ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版のニュース翻訳解説でもケアレスミスはある

副業翻訳をしている私は、寝不足などで本業の研究に影響しないように、主に納期に余裕のある案件を受注している。
その時間的制約のためもあり、ニュース翻訳のようにスピード納品が求められる分野には登録していない。

ただし、未来のことは予測できないので、例えば、AFPやロイター通信の他にも、CNN、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の日本語版で、ニュース翻訳の勉強もしている。

WSJ日本語版では、「プロに学ぶニュース翻訳」というコーナーがある。
用語の解説だけでなく、解釈のポイントも記載されているので、非常に有用だと思われる。
jp.wsj.com/article/japan-news-translation.html

しかし残念ながら、12月28日掲載の第23回の記事では、最後にケアレスミスを見つけてしまった。
第4段落のポイント解説にある、そのタイプミスの部分を転記しておこう。

【「lose leverage」は「梃子を失う」の意味だが、これも時事英語でよく使われる表現。
「EU has lost leverage on Turke(EU、トルクについて主導的な役割を失う)なども一例。】

英語の例文の最後が Turke となっているが、これでは意味が不明なので、タイプミスだと気付く人は多いだろう。
ということで正しくは、Turkey という国名になるはず。
最近のシリア内戦に対するEUとトルコの対応を知らなくても、タイプミスという結論でいいだろう。

「トルク」という単語自体は、回転力のモーメントや装身具名を指すが、「EU、トルクについて主導的な役割を失う」は意味不明の文だ。
それに英語では、力のモーメントは torque、装身具は torc または torque なので、原文からも間違いとわかる。
主語がEUなのだから、外交・国際関係の話だと推測すれば、「トルコ」という国名になるはずだと気付くだろう。

この件については、メールで連絡しておいたので、しばらくすれば連絡が来るかもしれない。

それにしても私が気付くまでの約1週間、修正されていないということは、誰も指摘しなかったのだろうか。
加えて、この解説記事のために著者は例文を和訳していて、「トルク」に違和感を持たなかったのだろうか。

まあ、この世に完璧なものは存在しないということを再認識した。

テーマ : 英語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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