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試験対策のために英語を勉強しても嫌いになるだけではないだろうか

日経電子版を読んだところ、学習塾各社が小学生向けの英語教育に力を入れていることを知った。

小6で高校級の英語力も 塾の「英」才教室相次ぐ

小学校での必修化などを受け、学習塾各社が英語教育の新サービスを相次ぎ始める。
早稲田アカデミーは小学生で高校中級レベルの英語力習得を目指す教室を展開。
拓人(東京・中央)はバイリンガル教育の保育所を開く。
採用や昇進で英語力を重視する企業も増え、保護者の関心は高い。…】

早稲田アカデミーのHPを見ると、小学一年生で英検準1級に合格したなどという事例が、誇らしげに示されている。
www.waseda-ac.co.jp/ibs/index.html

【「東大・医学部・ハーバードに一番近い小学生たちの英語塾」】という宣伝文句から、英語を知ることの楽しみは感じられなかった。
受験勉強が面白くなかった私には、絶対に向いていないところだ。

受験科目に英語があるのは事実だが、入試のためだけに勉強をするような人に、治療してほしいとは思わない。

【次代のリーダー育成に本気です】と言うのであれば、リーダーに向かない考え方の場合には、成績が良くても指導しない方針にしてほしい。

授業の概要を見たところ、「英検対策講座」もあった。
1つの指標として英検を利用するのはかまわないが、どうして英検だけなのかという説明はなかった。
www.waseda-ac.co.jp/ibs/eiken.html

学校教育において失敗続きの文部科学省でさえ、「各学校段階の到達目標を明確化(TOEIC(トーイック)・TOEFL(トーフル)・英検の活用等)」と、英検以外にも言及しているのに。

また文部科学省は、指標として英検は適切とは言えないと指摘し、新しい評価方法の開発を外部委託していた(まあ、新規予算を獲得するための作文だろうが)。
それでも英検対策だけに力を入れたいのであれば、その理由を理解できるように説明してほしいものだ。

田舎育ちで変わり者の私にとって、試験対策のために勉強する人たちの考えていることは理解不能である。
知りたいという好奇心が生まれないのであれば、時間の無駄だと感じてしまう。

試験のためだと言って無理に勉強させても、英語が嫌いになる子どもたちを増やすだけではないだろうか。
英語が向いていないとわかったときに、どのように支援するのか、学習塾にその役割を期待できるだろうか。

まあ、指導を受けた子どもの1%でもいいから、優秀な人材に育ってほしいものだ。
そして何人かが翻訳の仕事をするようになれば、私が指摘しているような誤訳は減るかもしれない。

テーマ : 教育問題
ジャンル : ニュース

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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