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アイスランドの鯨肉はカナダ経由で日本に輸出されている

(最終チェック・修正日 2014年04月12日)

アイスランドでは商業捕鯨が行われており、ミンククジラとナガスクジラを獲っている。
ミンククジラはアイスランド国内向けだが、ナガスクジラは日本に輸出するために獲っている。

アイスランドの輸出統計を3月6日に確認したところ、昨年12月までの鯨肉輸出量が公開されていた。
4月、6月、7月に、約130トンずつ輸出されているが、8月から12月まではゼロである。
グリーンピースなどの環境保護団体や、反捕鯨団体が抗議運動をしていて、鯨肉コンテナを積んだ船がEU諸国の港から追い返されているためか、輸出量がゼロになったと思われる。

昨年は6月と7月に連続して、それぞれオランダとドイツの税関が、冷凍鯨肉コンテナを積んだ貨物船の寄港を拒否したから、日本への輸出はもう無理なのかと思っていたら、なんとカナダの陸路を経由して運ぼうとしているとのことだ。

太平洋側のバンクーバーの新聞、The Vancouver Sunが2月13日に報じていた。
www.vancouversun.com/news/Shock+over+meat+endangered+whales+shipped+through+Canada/9501269/story.html

環境保護団体グリーンピース・カナダでは、報道よりも2週間ほど前に、この情報を入手していたという。
www.greenpeace.org/canada/en/Blog/6000-kilometers-of-shame-feds-allow-endangere/blog/48221/

カナダやアイスランドの報道(英語)がいくつか続いているものの、日本ではニュースになっていないようだ。
www.cbc.ca/news/canada/nova-scotia/endangered-whale-meat-shipped-via-halifax-en-route-to-japan-1.2541968
www.ctvnews.ca/canada/critics-call-for-tougher-trade-laws-after-endangered-whale-meat-shipped-through-canada-1.1690352
grapevine.is/News/ReadArticle/Iceland-Using-Canada-As-Whaling-Stop
www.icenews.is/2014/03/01/icelandic-whalers-take-canadian-route-to-japan/

3月2日付け The Vancouver Sun の続報では、カナダの鉄道で鯨肉を運んでいることに対して、署名活動などの反対運動が起きているとあった。
グリーンピース・カナダでは、オンライン署名活動を行っており、5万人分を集める目標だ(3月8日朝の時点で約1万2千人)。
www.vancouversun.com/news/Ottawa+pressured+stop+trans+shipments+whale+meat/9570277/story.html
www.thepetitionsite.com/takeaction/301/446/322/

カナダの東海岸ハリファックスの港に到着してから1か月経過しているため、鉄道で運ばれた冷凍鯨肉コンテナは、既にバンクーバーの港から日本行きの貨物船に載せられたことだろう。
バンクーバーから日本までの標準日数は10日なので、もう日本に到着していると思われる。

EU諸国では、鯨肉コンテナを積んだアイスランドの貨物船の寄港を阻止する方針にしている。
鯨肉の輸出先は日本であってEU諸国ではないが、コンテナの積み替え作業で一時的に港の敷地に置くことすら拒否したいようだ。

それに対してカナダ税関は、書類に不備がなかったため、国内通過を認めるしかなかったと言っている。
いわゆるワシントン条約では、付属書Iに記載された種の取引を禁止しているが、クジラ類について捕鯨国のアイスランド・ノルウェー・日本は留保を宣言している。
留保の主張は国際的に認められた権利であり、留保しているアイスランドと日本との間で、今回のようにナガスクジラ肉の輸出入取引を行っても、合法行為となってしまう。

EU諸国や環境保護団体は、留保すること自体が問題だと主張しているので、今後ももめることだろう。

追記(4月12日):
アイスランドの輸出統計で冷凍鯨関連製品を検索すると、1月は約42トン、2月は約212トンを輸出していた。
カナダの陸路経由の輸出は、そのうち1月の約42トンと思われる。

テーマ : 動物・植物 - 生き物のニュース
ジャンル : ニュース

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MarburgChemie

Author:MarburgChemie
製薬メーカー子会社の解散後、民間企業研究所で派遣社員として勤務していましたが、化学と語学の両方の能力を活かすために専業翻訳者となりました。

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