木星に関する天文記事でニンニクの話が出るのはなぜ?

ヨーロッパの新聞・雑誌を読むときに必要な基礎知識として、聖書の他にも、ギリシャ・ローマ神話やイソップ物語が挙げられる。
その基礎知識がないと、イントロ部分で意味がわからず、つまづいてしまうことになる。
まあ、わからない部分は飛ばして読んでもかまわないが、その引用についていろいろと調べることは、雑学の楽しみがあり、そして語学の勉強にもつながる。

冬の星座、ふたご座を見上げると、その中央付近に一等星よりも明るい目立つ星がある。
それは木星で、1月6日に衝となり、観望の好機ということで、紹介する天文記事がいくつか出ている。

ドイツの新聞 Süddeutsche Zeitung の天文記事では、木星の話なのに、なぜかゼウスとニンニクについても調べることになった。
www.sueddeutsche.de/wissen/sternenhimmel-hoellenplanet-mit-knoblauchduft-1.1855129

記事のタイトルは、"Höllenplanet mit Knoblauchduft (ニンニク臭がする地獄の惑星)" で、リード部分を読んでも「ニンニク臭」については何もわからなかった。
本文を読み進めて、木星大気の成分についての説明で、ニンニク臭がするホスフィン(PH3)が出てきて、やっとタイトルが理解できた。

ということで書き出しの、"Ein Hauch von Knoblauch umweht den Göttervater. (ニンニクの香りが神々の父を包んでいる。)" も、ホスフィンを含む大気のことを言っていることがやっと理解できた。

ただし、木星のことを Göttervater(神々の父)と言い換えていることが、何か意味のあるこのなのかどうか、少々気になった。

木星は、ドイツ語では英語と同じ Jupiter で、ローマ神話のユーピテルにつながる。
ただ、ニンニクとの関係がわからなかったので、Göttervater(神々の父)から、ギリシャ神話のゼウスで検索することにした。

すると健康食品のサイトで、ニンニクの強壮作用の宣伝文句にヒントがあった(健康食品の宣伝はしたくないのでリンクなし)。
ギリシャ時代には、「ゼウス神の母の宮殿を訪れる前ににんにくを食べた者は中に入ってはならない」とのこと。

この逸話では、ゼウスの周囲をニンニクの香りが漂っているわけではないので、英語やドイツ語で、もう少し調査してみよう。

それでも、ニンニク臭がするホスフィンを大気に含むという科学的事実だけではなく、ゼウスとニンニクのことまで掛けている表現は勉強になる。

テーマ : 語学の勉強
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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