「spectrum」の和訳は「スペクトラム」ではなく「スペクトル」としてほしい

ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルで1月18日20時から放送された、「地球外生命体の存在」を観た。
www.ngcjapan.com/tv/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/809

そして今回もまた、違和感が残って気になる日本語ナレーションに出くわした。

番組開始から約47分頃のウェッブ宇宙望遠鏡の説明のところで、観測する波長領域を、「スペクトラム」と言っているように聞こえた。

聞き間違いかもしれないので、21日4時からの放送を録画した。
そして本日22日の帰宅後に再生して、該当部分を何度も確認した。

すると日本語ナレーションは確かに、「…ウェッブ望遠鏡は第二の地球を、目に見えないスペクトラム、赤外線で探します。」であった。

科学用語としては、「スペクトラム」ではなく、「スペクトル」を使ってほしい。
また、この文脈では、「目に見えない波長領域、赤外線で探します。」とする方が適切だと思う。

18日土曜日にメールフォームで問い合わせをしたものの、対応は平日日中のみなので、21日4時の再放送はそのまま流れてしまった。
調査が完了してから連絡が来るとのことだが、もし私の指摘が正しければ、2月25日の次回放送までに修正をしてほしいものだ。

映像翻訳者が「スペクトラム」としたのは、英語の「spectrum」の発音を、そのままカタカナ表記したからなのだろうか。
せっかく録画したのだから、音声を英語に切り替えて確認してみた。
「… Webb will search for the next Earth in an invisible part of spectrum called the infrared.」と聞き取った。

冠詞などの聞き取りが正しいかどうか、細かいことは今回は抜きにして、「invisible part of spectrum」という語句全体の和訳を考えてみよう。

「spectrum」を「スペクトル」としても、「目に見えないスペクトル、赤外線で探します」では、まだ違和感が残る。
「スペクトル」という単語にこだわらず、「目に見えない波長領域の赤外線で探します」と、語句全体での意味を表現する方が、より理解しやすいのではないだろうか。

興味を持った番組を観ているだけなので、24時間体制で誤訳を見つけようとしているわけではない。
それでも毎月、誤訳とまでは言えなくても、違和感のある和訳に出会ってしまう。

日本語版を作成・監修しているFOXジャパンでは、映像翻訳会社に委託しているわけだが、ナショジオのブランドを傷つけないように、チェック体制を強化してほしいものだ。

テーマ : 英語
ジャンル : 学問・文化・芸術

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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