紹介は次の通り。
portal.acs.org/portal/acs/corg/content
www.wissenschaft.de/wissenschaft/news/316364.html

ビールの泡に含まれるタンパク質は、主に麦芽と酵母の細胞壁由来と言われている。
豊かできめ細やかな泡が長続きするのは、酵母由来のタンパク質 Cfg1p があるからだ。
今回紹介した論文は、そのタンパク質 Cfg1p の遺伝子 CFG1 を特定した研究成果である。

今回単離・同定した遺伝子 CFG1 は、下面発酵のラガービール用酵母株 Saccharomyces pastorianus から得られた。
CFG1 が働かないようにした酵母でビールを醸造した場合、論文の比較写真から判断すると、泡の高さが約3分の1程度にしかならない。

遺伝子が同定されたことで、これから品種改良によって、もっときめ細やかで長持ちする泡ができるビールが生まれるかもしれない。


きれいな泡を作るには、きれいなジョッキを使い、注ぎ方にもコツがあるとのことだったが、酵母のタンパク質自体が重要な役割を演じていたとは知らなかった。
ビールは飲めないものの、これで雑学が一つ増えて楽しい気分になった。

ワインや日本酒の酵母にも同様に、泡を作るタンパク質があるとのことだが、酵母の種類が違うと泡の量も異なるわけだ。

遺伝子組み換え酵母を使って、泡がたくさんできるアルコール飲料を開発しても、消費者が受け入れるかどうかはわからない。
ただ、純粋な科学的興味から、品種改良につなげてほしい研究だと感じた。

また、タンパク質 Cfg1p を酵母でなくても大腸菌などで大量生産して、ノンアルコールビールに混ぜれば、非常に泡立ちのよい商品になるかもしれない。
今後の展開に期待しよう。

テーマ : ビール
ジャンル : グルメ

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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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