アイスランドでは座礁したゴンドウクジラを生きているうちに解体して食べた?

クジラ・イルカ類が海岸に打ち上げられる座礁(ストランディング)が、年に何回かニュースになっている。
その原因は依然として不明だが、中には珍しい種類のクジラ・イルカ類が座礁・漂着することもある。
その場合、学術的資料としての価値が高く、DNA解析用のサンプルが採取されたり、骨格標本を作るために一度砂浜に埋められたりする。

また、大昔から行われていたように、ストランディング個体を食用として利用することもあるだろう。
実際に最近も、イルカ食が一般的な地域で、ストランディング個体を見つけた住民たちが集まって、解体して持ち帰った事例がある。

水産庁の「鯨類座礁対処マニュアル」でも、食用利用を想定しているが、衛生面から推奨してはいない。
www.jfa.maff.go.jp/j/whale/pdf/manyuaru2012kaisei.pdf
食用利用
 …座礁鯨の食用利用による食中毒発生事例や罹病鯨発見の事例もあり、専門家による慎重な判断が必要である。…「食品衛生法」の体系の中で、食品としての安全性を十分確保しうることが前提となる。】

学術標本として利用する他に、肥料に加工している国もあるが、食用にしている事例はほとんど聞かない。

そんななか、9月8日、アイスランドのオラフスヴィーク(Ólafsvík)そばの海岸に、100頭近いゴンドウクジラがストランディングした。
そして、この思いがけない自然の恵みを求めて
住民たちがナイフを手にして集まり、下に引用した写真のように解体して、各家庭に持ち帰って鯨肉料理を作ったという。
www.ruv.is/frett/sed-a-annan-tug-daudra-hvala-i-dag
www.mbl.is/frettir/innlent/2013/09/09/verklagsreglum_ekki_fylgt/

 Island_Grindwal_a.jpg
ストランディングしたゴンドウクジラを解体
このニュースの一部だけを見れば、ヴァイキングの子孫であるアイスランド人には、自然の恵みをそのまま受け取るという文化が根付いているように感じられる。
解体方法にも慣れているようだし、子どもたちに見せていることからも、伝統的食文化と言ってよいだろう。

ただし、「生きているうちに解体を始めた」という指摘があった。

アイスランド語の勉強は進んでいないので、代わりに英語とドイツ語での報道を参考にしよう。
www.icelandreview.com/icelandreview/daily_news/
grapevine.is/Home/ReadArticle/Beached-Whales-May-Have-Been-Alive-When-Butchered
www.zeit.de/wissen/umwelt/2013-09/walstrandung-island-schlachtung-3 (ドイツ語)

専門家の話では、本当に死んでいるかどうかの判断は、一般人には困難であり、「動かない個体を死んだと思って解体した」のだろう。
それでも、生きたままナイフを突き立てたのならば、非人道的な行為として批判されるかもしれない。

加えて、ゴンドウクジラは水銀だけでなく、ダイオキシン類などの有害物質を含んでいるので、妊婦や子どもは食べないようにと忠告されている。

テーマ : 海外食生活
ジャンル : 海外情報

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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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